約 1,012,685 件
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/895.html
照「咲ちゃんと仲直りしたいなぁ…、話しかけるキッカケとかあればなぁ…」ブツブツ 京太郎「くそ、優希のヤツ。タコスとかなかなか売ってないんだぞ。探すこっちの身にもなって…」 ゴチン! 京太郎「あいたー」サスリサスリ 照「あいたた」サスリサスリ 京太郎「あっ、すいません。ちょっと考え事してたものですから…」 照「俺の方こそ、もうしわけないです。ちょっと、私用で急いでたもので…」 京太郎・照「「ん?」」 京太郎・照「「なんで俺が(私が)、目の前に居るんだーーーーー!?!?!?!??!」」 ベンチ 京太郎「ほら、ジュースだよ。コーラで良かったか?」 照「すいません。頂きます」 京太郎「まさか君が、例の清澄高校唯一の男子部員の須賀京太郎君ね。ふーん」ジーーー 照「俺の事、知ってるんですか?」 京太郎「妹から時々来る手紙とかでね。で、私の世界一カワイイ妹の咲ちゃんとは、どんな関係だ!?」ズィ 照「ただの幼馴染っす!後、部活仲間で!」 京太郎「手紙によると麻雀部に入ったキッカケが、君みたいだけど…。まぁ、いいや。せっかくだし、咲ちゃんの事、色々と語りなさい」 照「えーっとですね。普段の咲は…」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 京太郎「へぇー、舐めプ麻雀、辞めたんだ。それは初耳だ」 照「えぇ、和との約束で、もうそうゆう麻雀は打たないみたいですよ。和って言うのはですね」 京太郎(私があれだけ言っても、±0スタイル辞めなかったけど…。原村和、菫にどんな人物なのか調べて貰おう…) 照「しかし、こんな摩訶不思議なオカルトもあるんですね。俺と照さんの体が入れ替わるなんて」 京太郎「全くだ。麻雀についてのオカルトは否定しないが、こんな不可解な現象は理解出来ない」 照「もう一度、頭をぶつけてみますか?」 京太郎「痛いのは嫌だが…。仕方ないな…」 京太郎(ん?待てよ。この体なら、咲ちゃんと普通に話してもいいんだよな…) 京太郎(気軽にフランクに、咲ちゃんに、『イェーイ今日もカワイイねー♪』とか言えるんだよな…) 照「じゃあ、行きますよ…。せーの!」 京太郎「ちょいタンマ!」ヒョイ 照「あわわわわ!」 スカッ! 京太郎「すまない。須賀君。今日一日だけ、この体を貸してくれ。私の体は君に預ける。エッチな事したら、シャープシュート(物理)で君の体に風穴が開く事を忘れるな!」 京太郎「後、試合に代わりに出といてくれ!10万点ある、1万点残せば、私の後輩が何とかする」 京太郎「では、アディオス」ドヒュー 照「ちょっと!俺、清澄でも一番弱くて…つかルールもあんま知らな…」 照「って言っちゃったよ…」 淡「あっ、いたいた」 誠子「宮永先輩、一人で出歩いたら、ダメですよ!迷子になって、棄権とか白糸台が一番ありえる敗北パターンなんですからね!」 淡「そうそう、棄権して三連覇逃しましたとか恥ずかしくてもう私、街中歩けないよ」 照「えっ!?あっ…、ちょ!俺、違う人で!?」 誠子「はいはい、とりあえず先鋒戦終わってから、聞きますね」 ズルズル 照「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」 照「あの短髪の女の人…。めちゃくちゃ力強いんだけど…」ヒリヒリ 照「はぁ…、まさか夢にまで見た初めての全国大会の舞台が、女になってチャンピオンとして打つとか…。なんだこれ…、夢だよな?」 照「とりあえず時間まで、ルールを覚えよう。幸い白糸台の部室にあったし」パラッ 『牌のお姉さんが教える穏乃でもわかるルールブック』 照「ほぅ…、時々写真付きの、はやりお姉さんのおもちが、すばらですな…。ほぅ…。なかなかのなかなかで…」パラッ 照「牌のお姉さんのおもちやべー、これエロ本じゃねーの!?」ハァハァ 玄「初めまして。今日はよろしく…」 玄(あっ、あれは『牌のお姉さんが教える穏乃でもわかるルールブック』!?ルールブックとは名ばかりの、牌のお姉さんの秘蔵画像満載の写真集!?) 玄(もちろん私は布教用も持ってるよ。おもち好きなら当然だよね) 玄「チャンピオンさんも、おもち好きなんだ」ジーン 玄「宮永照さん!ぜひ、私と握手して下さい」ブンブン 照「えっ?俺?」 照(ほぅ…、おもち力Bランクと見た。脳内フォルダに乳揺れを保存だぜ)スガマキョウ 怜「今日はよろしゅう…はっ!?」 煌「前回はフルボッコでしたが、今回は…えっ!?」 照(いかんいかん、役を覚えねば)パラッ 怜(麻雀初心者用のルールブックやと!?チャンピオン、挑発のつもりかいな!) 煌(すばらくないですね。そりゃ私は前回ボコボコにされましたが) 照「おもち力DとEランク。興味なし」パラッ 玄「いや、園城寺さんの方はCランクあるかもしれないですよ」 照(とりあえず、二個ずつ揃えてれば、いいのかな?一番これが覚えやすい) 怜「絶対に負けへん!」ゴゴゴ 煌「捨て駒任されましたけど、チャンピオンの喉仏を噛み切る勢いで喰らいつきますよ!」ゴゴゴ 玄「宮永さん。試合が終わったら、白糸台のおもちの人に会わせて欲しいんですけどダメですか?」ニコッ 怜「リーチ」ドン 怜「一発!」ドン 煌「そろそろ混ぜて下さい!ツモ、満貫です!」 玄「あぅ…またヤキトリだ…」 照「同じく。二個ずつがなかなか揃わない」 恒子「白糸台と阿知賀だけ、点数が削られる形で前半戦終了!こんな展開、誰が予想したー!?」 健夜「あのさ…、宮永選手が読んでる本、ルールブックじゃない?」 恒子「役でもド忘れしたんですかね?私も、久しぶりに麻雀やると、一気通貫が何翻か忘れますよ」 健夜「チャンピオンと恒子ちゃん、同じレベル!?」 照「はー、あの男みたいな女の人と、頭にラーメンのっけてる女の子怒ってるかなぁ」トボトボ 照「すいません、ただいま、戻りまし…」 ギュッッ 菫「照!?どうした!腐ったプリンでも拾い食いしたのか!?」 照(おぅ…これは、優希や咲に抱きつかれても味わえないおもちの感触…) ムニムニ、ムギュムギュ 菫「おい!ホントに大丈夫なのか!?」 照(おおぅ…、いい匂いもする…、やべぇフル勃起だわ…)トローン 菫「おーい、テルテル。ポンコツテルテル。大丈夫かー?」ペタペタ 照(やべっ!?勃ってるの、バレる!?) 照「あっ…、ついて無かったんだ」 菫「ついて無かった?ツキか。まぁ、流石のお前でもそんな事もあるか。麻雀だから、仕方ないな」 照「あぁ…、うん。そう。そうなのです。後半戦は役満っての狙ってみるから、多分大丈夫っす」 菫「えっ、アレ使うのか?」 淡「へぇー、アレね。もう見せちゃうんだ。それだけ相手が手強いって事かな」 渋谷「アレですか。会場の照明とか壊れないといいですけど」 誠子「アレね。全国初披露ですね。まさかプロ入り前に隠し玉を見せるとは思わなかったですね」 照「えーっと…、まぁ、ネトマでは上がった事もあるし大丈夫かな」 照「えーと、ふむふむ。国士無双ってのがカッコいいな。覚えやすいし。よし、後半はこれを狙ってみよう」パラッ 恒子「後半戦スタートです!」 健夜「またルールブック読んでるし…。舐めプってヤツなの?結構、失礼な子だね」 照「えい」トン 怜(はっ!?一巡目から、赤ドラ捨てやと!前半のヤラレっぷりは演技かいな!?) 煌(嫌な予感しますね…、ここは様子を見ましょう) 玄(えぇー!?なんでドラが、宮永さんの所にあるの!?はっ!おもち好き同士だから、惹かれ合ってるのか!) 玄「負けられないのです!残りのドラは、私が全部引きます!」 怜(上がらな、ドラも無意味なんやでー) 怜(しかし、玄ちゃんはともかく、チャンピオンや。この捨て牌は、ちょっと意味わからん。温存したかったけど、ダブル使うか…) 怜(ダブル)キュイーン 怜「はっ…」カタカタ 怜「三巡目で国士無双ツモやと…」カタカタ 怜(なんとかして鳴かんと) 玄「」トン 怜「ポン!」 煌(無理ポンですかね?役無しですか?確か彼女は、一巡先が見えてるかのような打ち手) 煌(何か理由があるのでしょうか。私は聴牌からほど遠い) 怜「」ジーーー 煌(ふむふむ、役牌出して欲しいのですかね?) 煌(では、ひとまず中を)トン 怜「ポ、ポンや!」 照「あぁー、三枚出ちゃったー」 怜(やっぱり聴牌してたか!) 怜(まぁ、未来見たし当たり前やな。うちもテンパイや、とりあえず真ん中で待っとこか…。なぜか今日のチャンピオンは、何も考えてないかのような捨て牌しよる) 怜(しかし…それはブラフ。初心者のように演じて、うちらを油断されるためのブラフッッ!) 怜(でも、私はダブルを限界まで使って!チャンピオンを止めてみせる!) 照(ふぁー、そーいや、渋谷さんって人、なかなかのなかなかだった。ランクB+あるか…) 照「当たり牌三枚見えてるとか、やる気でねー」トン 怜「ロンや。悪いなチャンピオン」 照「えー、俺も惜しかったんですよー」パラパラ 煌「!?」 玄「!?」 恒子「チャンピオン、国士無双を聴牌してました」 健夜「普通は見せないけどね…。これも作戦なのかな?あまりいい作戦だとは思えないけど」 淡「アレ不発かー」 菫「あの園城寺怜、本当に一巡先が見えてるようだな」 誠子「えぇ、それに新道寺のクワガタみたいな子も、合わせて打ちましたね」 淡「まぁ、アレが炸裂すれば、あっという間に逆転だよー」 渋谷(普通に連続和了した方が強いと思うんだけどな)ズズズ 東四局 照「リーチ」トン 恒子「おっと、チャンピオン初めてのリーチだ!親番だから、とうとう本気モードなのか!」 健夜「リーチしなくていい所なんだけど…。解説しようにも、私もよくわかりません」 怜(えっリーチ?じゃあ、国士はないんか?) 怜(だって、チャンピオンって一本場からスタートで、1000点やろ?) 怜(別に振り込んでも痛くないよな?) 煌「」トン 照「あっ、ロンです。それ。えーと、多分これで合ってると思うけど」パラパラ 照「おおっー、初めて上がった」 怜「な…ん…や…と」 煌「くっ…、不覚」 恒子「チャンピオン、リーチをかけて国士無双をロン上がり!これで新道寺女子が三位に転落です!」 健夜「48000点直撃は痛いよね。でも、リーチがホントよくわからないです。後、宮永さんの打ち方だと、一本場で1000点スタートなんですが…」 健夜「はっ!?まさか制約系能力!?そんな牌譜、今まで一度も見た事なかったのに!?」 健夜「しかしこれで、新道寺女子は、攻めにくくなったよね。普通の高校生じゃ萎縮しちゃうよ」 煌「」トン 怜(新道寺、さっきから無難な牌しか捨てよらへん。まぁ、役満振り込んだんや無理はないか) 怜(うちが頑張らんと…、ダブル!)キュイーン 照「一つずつ……一つずつ……」 照「リーチ」 玄「」トン 照「それっす。ロン。いやー、今日は調子がいい」 怜(すまん、阿知賀の。止められへんかったわ) 恒子「今度は七対子だ!」 健夜「リーチ一発もつきますし、満貫ですね。ドラは阿知賀が持ってるのが救いでしたね」 怜(くっ、千里山とほぼ点数が並んだ…。しかし連続和了で点数が下がる?) 怜(そんなパターンもあるんかいな…。意味が分からん) 怜(もうトリプル使ってでも、止めるしかない!) 怜「ト…リ…プ…ル」キュイーン 怜「ツモのみ」ゴホゴホ そして迎えた南四局 恒子「南場は、各校消極的なプレーが続いて、流局のみでした」 怜(何回か国士狙ってたな…、しかし目が霞んで、よう見えんわ…) 怜(最後のチャンピオンの親番、ここさえ防ぎきれば千里山の一位通過や!) 怜(私の麻雀人生、全てを賭けても、ここは何とか止める!まだもて!私の体、私の心!) 照(二位だし、これくらいなら充分だろ。しかし、トイレ行きたい。女のトイレってどうするんだろ?) 照(最後はカッコよく、役満で決めたいなー) 照「・・・」カチャカチャ 怜(はぁ…はぁ…、何とかテンパイまで辿り着けた…。チャンピオンは…)チラッ 照「うーん」 怜(相変わらずのポーカーフェイスや。わからん。見るしかないんか…。いけるか私の体?) 怜「トリプル」キュイーン 照『リーチ』 怜(リーチやと!?って事は、国士はもう流石にない…。ずっと狙ってた七対子系か…) 怜(私の待ちは三面待ち。普通に考えれば私、有利…) 怜(もし僅かな点数でも、白糸台より稼いで一位を取れば、泉やセーラ達も少し楽になる…) 怜(どの道、これ以上連続和了されると、私の体がぶっ倒れるのが早いかもしれん…) 怜(竜華…、ごめん。かなりムチャするわ…。チャンピオンに真っ向勝負を挑んでみる) 怜(はぁはぁ…、一巡先さえ見えんくなった…。とうとう限界らしい…) 怜「チャンピオン、勝つのはうちや!リーチ」ドン!! 恒子「おおっー!千里山の園城寺選手、気合のリー棒立てだ!」 怜「・・・」ギロッ 照「・・・」ミテナイ 照「おっ、来た来たー。よっしゃ!リーチ!」 煌(どうせ振り込むなら、千里山の方がマシですね。親番続行されたら、マズイですし) 玄(うぅー、私だけヤキトリだよ!宮永さんも園城寺さんもリーチしちゃったし)ウルウル セーラ「なんで怜は、リーチかけたんやろか?」 竜華「やっぱり、ルールブックとか読んでるチャンピオンに腹が立ったんとちゃうか?そんな風に舐められたら、うちも真っ向からぶっ潰したいって思うで」 泉「リーチかけて、殴り合いですかー」 船Q「先鋒は一本でも多く点棒を持ち帰るのが仕事ですからね。ある意味、いい仕事したといいますか。もちろん勝つのは園城寺先輩ですけど」 竜華「当たり前や!怜、いってまえ!チャンピオンに勝って、千里山のエース園城寺怜の力、全国に見せつけたれ!」 怜(よし、ツモ!ならずか…) 怜(はぁはぁ…、牌を持って来るだけでしんどいな…) 怜(しかし、ツモって来たのが場に三枚出てる東。七対子なら絶対に安全牌) 怜(さぁて…、次順か…、当たり牌引けるといいけど…) 怜「」トン 「ロン」 怜「はっ!?これで?三枚出てるで?」 照「はいっす。もう一枚しかなくて出ないかなぁと思ったけど、出て良かったですね」ニコッ 怜「えっ…、この状況で、三枚出てる東で待つ役って」カタカタ 怜「嘘や…、嘘やろ…、ありえへんやろ…」ガクガクブルブル 照「はい。国士む…」 プツン! ここで怜の意識は飛ぶ 照「終ったー終わったー。いやー、ついてて良かったー」 煌「あの…連荘しないんですか?」 照「えっ、一位なのにですか?しなきゃいけないんですか?」 煌「いや、宮永さんが決めれますけど…(いつもならするのになぁ、変だなぁ)」 照「しませんよー。勝ってる内に逃げますよ」 恒子「なんとおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!千里山に役満をぶち込んで、大・逆・転一位です!」 恒子「強い!強い!強すぎる!これがチャンピオン、宮永照の隠し技か!」 健夜「いつもとはまるで別人のような打ち方でしたが、役満を二回も直撃させるとかタダ事じゃありませんね」 健夜「思えばルールブックから、布石だったんですかね?あまり褒められたやり方ではありませんが…」 健夜「ふーん、連続和了の他にまだ隠し玉あったんだ…。ふふふ、楽しみだなぁ」ニタァ 恒子「おーい、すこやん。結婚出来ない顔になってるよー」 淡「テルーお疲れ様!アレ、すごいね!流石だね!」 照「えっ、そうか?(おもち力Eランク、ゴミめ)」 菫「前半はヒヤヒヤしたが、後半は見事だった。いつもよりは稼げてないが、まぁ全国二位の千里山が相手だしな」 照「すいません。結構、自分の限界は出したつもりっす」 誠子「いやー、たまには宮永先輩に頼り切ってないで、私達も活躍しましょうよ!」 菫「ふっ、そうだな。まぁ、いつもより稼いでないと言っても二位の千里山と4万点以上も差があるしな。私達は守りきればいいさ」 渋谷「同感です。楽な勝負です」 淡「だよねー、一位通過、楽勝楽勝」 照(しっかし、照さん。どこで何してるんだろー) 照「おい、そこのラーメン頭の人、トイレの仕方教えてくれよ?」 淡「はっ!?アレ使いすぎて、頭おかしくなったの!?」 一方、照さん 咲「ま、まずいよ。京ちゃん。こんな所で」 京太郎「ごめん、咲。もう我慢出来なくてさ。三年以上咲を抱きしめてない。クンカクンカ…じゃなくて、抱きしめてもいいかな?」 咲「恥ずかしいよ//」 京太郎(はっ!?この体なら咲と結婚が出来る!子供が作れる!セクロスも出来る!) 京太郎(宮永照の第二の人生が来たのだ!) もうこのままでいいやと思う照さんだった。 終わり
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/3380.html
http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1353979853/ ■清澄高校 空き教室 京太郎「さあ、唐突に始まりました清澄高校覗き大会」 ??「その番組名、なんとかならんかったんか」 京太郎「ルールは簡単。わたくし、須賀京太郎を模した人形『京太郎人形』を部室に置いて隠し撮り」 京太郎「そして部室に入ってきた部員の反応を見るだけの内容となっております」 京太郎「実況は清澄のエアーマンこと須賀京太郎」 ■清澄高校 空き教室 京太郎「さあ、唐突に始まりました清澄高校覗き大会」 ??「その番組名、なんとかならんかったんか」 京太郎「ルールは簡単。わたくし、須賀京太郎を模した人形『京太郎人形』を部室に置いて隠し撮り」 京太郎「そして部室に入ってきた部員の反応を見るだけの内容となっております」 京太郎「実況は清澄のエアーマンこと須賀京太郎」 京太郎「解説は――」 まこ「染谷まこでお送りするんじゃ」 京太郎「おっと! さっそく誰かが部室前まで来たようです」 京太郎「あ、ちなみにやらせは一切ございません」 まこ「どの番組もそう言うがのぅ……」 □Live-清澄高校 麻雀部部室 優希「おりゃー! 優希様参上だじぇ!」 優希「……って、誰もいないじゃないか」 ■清澄高校 空き教室 京太郎「まず現れたのはタコス大好き片岡優希選手です」 まこ「団体戦と同じく、一番手で来たな」 まこ「なお、わしの出番は――」 京太郎「片岡選手、タコス片手に京太郎人形の置かれた雀卓に近づきます」 まこ「聞け」 □Live-清澄高校 麻雀部部室 優希「仕方ない。麻雀牌でも積んで待つじょ」 優希「お、なんだこれ」 優希「……京太郎の、人形か?」 優希「あいつに似てバカ面だじぇ」ケラケラ ■清澄高校 空き教室 京太郎「なんだとコラ」 まこ「まあ、ニ頭身じゃからのう」 まこ「わしが作ったんじゃが、デフォルメした結果、アホ面になってしもうた」 京太郎「ひどいですよ染谷先輩! 俺って長野でも十指に入るぐらいのイケメンなのに」 まこ「……十人おるんか?」 □Live-清澄高校 麻雀部部室 優希「のどちゃん……のじゃないか」 優希「咲ちゃんかな?」 優希「バカ面だけど、結構かわいいじぇ」ツンツン ■清澄高校 空き教室 まこ「そうじゃろうて。力作じゃけんのぅ」 まこ「うちの雀荘の方でも今度配るか」 京太郎「ちなみに制作期間は?」 まこ「……一週間」 京太郎「メチャクチャ手間かかるじゃないですか」 まこ「そうじゃのぅ……」 まこ「お、優希の方に動きがあるぞ」 京太郎「なんか人形と話してますね」 □Live-清澄高校 麻雀部部室 優希「……昨日はゴメンな、京太郎」 優希「私もちょっと言い過ぎ」 優希「……いや、完全に私が悪かったじぇ」 ■清澄高校 空き教室 まこ「なんかあったんか?」 京太郎「ありましたっけ……」 京太郎「……あ、あれのことか!」 京太郎「タコス買いに行って来いって言われたんですが、忙しいんで断ったんですよ」 京太郎「そしたら優希が怒ってどっか行っちゃって」 □Live-清澄高校 麻雀部部室 優希「京太郎の都合も考えなきゃダメだった」 優希「……じゃなくて」 優希「部の備品ってわけでもなく、自分で食べるタコスぐらい自分で買いに行かないとダメだじょ」 優希「頭では……頭では分かってても」 優希「なんか京太郎にはツラく当たっちゃうじぇ……」 優希「こんなだから、嫌われるんだじょ……」グスッ ■清澄高校 空き教室 京太郎「いや、別に嫌ってないぞ?」 まこ「それ、本人の前で言ってやれよー」 京太郎「だっていつもの事じゃないですか」 まこ(脈無しかー) □Live-清澄高校 麻雀部部室 優希「人形に言っても、解決しないじぇ」 優希「よし! 京太郎探して、謝りに行くじょ」 優希「思い立ったが吉日ー!」ドタドタ ■清澄高校 空き教室 京太郎「あ、部室出て行った」 まこ「収録終わったら会いに行ってやれよー」 まこ「なんか普通にいい話があっただけじゃったな」 京太郎「いつも通りじゃないですか」 まこ「こいつは……」 京太郎「あ、次が来ましたよ」 まこ「部長じゃな」 □Live-清澄高校 麻雀部部室 久「誰が上埜さんだって!?」 久「……あら? 誰もいないじゃない」 久「せっかく裸踊りでも披露してあげようと思ったのにー」 ■清澄高校 空き教室 京太郎「」ガタッ まこ「座れ」 京太郎「何言ってるんですか染谷先輩! 部長の裸踊りが見たくないんですか!?」 まこ「何が嬉しゅうて女の裸踊りを見んといかんのじゃ」 まこ「お、部長も京太郎人形に気づいたようじゃ」 □Live-清澄高校 麻雀部部室 久「須賀君じゃない! すっかり小さくなっちゃって」 久「誰の私物かしら……まこが作ったものかな?」 久「いつも雑用ありがとね? すごく助かってるわ」 久「これからも雑用よろしく!」ポンポン ■清澄高校 空き教室 京太郎「あれ……目から汗が」 まこ「飴のあとに間髪いれずムチが振るわれておるんじゃが」 京太郎「俺、これからも雑用を極めます……そうだ、ハギヨシさんのところに修行に行こう!」ガタッ まこ「座れ」 京太郎「おっと、ここで部長が動いたー!」 まこ「京太郎人形持ってどこかに行きよるのぅ」 京太郎「いま! 俺の頭が部長の下乳に触れています!」 まこ「人形のな。ちゃんと制服越しじゃ」 □Live-清澄高校 麻雀部部室 久「……誰もいないし、チャンスかしら」コソコソ 久「こんなこと人のいない部室でやってたら、ドン引きされそうだし」ガチャッ 久「……はー」 久「狭いとこがおちつくのってなんででしょうね」inロッカー ■清澄高校 空き教室 まこ「なんでロッカー入って満足そうにしとるんじゃ……」 まこ「って、京太郎どうかしたか?」 京太郎「染谷先輩……男にはヤらねばならぬ時があるんです!」ダッ まこ「行ってしもうた……電話しとくかのう」 まこ「……あ、部長? ロッカー入ってる暇があったら逃げときんしゃい」 □Live-清澄高校 麻雀部部室 京太郎「部長ーー! 合体しましょう!!」ガチャッ 京太郎「っていねーーーーーー!?」 ■清澄高校 空き教室 まこ「はよ帰ってこーい」 ■清澄高校 空き教室 京太郎「先程は大変お見苦しいところを」キリッ まこ「ほんまよ」 まこ「というか、人形に対する反応は殆ど無かったな」 京太郎「別の物に変えましょうか?」 まこ「そうじゃのぅ……その方が面白いかも」 まこ「……あ、次の犠牲者が来たな」 京太郎「今度は咲かー」 □Live-清澄高校 麻雀部部室 咲「こんにちわー」 咲「って、あれ? 優希ちゃんは先に来てたはずなんだけど……」キョロキョロ ■清澄高校 空き教室 京太郎「あ、優希ならさっき帰って来る時に会いましたよ」 まこ「ほお」 京太郎「謝りたいんだろ? 早く謝っていいんだぜ!? って言ったらローキック放ってきました」 まこ「こいつは……」 □Live-清澄高校 麻雀部部室 咲「あ、京ちゃん。京ちゃんは先に来てたんだね」ナデナデ 咲「京ちゃん人形かぁ……可愛いなぁ」 咲「誰のだろ? あとで聞いてみよっかな」 咲「ほしいから……作り方、教えてもらえたらいいなぁ」 ■清澄高校 空き教室 まこ「あ、ほしいならやる」 京太郎「咲も物好きだなぁ」 まこ「じゃけん、お前さんは……」 □Live-清澄高校 麻雀部部室 咲「…………」 咲「京ちゃん――好きだよ」 ■清澄高校 空き教室 京太郎「……は?」 まこ「おっ!」 □Live-清澄高校 麻雀部部室 咲「……なんてねっ」 咲「お人形さんなら簡単に言えるのになー」テレテレ ■清澄高校 空き教室 京太郎「お、おぅ! なんだ、冗談か……!」バクバクバク まこ「いや、現実見んかい」 京太郎「いやいやいや! 咲が、俺のこと好きなんてあり得ませんって!」 まこ「なんでじゃ」 京太郎「いや……だって、咲は和のことが好きですしっ!?」 まこ「和のことが好きなのはお前さんじゃ無かったんか?」 京太郎「の、和もキレイだとは思いますが……一番は」 まこ「……一番は?」 京太郎「あ、あー! 咲のやつ、部室出ちゃいましたよー!」 まこ(さっき部長に対する反応は演技かい……) まこ「長野でも十指に入るイケメンなんじゃろ? しっかりせんかい」 京太郎「うぅ……」 京太郎「咲が、俺に振り向いてくれるわけない……わけない……」ブツブツ まこ「こりゃ重症じゃのぅ」 まこ「……っと、和が映っとる」 まこ「いつの間におったんじゃ」 □Live-清澄高校 麻雀部部室 和「…………」コソッ 和「…………」 ■清澄高校 空き教室 まこ「おーい、実況。仕事せんかい」 京太郎「は、はい……原村和選手の入場です!」 まこ「さっき言ったわ」 京太郎「迷うことなく人形の置いてある雀卓に近づいていきますねー」 まこ「ん? あいつ、何を持っとるんじゃ」 京太郎「おっとぉ、ここで原村選手……包丁を取り出しました!?」 まこ「振りかぶってー」 京太郎・まこ「「刺したー!!」」 □Live-清澄高校 麻雀部部室 和「…………」ザックザック 和「ふふ……うふふふふ……」ザックザックザック ■清澄高校 空き教室 まこ「凶器攻撃! 凶器攻撃じゃ!」 まこ「京太郎人形、メッタ刺しになっております――あ、モゲた」 京太郎「」 まこ「普段は優等生な和選手の意外な一面が見れたのぅ」 京太郎「俺、転校します」ガクガク ??「なるほど……それは大変でしたね」 京太郎「ほんとですよ! 命の危険を感じました」 京太郎「あ! 咲のやつも危ないんじゃ……」 ??「あ、そちらは手を回しておいたので安心してください」 梢「……代わりに手伝ってほしいことがあるのですが」 ■劔谷高校 空き教室 梢「さあ、唐突に始まりました劔谷高校覗き大会」 梢「解説は劔谷高校麻雀部部長、古塚梢が務めさせていただきます」 梢「こづか、ではなく、ふるづか、ですからね」 梢「人の名前を間違えてはいけません」 梢「実況は清澄高校に引き続き、現在命を狙われている須賀京太郎さんに務めていただきます」 京太郎「え、やっぱり俺って命狙われてるんですか?」 京太郎「てか、こんなことやっていいんですか?」 梢「と、言いますと?」 京太郎「劔谷高校って結構アッパークラスな人たちが通ってる学校じゃないですか」 京太郎「……こんなの撮ってたら、そういう人たちに命狙われたりするんじゃ?」 梢「あ、それなら安心してください」 梢「父兄の皆様に許可はとっていますので」 ウチノミユキガ ドンナハンノウシメスカタノシミデシテナァ> 京太郎「マジで」 ウチモリコガドウスルノカ タノシミデタノシミデ> 京太郎「でも、あとで部員の皆さんに怒られるんじゃぁ」 梢「そうかもしれません……ですが」 梢「いまより前に進もうとするなら、ただ伝統を守っているだけではダメなのかもしれないと」 梢「そう思っているのです――」 京太郎(何言ってるんだこの人) 京太郎「あ、ところで今回は何を置くんですか?」 梢「エロ本です」 京太郎「は?」 梢「18禁のえっちな本を置いて反応を見ます」キリッ 京太郎「父兄の皆さーん! こんなこと言ってますよー!?」 梢「あ、これも許可取っているので大丈夫です」 梢「というか、父兄の方々のお宝本を提供していただきました」 京太郎「大丈夫かこの学校」 梢「あ、そうこうしているうちに第一犠牲者が来ましたよ」 京太郎「犠牲者って言っちゃった」 □Live-劔谷高校 麻雀部部室 澄子「こんにちわー」 澄子「あ、私が一番乗りでしたか……」 ■劔谷高校 空き教室 梢「須賀さん須賀さん、佐藤さんが来ましたよ。早く実況してください」 スミコー! ガンバレー!> 京太郎「はい……えっと、最初に入ってきたのは劔谷高校二年生、佐藤選手です」 梢「一番最初に面白みの無い子を消化できてラッキーですね」 京太郎「おい」 京太郎「……佐藤選手、雀卓上のエロ本に目を止めました」 梢「目ざといですねー」 □Live-劔谷高校 麻雀部部室 澄子「……?」トコトコ 澄子「……!?」 澄子「な……ななな何でこんなものが部室に!」 澄子「誰ですか! こんなもの持ち込んだのっ!」カオマッカ ■劔谷高校 空き教室 京太郎「あ、良かった。結構普通の反応だ」 梢「何かやらかしてくれませんかね」 京太郎「佐藤選手、部室の棚から……ガムテープを取り出しました」 京太郎「ガムテープでエロ本をぐるぐる巻きにしてますね」 ギャー!> 梢「ちょっとぐらい中を見ればいいのに」 □Live-劔谷高校 麻雀部部室 澄子「よし……よし! これで誰も見ることは出来ないでしょう」 澄子「あとは捨てるだけ……皆さんが来る前に、捨てに行きましょう!」 澄子「捨てたあとで、部長に相談しましょう……」グスッ ■劔谷高校 空き教室 京太郎「その部長が元凶なのですが……ちなみに、相談されたらどう対応するんですか?」 梢「そうですね……」 梢「そんなことが……。佐藤さん、よく頑張りましたね」 梢「そんな本を持ち込む人がいるとは、大変悲しいことです」 梢「ですが……一度処分された以上、その子も気づかれたことは察するでしょう」 梢「もう学校に持ってくることは無い筈です」 梢「……もしも、もう一度こういうことがあれば」 梢「やりたくは無いのですが、持ち込んだ子を探しだして諭しましょう!」 京太郎「最悪だこの人」 京太郎「おっと、佐藤選手。封印したエロ本をゴミ袋に入れて部室を出て行きました」 スミコー! ステナイデクレー!> 梢「残念ながら、ボッシュートです」テレッテレッテーン 梢「え? ……ああ、ほんとですね」 ヨリフジ 梢「先ほど映像に出てきた佐藤澄子さんですが、本当の名前は依藤澄子さんでした」 梢「不甲斐ない解説を代表して、謝罪します」 京太郎「申し訳ありませんでした」 梢「さて、形ばかりの謝罪をしたところで次に行きましょう」 □Live-劔谷高校 麻雀部部室 莉子「こんにちわ~」 莉子「あれ、皆いない……先に部活の準備してよっと」 ■劔谷高校 空き教室 梢「二番手は一年生、安福莉子さんです」 梢「今年のインターハイ二回戦、最後の最後に振り込んで二位から三位に転落した子です」 京太郎「やだ、この部活殺伐としてる」 リコー! マケルナー!> 梢「軽いジョークですよ」 梢「……あれ? 安福さん、エロ本には気づいたようですが」 京太郎「……動きませんね」 □Live-劔谷高校 麻雀部部室 莉子「――――――――」 莉子「――――――――」 ■劔谷高校 空き教室 京太郎「……あれ、立ったまま気絶してませんか?」 梢「そのようですね……救助班の方、お願いしまーす」 リコーーーーーーー!> 梢「そしてエロ本は雀卓の中にボッシュートです」テレッテレッテーン ウワーーーーーーー!> 梢「しかし、別段なんともない反応ばかりですね」 梢「こんなフツーで個性が無いからインハイも負けたんですよ」 京太郎「麻雀と関係ないですからね」 梢「ともあれ……不甲斐ない兵庫県代表を代表して、謝罪します」 京太郎「俺は逆にホッとしてますよ」 京太郎「ゲラゲラ笑いながらエロ本読む人がいなくて」 梢「その程度で良ければ、私が」スクッ 京太郎「やめて」 梢「まあ、先程の二人は劔谷高校麻雀部の中では最弱」 京太郎(実はこの人が部内で一番失点しているんですが) 梢「必ず、やってくれるでしょう」 京太郎「やらかす、の間違いでは」 梢「あ、次の方が来られましたね」 京太郎「この人は……三年の椿野美幸さんですね」 ミユキー! ヤラカセー!> □Live-劔谷高校 麻雀部部室 美幸「聞いてよもー!」 美幸「お父さんが未だに進路のことで反対して……っていなかった」 美幸「ま、いいや。お茶の用意でもしてよっと」 ■劔谷高校 空き教室 京太郎「麻雀は?」 梢「もちろん、麻雀もやります」 梢「茶道は健全な精神を育む一助になれば、とやっているだけですので」 京太郎「育まれてませんよね。少なくとも一人は」 梢「おっとぉ、椿野選手、ここで卓上のエロ本に気づきました」 京太郎「聞けよ」 □Live-劔谷高校 麻雀部部室 美幸「? なにこれ」 美幸「…………」ペラッ 美幸「…………」ペラッ 美幸「……これ、えっちな本だよ!」ガガーン ■劔谷高校 空き教室 京太郎「表紙見た時点で気づけよ」 梢「佐藤さんと安福さんは表紙しか見てないんです。これは快挙ですよ」 京太郎「うわぁ、しかも次々とページをめくっていきますよ」 梢「ひゃーとか、きゃーとか言いながらガン見ですね……椿野さんはムッツリですから」 京太郎「いいんですか? お父さん」 イーンダヨ> 京太郎「いいんだ」 □Live-劔谷高校 麻雀部部室 美幸「う、うわぁ……そこに入っちゃうんだ……」 美幸「え、そこまで?」 美幸「……こ、こんなけしからんものを部室に置いてちゃだめだよもー!」 美幸「これは没収だね」イソイソ ■劔谷高校 空き教室 京太郎「椿野選手、エロ本を自分のカバンにインサート」 梢「自発的ボッシュートですね」 京太郎「そしてそのまま退出していきました」 梢「部活サボってお家で楽しむつもりですね。これは窃盗ですよ」 京太郎「ちなみに、さっきのは誰のエロ本だったんですか?」 ハーイ> 梢「椿野さんのお父様にご提供いただきました」 京太郎「いいのか。……ま、まあ、わりと普通に終わりましたね」 梢「初々しいムッツリでしたね」 梢「あ、ちなみに最後のページに椿野さんのお父様の名前を書いておきましたので」 ファッ!?> 京太郎「最低だコイツ」 京太郎「っと、ここで四人目が来ました」 京太郎「帰国子女の一年生、森垣友香選手の入場です」 京太郎「このまま、無難に終わってほしいですね」 梢「そうですね……華麗にトリを飾っていただきたいです」 京太郎「認識のズレがあるような」 □Live-劔谷高校 麻雀部部室 友香「部活でー!」 友香「あれ、みんな休みでー?」 ■劔谷高校 空き教室 京太郎「安福さんは病院です」 梢「椿野さんなら、おうちでよろしくやってますよ」 京太郎「友垣選手、真っ直ぐ冷蔵庫に向かいます」 梢「あ、まさか」 京太郎「おっとぉ、冷蔵庫から麦茶と牛乳を取り出して……」 梢「あー……友垣さん、また混ぜてる」 京太郎「ミルク麦茶! ミルク麦茶を作っています!」 梢「まあ、まったくあり得ない組み合わせではありませんからね」 京太郎「ミルク麦茶片手にエロ本の置かれた雀卓に向かいます」 梢「友垣さん、麦茶と牛乳を冷蔵庫に戻してください」 □Live-劔谷高校 麻雀部部室 友香「お、日本のポルノマガジンかな?」 友香「どれどれ~」ペラッ ■劔谷高校 空き教室 京太郎「あぁ~……何の恥じらいも無く読みだしちゃった」 梢「普通……と、なぜか首ひねってますね」 京太郎「あれ? 普通のエロ本ですよね」 京太郎「ん……? 友垣選手、サイフから十円玉を取り出して」 梢「こすってますね……本に載ってる女性の股間のあたりを」 京太郎「友垣選手! モザイクはスクラッチとは違うんだぞ!」 梢「帰国子女ですからね……無修正が当たり前なのでしょう」 梢「あとでモザイクの取り方とか、色々と教えておいてあげましょう」 京太郎「ここで指導が入りましたー!」 京太郎「友垣選手、本に興味を無くしたのか放り出しました」 梢「うーん、いまいちパンチが足りませんでしたね」 京太郎「やっぱり、京太郎人形を修理して置いておいたほうが良かったでしょうか?」 梢「おそらく、この人誰……って状態になってましたよ」 梢「とはいえ、あまり新鮮な内容をお届けできなくて申し訳ありません」 梢「地味な麻雀部を代表して、謝罪します」 京太郎「劔谷高校麻雀部でしたー」 京太郎「……やっぱやめましょうって」 ??「うるさいなぁ」 京太郎「バレたらマズいですって……絶対殺されますよ」 ??「麻雀だって聴牌しとったら先制されとっても仕掛けたくなるし」 京太郎「俺たち多分四向聴ぐらいですよ。しかも打点も見込めなさそう」 漫「いままで犠牲になってきたデコの恨み……先輩達の弱みを握って巻き返す!」 京太郎「握りつぶされるのがオチですよ」 ■姫松高校 空き教室 漫「さあ、唐突に始まりました姫松高校覗き大会」 漫「解説は私、姫松の核弾頭、上重漫が務めさせていただきます!」 京太郎「実況、俺でーす」 京太郎「劔谷からたらい回しにされたと思ったら、マズイことに巻き込まれました」 京太郎「なぜマズイかと言うと、劔谷の場合は三年の部長が主犯」 京太郎「姫松の場合は二年の戦犯(候補)とタッグを組まされてます」 京太郎「バレた時、どっちの方が危険度高いかはわかりますよね?」 漫「バレなきゃいいのよ」 京太郎「今回も京太郎人形は五体バラバラ……バラバラ……バラバラ……」カタカタ 漫「なんでそこで震えるん?」 京太郎「ちょ、ちょっと出れない事情があるので、今回はDVDを使います」 京太郎「ラベルには『えっちなDVD』と書かれてます」 漫「まあ、中身は『エロDVDだと思った? 残念! ドッキリでした!』って映像が出てくるだけだけど」 京太郎「うーん、兵庫よりは健全だけど、嫌な予感がする」 漫「ヘタレやなぁ。そんなやから意中の幼馴染一人落とせんのや」 京太郎「咲のことは関係ないでしょ!?」 漫「あ、一人目来た」 京太郎「次鋒の真瀬由子さんですね」 漫「わりとどうでもいい」 □Live-姫松高校 麻雀部部室 由子「次鋒、レオパルドン逝きます!! なのよー」 由子「……うーん、やっぱりここじゃないのよー」 ■姫松高校 空き教室 京太郎「何か探してたんですかね?」 漫「さあ……? 多分、主将と鬼ごっこでもしてるんだと思うけど」 漫「末原先輩、早く来ないかなー」 京太郎「どんだけ弱み握りたいんですか」 京太郎「……真瀬選手、雀卓上のDVDに気づいたようです」 □Live-姫松高校 麻雀部部室 由子「ん? これは」 由子「なるほどなるほど~」キュッキュッ 由子「……じゃ、次に行くのよー」 ■姫松高校 空き教室 京太郎「あれ、もう出て行きましたね」 漫「うーん……別にどうでも良かったけど、何の反応も無しか」 京太郎「いや、何かマジックで書いて行ったようでしたが」 京太郎「別の用事が忙しかったのかな?」 漫「というか、どうでも良さそうにしてたけど」 漫「真瀬先輩は案外、ああいうのよく見てるのかも」 由子「そんなことないのよー」 漫「そうかなぁ」 由子「そうなのよー」 漫・京太郎「「……うわぁ! もうバレたー!」」 由子「私も混ぜてほしいのよー!」 由子「あとは見てるだけだから。ね? ね?」 漫「は、はあ……? まあ、いいですけど」 由子「やったのよー」 京太郎「ひょっとして俺たちのこと探してたんですか?」 由子「二人だけでお楽しみってのはずるいのよー」 由子「あ、洋榎が来たのよー」 漫「主将か、要チェックや」 京太郎「うーん……このまま芋づる式に見る側に巻き込んだ方が安全か」 □Live-姫松高校 麻雀部部室 洋榎「この新井貴浩を作ったのは誰やあっ!!」 洋榎「……って、誰もおらんのかいっ」 洋榎「主将のウチより遅いとか弛んどるで」 ■姫松高校 空き教室 漫「今日、部活休みですけどね」 京太郎「レギュラー四人以外には知らされてるんですよね」 漫「そう。四人には私のところで連絡網止めといたんや」 由子「私はともかく、それだと他の三人に漫ちゃんが仕掛け人ってバレちゃうのよー」 漫「…………」アブラアセ 京太郎「うわ、考えて無かったんですか」 京太郎「あ、そういえば……真瀬先輩はさっき何してたんですか?」 由子「さっき?」 京太郎「何かマジックで書いてましたけど」 由子「ああ、DVDのラベルに書き足しておいただけなのよー」 漫「え、なんてですか?」 由子「(ホモ)って付け加えただけなのよー」 京太郎「アカン」 漫「いや、これはこれで……主将! そんなものに興味あるんですかー!?」 漫「って言えるし、アリかも」 京太郎「ああっ! 愛宕姉選手、『えっちなDVD(ホモ)』を見つめています!」 漫「そのままレコーダーで再生してください! お願いします!」 由子「ちょっとちょっと、漫ちゃん必死すぎんのよ~」 □Live-姫松高校 麻雀部部室 洋榎「お? なんやこれ、対局のDVDか何か?」ヒョイッ 洋榎「…………」 洋榎「…………」スッ… 洋榎「…………」ススス 洋榎「…………」ペタン ■姫松高校 空き教室 京太郎「愛宕姉選手……?」 漫「あれ? ラベル見た瞬間、ケース置いて遠ざかった?」 由子「部屋の隅っこに体育座りしちゃったのよー」 漫「おかしいなぁ……主将なら、独り言で言い訳しつつ堂々と見ると思ったんやけど」 京太郎「なんか、怖がってる感じですね」 □Live-姫松高校 麻雀部部室 洋榎「…………」グスッ ■姫松高校 空き教室 京太郎「あっれ……涙目になってるんですが」 由子「きっと、ああいうの苦手なのよー」 由子「傍にあること自体、嫌なのかも」 漫「えー……苦手なら部室出ていけば済む話なのに」 京太郎「極力DVDの方見ないように、ドアとかチラチラ見てますね」 由子「きっと、皆を待ってるのよー」 由子「DVDは怖いけど、自分は主将だから部活サボっちゃダメとか考えてるのよー」 漫「そんな……せめて、部室の外とかで待ってればいいのに」 由子「多分、誰かが来ない限り、ずっとあそこで体育座りしてるのよー」 □Live-姫松高校 麻雀部部室 洋榎「……絹、まだかいなー」ソワソワ 洋榎「…………」ペタッ ■姫松高校 空き教室 京太郎「あぁ……膝に顔埋めちゃった」 漫「う……も、もういいかな」 京太郎「そうですねー」 由子「じゃあ、私から電話しておくのよー」 漫「お願いします」 由子「……あ、洋榎? 由子なのよー」 由子「うん、その部活なんだけど、今日は休みなのよー」 由子「そそ、だからまた明日なのよー」ピッ 由子「これで帰るはずなのよー」 京太郎「……あ、帰っていきますね」 漫「ほっ……」 由子「寄り道しないで帰るのよー」 漫「うーん……まあ、末原先輩に期待」 京太郎「結局続けるんですか」 由子「私も知らない洋榎の一面が見れて、新鮮だったのよー」 由子「問題はエロとホモのどっちが嫌だったのか……!」 京太郎「どうでもいいですよね」 由子「普段から『デクのオ●ンチン』とか言ってるわりに、案外うぶなのよー」 漫「言ってませんよ!?」 由子「残るは二人だけなのよー」 京太郎「えっと、愛宕絹恵さんと末原恭子さんですね」 由子「リアクションは洋榎に期待してたから、二人だと微妙かもしれないのよー」 漫「いやいや、末原先輩ならやらかしてくれますって!」 京太郎「活き活きしてるな、この人」 京太郎「っと、上重先輩待望、末原選手の入場です」 漫「きたーーーーっ!」 □Live-姫松高校 麻雀部部室 恭子「……ハァ」 恭子「まったく、あの人は……」ブツブツ ■姫松高校 空き教室 京太郎「なんかお疲れみたいですね」 漫「いいから、再生、はよ」 由子「そういえば、さっきいくのんと話してたのよー」 由子「いままで説教してたのかも」 京太郎「高校生に説教される大人って……ん?」 京太郎「末原選手、部室にカギをかけました」 漫「じっくりDVD見る気かな」 由子「まだDVDには気づいてないから、きっと別の目的なのよー」 □Live-姫松高校 麻雀部部室 恭子「……よ、よし」 恭子「誰も見てないし、いまなら……」ヌギヌギ ■姫松高校 空き教室 京太郎「ああっと! 末原選手、スパッツを脱ぎ始めました!」 由子「生着替えなのよー」 漫「先輩の大事なところが丸見えに……」ハァハァ 京太郎「そしてそして、バッグからスカートを取り出しました!」 漫「上は!? 上は脱がないんですか!?」 □Live-姫松高校 麻雀部部室 恭子「ん……しょ」 恭子「……えへ」ニコニコ ■姫松高校 空き教室 京太郎「いまリボンを結び、完全に乙女モードに変身です!」 由子「鏡の前でポーズ取りつつ、はにかんでるのよー」 京太郎「ここでくるっと一回転。スカートが綺麗な弧を描きます」 漫「スパッツ……スパッツだけでもください……」 京太郎「しかし、これほど気に入ってるなら普段から着てればいいのに」 由子「きっと体面とかあるのよー。恭子は意地っ張りだから」 漫「この映像……鑑賞用・保存用・布教用の三つを作らなきゃ」 由子「あ、漫ちゃん。私もほしいのよー」 □Live-姫松高校 麻雀部部室 恭子「さて……ちょっと名残惜しいけど、着替えて帰ろうかな」 恭子「部活無いみたいやし」ヌギヌギ ■姫松高校 空き教室 漫「…………」ダクダク 由子「あ、漫ちゃんが失血死しちゃうのよー」 京太郎「本望じゃないですかね」 京太郎「てか、帰っちゃいますね」 由子「いくのん経由で休みだって聞いたのかなー」 漫「……………………ふぅ」 漫「さて、末原先輩を堪能したことだし、次に行きましょう」キリッ 京太郎「はいはい」 □Live-姫松高校 麻雀部部室 絹恵「スミマセン、遅れましたー!」 絹恵「って、あれー? 誰もおらんやん」 絹恵「お姉ちゃーん、ロッカーとかに隠れとらんー?」ガチャッ ■姫松高校 空き教室 京太郎「最後の一人、愛宕妹選手です」 漫「末原先輩のが終わったので、無難に終わってくれれば」 由子「絹ちゃん、さすがの洋榎もゴミ箱の中にはいないのよー」 京太郎「おっと、ここで愛宕妹選手、卓上のDVDケースに目をつけました」 □Live-姫松高校 麻雀部部室 絹恵「なんやこれ……」 絹恵「…………」ムッ ■姫松高校 空き教室 京太郎「あ、姉妹っていってもお姉さんと反応が違いますね」 漫「なんかムッとしとる」 漫「……あ、ケースを床に置いた」 由子「ここで絹ちゃん、壁際まで下がり、助走をつけて~」 京太郎・漫「「蹴ったーーー!!」」 由子「DVDがお空の星になっちゃったのよー」 京太郎「窓ガラス割れちゃいましたねー」 漫「うわ、外にいたいくのんにガラスのシャワーが」 京太郎「サッカー部のキーパーをやっていただけのことはありますね」 漫「うん、いい蹴りだった」 由子「絹ちゃんからコメントもらったのよー」 由子「お姉ちゃんが見ちゃう前に処分する必要があったんです。反省してます――って言ってるのよー」 京太郎「そのお姉ちゃんは中身見ることだけは回避したんですが」 漫「あ、救急車……もう来たのか」 京太郎「さて、これで全部ですね……無事終わった!」 漫「では、姫松高校からの中継を終了します」 由子「次はあなたの学校へ」 京太郎・漫・由子「「「また来襲~」」」 絹恵「お仕置きの時間だ! コラァ!!」グァシァァァ 京太郎・漫・由子「「「なっ……」」」 ??「へー」 ??「だからこっちに来た時、顔が酷いことになってたんだ~」 京太郎「他にも大事なとこ蹴られたりしたんだよ」 淡「……隠し撮りかー」 淡「よし! やろう!」 □Live-白糸台高校 体育倉庫 淡「んしょ……んしょ……」 淡「さ、さあ! 始まりました、白糸台覗き大会!」 淡「解説は高校百年生、大星淡がやっちゃうよ!」ババーン 京太郎「まだ始まってねえよ」 淡「えっと、計画の再確認しとこっか」 淡「テルーと菫先輩とたかみ先輩を体育倉庫におびき寄せて、閉じ込める」 淡「んで、その反応を見て楽しんじゃうよ!」 京太郎「それは分かってるけど、その手に持った毛布と魔法瓶は何だ?」 淡「これ? 今日はちょっと寒いし、三人のために毛布持ってきたんだ!」 淡「魔法瓶の中身は、たかみ先輩の大好きなお茶だよ~」ニコニコ 京太郎「なんだ……その微妙な気遣い」 淡「倉庫の入り口はリモコンで自動開閉に改造してくれた?」 京太郎「ああ、俺が一晩で仕上げたぞ!」 京太郎「まあ、最終テストやっとくか」 京太郎「俺は外出るから、中で異常無いか見ててくれ」 淡「わかったー」 京太郎「ほいっと」ポチッ 淡「お……おおお……勝手にしまった!」 京太郎「なんかおかしいとこないかー?」 淡「ないっぽーい」 京太郎「オッケー。じゃあ開け……あれ?」 淡「ん?」 京太郎「おっかしーな……なんかリモコンが反応しねー」 淡「えっ、うそー! 私が中にいるのにー」 京太郎「電池切れかな……ちょっと電池探してくるわ」 淡「わかったー!」 ■白糸台高校 空き教室 京太郎「戻りましたー」 照「あ、おかえり」 菫「ご苦労さん」 京太郎「ちゃんと出れなくなってます?」 菫「成功したみたいだ」 菫「さて、白糸台覗き大会……改め」 菫「淡にお仕置き大会を始めよう」 照「わー……ぱちぱち」パチパチ 尭深「んと……玉露で、良かった?」 京太郎「あ、ありがとうございます」 菫「一応、経緯というか趣旨を説明しておこうか」 菫「淡と須賀君が私達を体育倉庫に閉じ込めて楽しもうとしていたようだが」 菫「それを逆に利用して、淡を体育倉庫に閉じ込めさせてもらった」 菫「そうとは知らず、閉じ込められている淡を見て楽しもうという企画だ」 照「もうかなり暗いし……淡なら直ぐに泣き出すはず」 尭深「お、お仕置き……しないと」 京太郎(わー、寝返って良かった) □Live-白糸台高校 麻雀部部室 淡「~♪」 淡「キョータロー、まだかなー?」 ■白糸台高校 空き教室 菫「解説と実況は私と照と尭深と須賀君の四人でやっていくんだが」 照「本日は特別ゲストを用意してまーす」 尭深「ぱちぱち」 京太郎「え? そうだったんですか?」 照「うん……どうぞ、お入りください」 ??「……ど、どうも」 京太郎「はっ!?」 咲「京ちゃん、久しぶり……だね? 元気だった?」 京太郎「ちょ……な、なんで、咲がここに……」オロオロ 照「特別ゲストだから」 京太郎「あ、あれー? ちょっとお腹が痛くなってきたゾ」ガタッ 菫「座れ」 照「……咲、がんばってね」ボソボソ 咲「う、うん……ありがとう、お姉ちゃん」ボソボソ 京太郎「ほ、ほんと……何で咲がいるんだ?」 咲「い、いちゃダメ……かな?」 京太郎「だ、ダメじゃないんだが……その」 菫(煮え切らないやつだな) 尭深(押し倒せばいいのでは……) 照(頑張れ、咲ー) 京太郎「……と、とりあえず大星の様子でも見るか!」 咲「う、うん。そうだね」 菫(逃げたな) 尭深(逃げた……) 照(頑張れ、咲ー) □Live-白糸台高校 麻雀部部室 淡「…………」プラプラ 淡「……ぶー! キョータロー、おそーい!」プンスカ ■白糸台高校 空き教室 京太郎「大星選手、ヒマで堪らないのか跳び箱に座って足を振っています!」 菫「見ればわかるな」 咲「そういえば……何で淡ちゃんは体育倉庫に閉じ込められているんですか?」 菫「お灸を据えるためだ」 菫「一応、事情を知らない咲ちゃんのために説明しておくか」 照「そうだね」 照「淡はトンデモナイことを仕出かした」 咲「あ、お姉ちゃんのプリン食べた以外でお願いします」 照「…………」ウツムキ 菫「まあ照はどうでもいいんだが、淡は自由奔放すぎるきらいがあってな」 菫「この間など七日間連続で『ヒャッハー! 今日はハロウィンだ!』と部員にお菓子をねだっていたんだ」 ハーベストタイム 菫「二日目からは皆もお菓子を用意してくるから、淡が『収穫の時だ!』と言いながら大喜びで食べて……」 咲「えっと……お互いに楽しんでるならいいんじゃないでしょうか」 菫「でも、私には一つも分けてくれなかったんだぞ!? おかしいだろ、お菓子だけに」 咲「それはひょっとしてギャグで言ってるんですか?」 菫「咲ちゃんが手厳しい……」 菫「渋谷! お前からも言ってあげてくれ」 尭深「は、はい……」 尭深「こ、この間のことなんですけど」 尭深「淡ちゃんが私の眼鏡とって『たかみ先輩は眼鏡を取っても可愛いね!』……って」 咲「……それだけですか?」 尭深「う、うん……からかうなんて、ひどいよね」ポッ 咲「そう思うなら、そうなんでしょうね……」 咲(渋谷さんの中では……) 菫「あ、淡に動きがあったぞ」 照「何か探してるのかな」 □Live-白糸台高校 麻雀部部室 淡「ヒマだし、bokete.jpでも見てよっと」 淡「携帯、携帯……」ゴソゴソ 淡「あれ……無い」 ■白糸台高校 空き教室 京太郎「あるんだなこれが」スッ 咲「何で京ちゃんが持ってるの!?」 京太郎「携帯で気を紛らわされちゃいけないと思って、スってきた」 照「ナイス」 咲「もー……中身、見ちゃダメだよ?」 咲「それにしても、スリなんてどこで覚えちゃったの?」 京太郎「この間、満員電車に乗ったんだよ」 京太郎「んで、執拗の人の尻とか触ってサイフ取ろうとしてきた奴がいて、逆にサイフ取ってやったら開眼した」 咲「それ、スリじゃなくてチカ……」 京太郎「え?」 咲「いや、何でもないよ……やめよう犯罪行為」 □Live-白糸台高校 麻雀部部室 淡「うー……携帯」 淡「部室に忘れてきたのかなぁ」 淡「…………」 淡「う、歌でも歌ってよ!」 淡「頂点まであと一息~」 ■白糸台高校 空き教室 菫「おい! 音量絞れ音量!」 菫「下手に歌詞とか聞こえたらジャスコが来るだろ!」 京太郎「それで危ないのは地元の商店街です」 咲「あの……そういえば、一人足りないような気がするんですが」 照「え? 誰が?」 咲「淡ちゃんは体育倉庫にいて、お姉ちゃんと弘世さんと渋谷さんはここにいるけど」 咲「白糸台は……もう一人二年生の人がいたような」 照「……そうだっけ?」 京太郎「俺に聞かないでください」 照「んー……」 尭深「いましたっけ……?」 菫「あ、いたいた……スパッツ履いてて、大量失点した」 菫「また……また……」 菫「……なんだっけ?」 照「また……亦ニキ?」 尭深「あ、マタンキちゃんですよ」 照・菫「「それだ」」 菫「マタンキなら体育倉庫の外で待機してるな、たしか」 菫「淡が歌ってるのを止めないといけないし、ちょうどいい」 照「そろそろ動いてもらおうか」 菫「おーい、マタンキ」 菫「そろそろ体育倉庫の窓を塞いでくれー」 □Live-白糸台高校 麻雀部部室 淡「まーた遊ぼうよー」 淡「……あれ、暗い」 淡「……窓、塞がれてる?」 淡「…………」 淡「……あ! きょ、キョータローかぁ」 淡「もー、いじわるしないで出してよー!」プンスカ ■白糸台高校 空き教室 照「あんまり堪えてない?」 菫「しばらく放置してればいけるだろ」 咲「かわいそうですよ……」 京太郎「あ、これじゃ見えないんで暗視モードに変えておきますね」 咲「何で無駄にハイテクなの」 □Live-白糸台高校 麻雀部部室 淡「……うー」 淡「コラ! キョータロー、早く私を出せー」 淡「…………」 淡「い……いまならまだ許して、あ、あげるんだけどなー」 淡「…………」 淡「キョータロー……だよ、ね?」 淡「……うぅ」 ■白糸台高校 空き教室 照「淡がメゲはじめた」 菫「もうひと押しか」 照「マタンキに扉ドンドン叩いてもらおう」 菫「そうしよう」 咲・京太郎(*1) □Live-白糸台高校 麻雀部部室 バンバン! 淡「ひうっ!」 バンバン! ワタシハマタンキジャナイゾコラァアア! 淡「や、やめて、キョータロー」 バンバン! 淡「やめてよぅ……」 バンバン! 淡「ぅ……」 バンバン! 淡「うああああああああああん!」 ■白糸台高校 空き教室 京太郎「あぁ……泣いちゃった」 菫「う……」 咲「やっぱりやりすぎですよ。淡ちゃん大泣きですよ」 照「いや、でも……プリン」 モニター『テルー! たすけてー! てるー!』 咲「ほら! お姉ちゃんの名前呼んでるよ」 照「うぅ……」 菫「淡ー! 待ってろ、いま助けに行くからなー!」タッタッタッ 尭深「わ、わたしも」タッタッタッ 照「あ、待って……」タッタッタッ 咲「えっ、あの」 咲「……普通にマタンキさんに出してもらえばいいんじゃ」 京太郎「……もう行っちまった」 咲「後悔するのは目に見えていたんだから、こんなヒドイことしなければ良かったのに……」 京太郎「だよなぁ」 咲「もうっ! 京ちゃんだって同罪なんだからね!」 咲「……私も、止めれるチャンスはあったと思うけど」 京太郎「すまん……」 咲「…………」 京太郎「…………」 咲「……ふ、二人っきりになっちゃったね」 京太郎「お、おう……」 咲「……染谷先輩から聞いたんだけど」 京太郎「」ビクッ 咲「清澄でも、同じようなことしてたんだよね」 京太郎「え、えー……どうだったかなー」 咲「……わ、私のも、見てたんだよね?」 京太郎「見てな」 咲「染谷先輩から聞いたもんっ」 京太郎「うっ……」 咲「私は……その、好き……なんだけど」 咲「京ちゃんは……どう、なのかな」 京太郎「お、俺は……」 咲「…………」 京太郎「……俺も、咲のことが」 ハーベストタイム 和「抹殺の時だ! コラァ!!」グァシァァァ 京太郎・咲「「なっ……」」 咲「の、和ちゃん!? なんで白糸台に」 和「咲さんあるところ、私有りですよ」 咲「その包丁……何に使うの」 和「…………」 和「さあ、須賀君――天に還る時が来たのです」スッ 京太郎「和……」 咲「やめて! 和ちゃん!」 和「咲さんどいて! そいつ殺せない!」 咲「ど、どかないよ」 和「……なら、咲さんを殺して私も死ぬ!」 京太郎「やめろ和! お前の目的は俺だろう!?」 和「私の目的は咲さんだけです!」 和「なんで……なんで咲さんは須賀君を庇うんですか!」 咲「京ちゃんが好きだからだよ!」 和「私のことは嫌いなんですか!?」 咲「違うよ……和ちゃんも好きだよ」 咲「ただ……和ちゃんより京ちゃんの方が好きなだけだよ」 和「…………」 和「……須賀君」 京太郎「……おう」 和「咲さんを幸せにすることを誓いますか?」 京太郎「ああ、誓う」 和「破ったら殺しますからね」 咲「和ちゃん……」 和「ちくしょおおおおおおおお! リア充なんて爆発しろおおお!」ダッ 咲「和ちゃん! 包丁持って走ってたら捕まるよ!」 和「ナマハゲの真似だからいいんですよおおおおぉぉぉ……」 京太郎「……い、行ったか」 咲「あ、あは……京ちゃん、足震えてるよ?」 アワイー!> 京太郎「さ、咲だって」 ミンナー!> 咲「だ、だって怖かったんだもん」 咲「……ねぇ」 咲「だ、抱きついても、いい?」 ウワアアアアアアアァァー!> 京太郎「お、おぅ」ギュッ ギャー! インランピンクダー!> 咲「えへへ……」 咲「京ちゃん――好きだよ」 京太郎「俺も――好きだ、咲のことが」 咲「ん……」 ■清澄高校 空き教室 咲「あ、京ちゃん、ご飯粒ついてるよ」ペロッ 京太郎「うおわっ! な、なんつー取り方しやがる!」 咲「えへへ」 久「熱々ねぇ」 まこ「咲が日に日に積極的になっちょる気がするが……」 優希「咲ちゃん……幸せになるんだじぇ!」 優希「あ、そういえば明々後日」 咲「あ、和ちゃんの初公判だね」 京太郎「大丈夫か? 和のやつ」 優希「のどちゃんのお父さんが弁護するし、きっと大丈夫だじぇ」 京太郎(和……お前が刑務所に入れられようが、俺は絶対に約束を果たすぜ!) 咲「? 京ちゃん、どうかした?」 京太郎「咲はかわいいな、って思ってただけだよ」 咲「も、もー! からかわないでよね!」 まこ「おお、そうじゃ京太郎」 まこ「お前さん宛に連絡があったんじゃ」 京太郎「俺宛に?」 まこ「福与アナからじゃ」 まこ「なんでも、今度プロ雀士相手に覗き大会を――」 ~終わり~
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6403.html
白糸台監督「よーし集合!」 「「はい!」」ザザッ 白糸台監督「もう合宿も終わりが近い、というわけでこれからは初日のように白糸台2VS三箇牧2での試合を行ってもらう」 白糸台監督「適当に相手を見つけて卓に入ってくれ」 白糸台監督「では、解散!」 京太郎「はぁ…これで合宿も最後か」 京太郎「どの卓に入ろうかな……」 郁乃「~♪」ポワポワ 明華「~♪」ポワポワ 淡「……」ジーッ 京太郎「よし、あっちの方に行こう!」ガシッ 淡「ねえ、ちょうどいいから打っていかない?」 京太郎「い、いえ、遠慮しておきます」 淡「え?打ってくれるの?やったー!」 京太郎「言ってねえよ!」 郁乃「じゃ、サイコロ回すで~」 京太郎「ちょっと待って!」 ポンッ 明華「アキラメロン」 京太郎「諦められるかっ!」 開局 京太郎(なんだ……?) 京太郎(俺の腕が唸らない……!) 郁乃(おかしいな~) 明華「~♪」 京太郎(でも、来たか) 京太郎「ツモ!3000・6000!」 東2局 明華 19000 親 郁乃 22000 淡 22000 京太郎 37000 明華「~♪」 京太郎(少し動いてきたけど…なんだか寒い…)ガタガタ 淡(なんか今一ね~) 郁乃「おお、来たで~」 郁乃「ツモ!面混一通ダブ東ドラ3で~12000オールや~」 京太郎「は!?」 東2局1本場 明華 7000 親 郁乃 58000 淡 10000 京太郎 25000 明華「~♪」 郁乃「っ!」ゾクッ 郁乃(なんやこの感覚……) 京太郎(うわー聴牌できねー) 郁乃(あかんなぁ~) 郁乃(こんな流れは早く切らせてもらうわ~) 郁乃(ちょうどあの子も聴牌したみたいやし)トン 明華「ロン!ピンフのみデ1000!1本場で1300!」 東3局 明華 8300 郁乃 56700 親 淡 10000 京太郎 25000 全員ノーテンのため、流局 明華「~♪」 郁乃(なんやこの歌…) 京太郎(頭がグラグラする…) 淡「あーもー!」 東4局 明華 8300 郁乃 56700 淡 10000 親 京太郎 25000 明華「~♪」 京太郎(今はなんともないみたいだな……) 京太郎(この隙に……)スチャ 京太郎(よし、来た!) 京太郎「ツモ!ツモのみで500オール!」 菫「ロン(物理)12000」ザシュッ 宥「うっ…痛いよぉ……」グスッ 咏「あーあ、泣かせちゃったー」 菫「す、すまん、そういうつもりじゃなかったんだ」アセアセ 東4局1本場 明華 7800 郁乃 56200 淡 9500 親 京太郎 26500 明華「~♪」 京太郎(また……) 淡(なによ…これ) 郁乃(これ以上は少し、しんどいから)トン 明華「ロン!1000!」 郁乃(仕掛けさせてもらうで~) 【身代わりの幻影】発動! 聴牌判定まで戻ります 東4局1本場 明華 7800 郁乃 56200 淡 9500 親 京太郎 26500 郁乃「ふぅ……」 明華「??」 淡「どうしたの?早く取りなよ」 明華「う、うん」スチャ トン 郁乃「私の番やな~♪」スチャ 郁乃「あ、揃ったわ~」 京太郎「え?」 郁乃「ツモ~地和で8100・16100や~」 淡「ち、地和!?」 ざわ……ざわ…… 咏「へぇ~地和かーわっかんねーな」 やえ「よそ見をしている場合か?」 やえ「リーチ!」 咏「あ、それロン」 終局 郁乃 88500 京太郎 10400 淡 1400 明華 -300 白糸台監督「よーし、これで全部終わったみたいだな」 白糸台監督「じゃあ焼き肉いくぞ、焼き肉」 京太郎「焼肉の時間だあああああ!」 京太郎「どんどん焼いて行こう!」 明華「それ、焼きぇてルヨ」 京太郎「あ、はい」 明華「ありがと、はむっ」 明華「おいしす~」 京太郎「そういえば、雀さんって歌が好きなんですか?」 明華「咏?」 京太郎「そっちじゃなくてsongの歌です」 明華「うん、好きだよ、愛してると言ってモいいネ!」 京太郎「へ、へーじゃあ得意な歌って何ですか?」 明華「得意ナ歌カー……」 明華「pretty flyトカかなー」 京太郎「pretty fly?」 エイスリン「ワタシ、ソレシッテル!」 明華「じゃア、一緒ニ歌オウ!」 エイスリン「ウン!」 ―――――――――――――――― エイ華「「ドウダッタ?」」 京太郎「ふ、二人ともお上手でしたよ」 京太郎(あ、アフロとチンポ?) 憩「なあ、エイちゃん、明華ちゃん」 エイスリン「ドウシタノ?」 憩「あ、あんたら……///」プルプル 憩「そ、その……///」 明華「?」 憩「さ、さっきからチンポとか、しこしこ精○とか、何言っとんねん!」 京太郎「……」 明華「……」 エイスリン「……」 京太郎「あ、この肉もう焼けてますね」 憩「せめて何か反応して!」 京太郎「次は……野菜を焼いてくか」 京太郎「まだあまり食べてないんだよな、肉」 やえ「ああ、須賀、これは私が焼いておくからお前は肉を食べてろ」 京太郎「いいんですか?」 やえ「構わんさ、こーゆーのも先輩の役目だからな」フフン やえ「それに最近太り気味だから制限しないとだし……」ボソッ 京太郎「ありがとうございます、じゃ、早速……」 京太郎「そういえば、小走さんは目標とかあるんですか?」 やえ「そうだな……まずはこのチーム虎姫で3連覇、それと西東京個人戦1位で全国優勝だな」 京太郎「うわ、大きいですねー」 やえ「目標は大きくなければな!それが王者というものだ!」 京太郎「ただ、前の目標は達成できないと思いますよ」 京太郎「三箇牧は負けないので」 やえ「ほほう、須賀もなかなか言うなぁ」 京太郎「まあこっちには個人戦のトップ2がいますからね」フフン やえ「お前が威張ることじゃないだろ」 京太郎「飲み物を取って来よう」 淡「あ、オレンジジュース取ってきてー」 京太郎「自分で行きなさい」 淡「そんなかたいこと言わずにさぁー」 京太郎「はぁ……わかったよ」 京太郎「はい」 淡「ありがと」 京太郎「……」ゴクゴク 淡「……」チュー 京太郎「なあ、淡のマイブームって何だ?」 淡「何よ、急に」 京太郎「いや、気になっただけだからいいや」 淡「あっそ」 京太郎「……」ゴクゴク 淡「……」チュー 淡「……ぬいぐるみ」ボソッ 京太郎「ん?ぬいぐるみ?」 淡「私のマイブーム!」 京太郎「ぬいぐるみ集めが好きなのか?」 淡「そうよ、悪い?」 京太郎「なんだ、遊戯王とかマリオとかかと思ってたぜ」 京太郎「結構女の子っぽいんだな」 淡「何よ!それじゃあ私が女じゃないみたいじゃない!」 京太郎「まあ、そりゃ……な」ジーッ 淡「どこ見てんのよ……っ」 京太郎「平原だからね、しょうがないね」 淡「こんのぉ!」 京太郎「やめて!醤油一ビン丸々飲ませようとしないで!危ないから!」 京太郎「あれ、弘世さん肉食べないんですか?」 菫「冷麺さえあれば十分だ」チュルチュル 京太郎「でも結構おいしいですよ、このカルビとか、いい焼き加減ですし」 菫「うっ…いや、私は冷麺でいいんだ!」 京太郎「このロースとか」 菫「ぐっ」 京太郎「このハラミとか」 菫「ひっ」 京太郎「このピートロとか」 菫「うぅ…」 京太郎「この特上カルビなんか特に」 菫「あ、あんまりだ……」 京太郎「で、弘世さんって何が好きなんですか?」 菫「カントリーマアムとか、ポッキーとか」 京太郎「お菓子ばっかりですけど、普通の食事は…」 菫「カニとか、親子丼とか……」グー 菫「あっ…///」 京太郎「はい、特上カルビです」 菫「い、いらん!」 京太郎「それも好きなんでしょう?」 菫「なっ……はぁ」 菫「君には参ったよ……」パクッ 菫「お、おいしい!」テーレッテレー 京太郎「もうそろそろ焼肉も終わりかぁ」 咏「うへぇ、もう腹いっぱいだぜぇ」 京太郎「お前は女の子なんだからもっと慎ましくしなさい」 咏「慎ましさとか、そんなん知らんし」 京太郎「デザート、なんかいるか?」 咏「いいのか!?」キラキラ 京太郎「どうせあっちの監督さん持ちだし」 咏「京太郎、おぬしも悪よのぉ」 京太郎「いえいえ、三尋木さんこそ」 白糸台監督(私のことも考えてよ……) 京太郎「で、抹茶パフェか」 咏「おう!」パクパク 京太郎「よく入るな」 咏「和食は別腹だぜ!知らんけど!」 京太郎「そういえば、咏ってさ」 咏「ん?」パクパク 京太郎「好きな人っているのか?」 咏「…」パクッ… 咏「は!?」 京太郎「な、なにをそんなに驚いているんだ」 京太郎「ひょっとして、いるのか?」 咏(ど、どういうことだよ…前にも聞いて来なかったか?) 咏(それでも…まだきいてくるってことは……///) 咏(そ、そんなわけないない!) 咏(……知らんけど) 咏(なんか顔が赤いしっ!) 咏「の、ノーコメントで!」パクパク 咏「ご、ごちそうさま!」ガタッ 京太郎「う、咏?」 咏「じゃ、じゃあ私ちょっと抜けるな!」タッタッ 咏(ひとまず退散だ!) 京太郎「うーん、腹でも下したのかな」 白糸台監督「えー、これで白糸台、三箇牧合同合宿は終了とさせていただきます……」 白糸台監督(もう今月用の生活費無くなったよ、かっこつけるんじゃなかったよ……) 白糸台監督「はい、解散……」 「「「お疲れ様でしたー!」」」 白糸台監督(なんでこんなに元気なんだよ……) 京太郎「さてと、荷物も持ったし、帰るか…ん?」 やえ「な、なあ」 京太郎「どうしたんですか?」 やえ「こ、これ」つメモ 京太郎「これは…メアドと電話番号ですか?」 やえ「か、勘違いするなよっ!須賀からメールを送ってきてもらえたら嬉しいなぁ、なんて」 やえ「これっぽっちも思ってないんだからな!」 京太郎「は、はぁ……じゃあ帰ったら送りますよ」 やえ「ほ、本当か?マジか?ガチか?」 京太郎「リアリーです」 ―――――――――――――――― 京太郎「今度こそ駅へ!」 淡「きょ、京太郎、これあげるから」 京太郎「お前も、連絡先か?」 淡「そ、そうよ、悪い?」 京太郎「悪くないって、むしろ嬉しいよ」 京太郎「ありがとな」ナデナデ 淡「えへへ……って、頭をなでるな!」ゲシッ 京太郎「痛っ!」 ―――――――――――――――― 尭深「須賀君…これ」 京太郎「これって……鷹!?」 尭深「そう、尭深だけに」 京太郎「なんだ、おもちゃじゃないですか」 尭深「はい、これ」 京太郎「ああ、連絡先ですか」 尭深「うん、須賀君とは同じ匂いがする」 尭深(戒能プロからするのは、きっと気のせい) 京太郎「あれ、じゃあどうして鷹?」 尭深「キャラは大事」 京太郎「そ、そうですか……」 京太郎「今度こそ…あ、これは牌のお姉さんこと瑞原プロのホログラフィックカードじゃないか!」 京太郎「まさか落ちてるなんて……」 ヒュン 京太郎「う、動いた!?って」 京太郎「誠野さんですか……」 誠子「亦野誠子だ、混ぜるんじゃない」 京太郎「で、あなたもなんですか?」 誠子「も?なんのことか知らないが、小走先輩からお前の話を聞いた、そして心を変えた」 誠子「私は間違っていたんだ、だから今謝らせてくれ」 誠子「すまなかった」ペッコリン 誠子「それと、これが私の連絡先だ」 京太郎「結局そうなるんですか」 ―――――――――――――――― 明華「スーガくん!」 京太郎「あ、雀さん、合宿は楽しかったですか?」 明華「うん!ありがとネ!」 明華「そだ!これ私ノ連絡先!」 京太郎「あ、どうも」 明華「着メロハ、pretty flyだヨ!」 京太郎「考えておきますね……」 京太郎(いけない、また…)モゾモゾ ―――――――――――――――― 宥「あったかかったな~」ホクホク 京太郎「そういえば、松実さんはどうやって帰るんですか?奈良ですよね」 宥「玄ちゃんが迎えに来てくれるから大丈夫だって~」 宥「玄ちゃんってば『おまかせあれ!』って張り切っちゃってね~」 京太郎「そうなんですか……」 京太郎(どうしよう、不安しかない……) 宥「あ、そうだ、これ」 京太郎「また連絡先ですか……」 宥「困ったことがあったら頼ってね、私、おねえちゃんだから」ニコッ 京太郎「は、はい!」 【その頃、青梅】 玄「白糸台ってどこぉ、おねえちゃ~ん」グスッ 【清々荘】 霞「これで遠征は終わりよ!」 霞「あと3週間後には地区予選があるわ、そして全国に進むために倒さなければいけないのは千里山!」 霞「あの子たちは強い、でもあなたたちはもっと強いわ!」 霞「自信をもって、全力以上であたりましょう!」 「「「「おー!」」」」 【6月第4週 遠征】終 【7月第1週 平日】 京太郎「須賀京太郎の朝は早い」 京太郎「この人はいつまでここにいるんだろうか」 良子「ぼっちじゃない……けっ…して…」Zzz 京太郎「しかし、もう地区予選か、早いな」 京太郎「学校ももう3か月か」 照「感慨深いね」ウンウン 京太郎「久しぶりだな」 照「どうだった、白糸台は」 京太郎「いいところだったよ」 照「そうか……」 京太郎(もう会話終わり!?) 京太郎「照って合宿中なにしてたんだ?」 照「合宿中は……本読んで、お菓子食べて」 照「本読んで、お菓子食べて」 京太郎「わかった、もういい」 照「あ、寝てたな」 照「風呂にも入ったし、トイレもした」 京太郎「そりゃそうでしょ」 照「みんな…元気だった?」 京太郎「みんな……ああ、元気だったぞ」 照「そう……」 照の好感度が上がった! 京太郎「昼だ!どこで食べよう!」 京太郎「今日はトイレで食べてみるか」 京太郎「どんな感じなんだろうな」 京太郎「ん?清掃中?」 良子「ソーリー、今から始めるから少しウェイト……」 京太郎「なんでここにいるんですか」 良子「ふっふっふ、私は今日からここでアルバイトなんだ!」 京太郎「バイト?プロなのにですか?」 良子「まあ暇だからな、それで須賀くんはトイレに何をしに来たんだ?」 京太郎「大きいか小さいかしかないでしょ、ふつう」 京太郎「今日は食べに来たんですけど」 良子「食べる!?ビッグ・ベンを!?」 京太郎「トッププロが何言ってるんですか」 良子「今はバイトだ!」 京太郎「これですよ、弁当」 良子「なんだ、そういうことか、じゃあこの後私と食べに行かないか?」 京太郎「いいんですか?」 良子「時間はたっぷりあるからな!」 京太郎「威張っていえることじゃないのですが、それは」 良子「というわけで、空き教室だ!」 京太郎「鍵がかかってたはずですが……」 良子「三箇牧高校の作業員である私が持っていない鍵など、ノー!」 京太郎「そうですか、そういえばその作業着ってここの制服みたいですね」 京太郎「なんとなくナース服みたいな感じがします」 良子「そ、そうか……どう思う?」 京太郎「はい、可愛いと思いますよ」 良子「そうか……えへへ///」 京太郎「そうだ、戒能さんってチャットやってません?」 良子「チャット?」 京太郎「マージャンアートオンライン略してMAOのチャットルームですよ」 良子「ああ、まあ一応はな」 京太郎「そこで『かいのー』っていうハンネでぼっち部屋にいませんか?」 良子「ど、どうしてそのことを!?」 京太郎「どうしても何も、完全に戒能さんじゃないですか、名前からして」 良子「は、恥ずかしい……」 京太郎「特定されて、ストーカーとかされたら危ないので、なるべくああいう名前は避けた方がいいですよ」 良子「そ、そうなのか?」 京太郎「よく知りませんが、そういうのが多いらしいですよ、最近」 良子「そ、そうかじゃあ改名しなくては……どうしよう」 京太郎「そうですね、『戒能プロは俺の嫁』とか?」 良子「そそそ、それはどういう意味だ!?///」 京太郎「いや、冗談ですって」 良子「なんだ、嬉しかったじゃないか」ボソッ 京太郎「何か言いました?」 良子「いや、なんでもないぞ!さあ早くランチを食べよう!」 京太郎「はい、そうですね」 京太郎「よく考えると、戒能さんと二人っきりだったのか」 京太郎「惜しいことをしたな…」 京太郎「久しぶりの日常な気がする」 京太郎「地区予選も近いしやっぱり部活に行かなきゃな」 京太郎「そうこうしているうちにもう部室の前か」 京太郎「開け、ゴマ!」 扉「」シーン 京太郎「ま、そりゃそうか」 京太郎「ああ、懐かしの部室よ!」 霞「この1か月全く来てなかったものね」 郁乃「これはもうお仕置きやな~」 京太郎「なんですかその縄は!」 京太郎(ここは、照に頼る!) 京太郎「照!特訓しようぜ!」 照「えっ?わ、わかった」 京太郎「うがーっ、全然できねえ!」 照「落ち着いて、はいミルクティー」 京太郎「おお、あんがと」コクッ 京太郎「あれ、なんだか眠気が……」 京太郎「……」Zzz 照「これでよかったの?」 郁乃「上出来上出来~」 京太郎「目が覚めたら公園にいた」 京太郎「何を言ってるか(ry」 京太郎「何をされたんだ?さっぱりわからない」テクテク 京太郎「ん?あの人は……」 豊音「あ、須賀くーん!」ブンブン 京太郎「どうも姉帯さん、こんにちは」 豊音「こんにちはー、また会えてちょー嬉しいよー」 京太郎「まだ大阪にいたんですか?」 豊音「うん、先生の付き合いでちょっとね」 京太郎「へぇ、いつごろまでなんですか?」 豊音「あーそれがね……」 豊音「もう今日で帰っちゃうんだ……」 京太郎「えっ、そうなんですか」 豊音「うん……せっかく須賀くんに出会えたのにね」 京太郎「じゃあ、岩手に帰ったらメールくださいよ!」 京太郎「もちろん、俺からも送りますよ!」 京太郎「離れてても友達は友達です!」 豊音「うん!うん!」 豊音「わたし、須賀くんに会えてほんとーに良かったよー!」 豊音「ありがとーっ!」ダキッ メシッ 京太郎「あれ、今なんか変な音がががががが」メキッメキメキメキ 【7月第1週 平日】終 【7月第1週 休日】 京太郎「朝かー」ノビー ゴキッ 京太郎「痛っ!」 京太郎「姉帯さん締め付けが強いんだよなぁ」 京太郎「朝はどうするかな」 【中心街の雀荘】 京太郎「バイトに来たぞ!」 由子「よろしくなのよー」 京太郎「そういえば真瀬さんがいたんですね」 由子「ひょっとして忘れてたのよー?」 京太郎「いえいえまさか」 おっさま「今日も頑張っていこなー」 京太郎「はい!」 カランコロン 京太郎「いらっしゃいませー」 シロ「はい、どうも……」 シロ「……涼しい」 京太郎「あ、あのーどの卓に入りますか?」 シロ「え?」 京太郎「ここ、一応雀荘なのですけど」 シロ「打たなきゃ…いけないのか……ダルいな…」 シロ「でも、涼しいんだよな……」 シロ「うーん……」 京太郎(不思議な子だなぁ) シロ「あ」 京太郎「どうしました?」 シロ「考えるのも…ダルい……」 京太郎(気力なさすぎるでしょ!) 京太郎(どうしたものか……) 京太郎「おい、俺と打てよ」 シロ「ダル……」 シロ「え……?」 京太郎「だから、俺と打てって言ってんだよ!」バシーン! おっさま「はいストーップ、そこまでや」 おっさま「なあお客さん?ここは入ったら1回打つまで出られないんです」 おっさま「だから打って行ってくれます?」 シロ「……ダルいけど…わかった」 おっさま「そんでメンツは……あ、真瀬ちゃんちょっと来てや」 由子「はいなのよー」 おっさま「これで揃ったな」 京太郎「じゃあ、始めましょうか」 シロ(……なんだか) シロ(ダルいことになったなぁ……) シロ(ダルい……) シロ(トシさんがギャルになったとか豊音が言うからみんなで来てみたのに……) シロ(早く終わらせて休憩しよう……) 開局 シロ(テンパイ……もっと伸びるかな…) シロ(ダルいけど……) シロ「ちょいタンマ」 【マヨヒガ】発動! 京太郎「ポン」 京太郎「ロン、白のみで1500です」 おっさま「はいよ~」 シロ(この人…早い人なのかな……) シロ(そうであろうと、そうでなかろうと、ダルくなりそうだな……) シロ(次は様子見……) 東1局1本場 親 京太郎 26500 由子 25000 おっさま 23500 シロ 25000 京太郎(タンヤオドラ1、ちょうどいい手で聴牌したけど…)スチャ 京太郎(これ、じゃないな)タン おっさま(どうやら順調みたいやな) おっさま(でも、そう簡単にはいかせないで) 京太郎(こい!)スチャ 京太郎(……違うか)トン おっさま「それ、ロンや。メンゼン三色、2000の1本場は2300」 京太郎「なっ……」 東2局 京太郎 24200 親 由子 25000 おっさま 25800 シロ 25000 由子(この親番、ものにするのよー)フンス 由子(とは言ったものの、もうこれで流局なのよー) 由子(ノーテンだし……)トン 京太郎「ロン、河底のみ、1000です」 由子「ホ、河底?」 由子「そ、それはちょっとあんまりなのよー……」ノヨヨ 由子(と、見せかけて) 由子(これで須賀くん対策はばっちりなのよー) 由子(ふっふっふ、これで須賀くんを泣かせてあげるのよー) 【対抗策】発動! 由子が【黄金の回転】をコピーしました 東2局 京太郎 25200 由子 24000 親 おっさま 25800 シロ 25000 由子(おお、急に牌がよく来るようになったのよー) 由子(ナイス対策!なのよー) 由子(このまま和了るのよー!) 京太郎「ツモ、300・500です」 由子「」 オーラス 京太郎 26300 由子 23700 おっさま 25300 親 シロ 24700 由子(対策…どこで間違ったんやろ……) シロ(聴牌できないなぁ…) おっさま(ずいぶんと静かな卓やな) 京太郎「よし、ツモ、300・500です!」 由子「……」 シロ「……」 終局 京太郎 27400 おっさま 25000 シロ 24200 由子 23400 京太郎「えーっと、その…おつかれさまでした」 由子「おつかれなのよー」 シロ「どうも……」 カランコロン 豊音「シロ、ここにいたんだー!」 シロ「豊音……」 豊音「みんな心配してるから帰ろーよ!」 豊音「って、須賀くん!?どうしてここに?」 京太郎「また会えましたね」 豊音「うん、あ、紹介するよーこの子は小瀬川白望ちゃん、みんなはシロって呼んでるんだよー」 シロ「ダル……」 豊音「それで、こっちが須賀京太郎くんだよー」 京太郎「そういえば、挨拶してませんでしたね」 シロ「……別に、いい」 シロ「君は、豊音の友達なの?」 京太郎「はい」 シロ「じゃあ、豊音と仲良くしてあげて……」 シロ「豊音、須賀くんに私の連絡先渡しておいて」 豊音「どうして自分で渡さないのー?」 シロ「…ダルい、から……」 京太郎「よし、午後も頑張っていくぞー!」 由子「今度こそ、今度こそは!なのよー」 カランコロン 京太郎「いらっしゃいませー」 由子「いらっしゃいなのよー」 煌「こんなところに雀荘があるとは、すばらです!」 煌「それでは早速打ちましょう」 煌「そこのお二方、私と打ってくれませんか?」 京太郎「え、俺たちですか?」 煌「あなた方の他にどなたかいらっしゃると?」 京太郎(また、なんか変な人が来たな……どうしよう) 京太郎「飛んでも知りませんよ?」 煌「おや、それは楽しみですね」 煌「申し遅れました、私は新道寺女子2年、花田煌と云います」 京太郎「俺は三箇牧高校の1年、須賀京太郎です」 由子「私は姫松の3年の真瀬由子なのよー」 煌「おお、あの姫松高校の方でしたか、いやぁ、実にすばらです!」 おっさま「お、またやるんか?わいも混ぜてくれへん?」 京太郎「はい、どうぞどうぞ」 開局 京太郎「ツモ、300・500!」 京太郎(何かを出し抜いたような気がする) 京太郎(この調子だ!) 東2局 由子 24500 親 京太郎 26100 煌 24700 おっさま 24700 京太郎「ロン、2900です」 煌「ふむ……一発とは、すばらです!」 由子(それあなたが振り込んだだけやないか……) 東2局1本場 由子 24500 親 京太郎 29000 煌 21600 おっさま 24700 由子(対策、対策なのよー)トン 京太郎「ロン、5800の1本場は6100です」 由子「もうっ!全くダメなのよー」 【対抗策】発動! 由子が【黄金の回転】をコピーしました 東2局2本場 由子 18400 親 京太郎 35100 煌 21600 おっさま 24700 煌(和了る度に点数が上がっていく……この打ち筋は) 煌(たしか春に部長と打った、宮永照) 煌(彼女にそっくりですね……) 煌(ならば、今のところは様子見あるのみですね!)トン 京太郎「ロン、7700の2本場は8300です」 煌「はい、ただいま」 東2局3本場 由子 18400 親 京太郎 44400 煌 13300 おっさま 24700 京太郎「よし、3本場だ!」 由子(やっぱり配牌もいいけど……あれ?配牌一向聴なのよー) 由子(でも、役無しなのよー……) 由子(あ、来た) 由子(これで聴牌…リーチは……しないでおくのよー)トン 煌(宮永さん同様、点数に制限があるのならば、必ず無理をする) 煌(そこを狙い打ちますよ!) 由子「ツモ、600・800なのよー」 煌「すばっ!?」 東3局 由子 20400 京太郎 42600 親 煌 21000 おっさま 15800 由子(ようやく対策がうまくいった気がするのよー) 由子(この調子で……あれ、これって) 由子「リ、リーチなのよー」 煌(ダブリーとは、なんたるすばら!) 京太郎(こんなの当たったら事故だっつーの!)トン 由子「それなのよー、ダブリー一発タンピン一盃口で12000なのよー」 京太郎「」 オーラス 由子 32400 京太郎 30600 煌 21000 親 おっさま 15800 京太郎(勝ちたい…1位になりたい……) 京太郎(幸い真瀬さんとの点差は1800、出和了でまくれる) 京太郎(で、今聴牌、一盃口のみ) 京太郎(どれを切るか……) 煌(うぅむ、微妙な配牌ですねぇ) 煌(須賀さんがもう張ったようなので、降りておきましょう) 煌(真瀬さんもなかなか侮れないですしね) 由子(張ったのよー、メンタンピンドラ1) 由子(ここはダマで……これを) おっさま「ノーテンや」 由子「テンパイなのよー」 京太郎「テンパイです」 煌「ノーテンです」 京由(*1) 終局 由子 33900 京太郎 32100 煌 19500 おっさま 14300 煌「おつかれさまでした」 京太郎「お疲れ様でした」ハァ 由子「おつかれなのよー」ハァ 煌「真瀬さん!あなたのあの逆転の跳満、すばらでした!」キラキラ 由子「あ、ありがとうなのよー」 煌「そして須賀くん、連続和了、すばらでした!あなたが今日のモストバリアブルスバラ、略してMVSです!」 煌「あと、携帯をお借りしても?」 京太郎「はい、どうぞ」 煌「ありがとうございます。それでは…」ピローン 煌「はい、これが私の連絡先です」 京太郎「あ、どうも」 煌「また機会があれば打ちましょう」 煌「それでは、さらばですー!」フリフリ カランコロン 京太郎「いい人、だったのかな?」 由子「お客様は神様なのよー」 おっさま「その言葉は正しいんやけど、使い方間違うとるな」 おっさま「2人とも、今日もご苦労やった、これがバイト代や」 京太郎「ありがとうございます」 おっさま「じゃあ、おつかれさん~」 京太郎「バイトが終わったので帰ってきた」 京太郎「財布があったかくなった気がするな」 京太郎「さて、これからどうしようかな」 京太郎「霞さんの家で特訓だ!」 霞「もう少し静かにしましょうか」 京太郎「はい……」 霞「みんな中で打ってるけど、どうするの?」 京太郎「みなさん来てるんですか?」 霞「地区予選前だもの、良子さんもいるわよ」 京太郎「そうですか……じゃあ」 ガララ 良子「ふぅ……」 京太郎「あ、戒能さん、今空いてますか?」 良子「ん、どうした?」 京太郎「俺と特訓してくれませんか?」 良子「ふむ、特訓か、私はいつでもウェルカムだが、私なんかでいいのか?」 京太郎「はい!戒能さんでなければダメなんです!」 京太郎「お願いします!」 良子「わかった、わかったから」 憩(京太郎くん、戒能プロと何話とるんやろ…)キキミミ 良子「でも、どこでヤるんだ?」 京太郎「みんな中にいるんですよね?じゃあ俺の部屋でヤりましょうか」 良子「ふ、二人っきりでか……?///」 京太郎「?もちろんじゃないですか」 憩(京太郎くんと戒能プロがヤる!?京太郎くんの部屋で!?) 憩(そ、そんなん……) 憩(興奮するやん……///) 良子「須賀くんは、読んでいる教本とかはあるのか?」 京太郎「この、瑞原プロのとか、郁乃さんのとかですね」 良子「むっ、私のは無いのか?」 京太郎「書店には見当たりませんでしたけど……」 良子「うっ…これでも一応トッププロなのに……」グスッ 良子「こんなの……」 良子「こんなの、あんまりだああああああ!」ウワァァァン 京太郎「か、戒能さん!?」 京太郎「あの後、戒能さんを慰めて時間が無くなってしまった…」 京太郎「ま、帰るときにスッキリした顔をしてたから大丈夫だよな!」 夜 京太郎「そういえばテストしたり合宿行ったりで最近はご無沙汰だったな」 京太郎「合宿といえば…明華さんだよな」 京太郎「よし……」モゾモゾ 【7月第1週 休日】終 【7月第2週 平日】 京太郎「ふぅ……」 京太郎「久しぶりだから何回もやってしまった……」 京太郎「朝、それは1日の始まり」 京太郎「朝に誰かと出会って学校に行けるかどうか、それで今日1日が決まる」 京太郎「あるものは友達と」 京太郎「あるものは恋人と」 京太郎「その1日の始まりを人々は誰かと共有している」 京太郎「何を言いたいかというと……」 京太郎「俺も誰かと登校したああああい!」 エイスリン「!」ビクッ 京太郎「あっ、すみません……って、エイスリンさん!エイスリンさんじゃないですか!」 エイスリン「ア、アサカラビンビンダネ……」 京太郎「ビンビンじゃなくて元気と言いましょう」 京太郎「そういえば、エイスリンさんって日本に来てもう3か月ですよね、好きな日本の食べ物とかってあります?」 エイスリン「タベモノ……umm」 エイスリン「カスミガツクッタ、キントキマメ、オイナリサン」 エイスリン「チクワ、トカ?」カキカキ バッ |ちくわを咥えてピースをしているエイスリンの絵| 京太郎「え、えーっと、その絵は…」 エイスリン「チクワノエ?」ハテッ? 京太郎「」ビンビン 京太郎「朝は……いかんいかん妄想は抑えないと」 京太郎「昼飯はどこで食べようかな」 京太郎「中庭に来たぞ」 ワイワイ ヤイノヤイノ ブヒーッ 京太郎「いつも賑やかだよな、恋人同士……」 京太郎「ん、あれは……」 エイスリン「……」カキカキ 京太郎「エイスリンさん!」ガバッ エイスリン「ワッ!」バシーン 京太郎「うわっ!」 エイスリン「ダイジョウブ?」ナデナデ 京太郎「痛たた、あ、もう大丈夫ですよ」 エイスリン「ホントウニ?」 京太郎「はい、もともと俺が悪かったんですし」 エイスリン「ソノ……ゴメンネ」 京太郎「謝らなくていいですよ」 京太郎「さっきも言ったように俺が悪かったんですから」ナデナデ エイスリン「……ン」 エイスリン「アリガト……」 【放課後】 京太郎「来週には地区予選が始まるのか」 京太郎「どんな人がいるかが楽しみだな!」 京太郎「やっぱり部活に行くべきだよな!」 京太郎「俺が出れるのは個人戦だけだけど、勝ちたい!」 京太郎「手に入れるんだ!力を!」 京太郎「勝つための力を!」 京太郎「よし、憩さんと特訓しよう!」 京太郎「憩さん、憩さん」 憩「!」ビクッ 憩「な、なんや?」 京太郎「?どうしてそんな後ずさりをするんですか?」 憩「いや、なんでもないで~」 憩「で、なんや?」 京太郎「憩さんと特訓しようと思いまして!」 憩「と、特訓!?って何の特訓?」 京太郎「麻雀に決まってるじゃないですか」 憩「あ、そ、そうやな!それしかないもんな!」 憩(アカン、想像してもうた……) 京太郎「じゃ、こっちでやりましょうか」 憩「う、うん」 憩(後で穿き替えんと…) 京太郎「そういえば、憩さんのそのピキーンってなるやつ、俺にもできないですかね」 憩「え、これ?」ピキーン 京太郎「なんだかかっこいいなーって」 憩「そ、そうかな……?///」 京太郎「どうですかね?」 憩「んー、一応やってみよか」 京太郎「はい、お願いします!」 京太郎「部活終わりーっ!」 京太郎「さて、帰りはどうするかな」 京太郎「街に行ってみるか」 京太郎「懐があったかいからコンビニに来たぞ」 京太郎「なにを買おうかな……」 京太郎「ティッシュを買っておくか、昨日みたいに使いすぎてなくなったら困るからな」 明華「須賀、クン?」 京太郎「あれ、雀さんじゃないですか」 京太郎「どうして大阪に?……って雀さん!?」 明華「ンッ」ビクッ 京太郎「すみません、驚いたものでつい」 明華「ダ、ダイジョーブダヨ」 明華「少シ、歌の用事で来タンダ」 京太郎「歌?」 明華「CDとか、出シテルヨ」 明華「2週間くらい大阪にイテ、コンサートシタリ、サイン会シタリスルンダ!」 京太郎「何それ凄い」 明華「良カッタら、須賀クンも来て!ミンナと一緒に!」 京太郎「はい、考えておきますね」 明華「ソーイエバ、須賀クンは何を買ッタの?」 京太郎「ああ、ティッシュですよ」 明華「ソノ袋は?」 京太郎「袋?何だ?」 近藤さん「チィーッス、お買い上げアリシャース」 京太郎「は……!?」 【7月第2週 平日】終
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/3949.html
前話 次話 恒子『中堅戦終了!!最後は渋谷尭深選手の役満が飛び出しました!!』 京太郎「すごいな……役満なんて上がったことないなー」 淡「そりゃタカミーだからねー。タカミーは…むぐ」 誠子「だから言うなって。それじゃ、行ってきます」 自販機前 京太郎「……ふぅ、さすがにあの状況は居づらいな」 京太郎「なんか聞いてほしくない話っぽかったし……やっぱりそろそろ出るべきかな」 憩「なんや?試合最後まで見ない気なん?」 京太郎「そうじゃなくて……憩さん?」 憩「久しぶりーぃ」 京太郎「それほどですかね」 憩「もうちょっと連絡してくれてもええのに、冷たいわーぁ」 京太郎「色々忙しかったんですよ。試合は出ませんけど」 憩「その試合やけど、どうなると思う?」 京太郎「試合ですか?……順当にいけば白糸台と千里山でしょうね。けど」 憩「けど?」 京太郎「そう簡単にはいかない、ですよ。うちがそうですから」 京太郎(長野の決勝……あんなことが起きるのが麻雀だよな) 憩「そのとおり。うちとしては阿知賀を応援しとるけどね」 京太郎「阿知賀を?」 憩「昨日、特訓したんよ。さすがにそこまで変わるとは思わへんけど……」 京太郎「変わるかもしれない、と」 憩「最後まで、ちゃんと見てないといかんよーぉ?ほななー」 京太郎「憩さん……ナース服じゃなかったか」 京太郎(そういや、ナース服の色って、何種類あるんだろう) 観客席 京太郎「……副将戦終わったか」 京太郎「さすがに戻りづらいし、これ以上いる訳にもいかないかな」 京太郎「照さんにメールだけでも送っておこう」 誠子「す、すいませんでした!あんなに失点して……」 照「…………」 尭深「何も言わないんですか?」小声 菫「私もマイナスだったんだぞ?ここは何か言えるのは照だけだ」小声 照「……亦野」 誠子「は、はい!……交代、ですよね?」 照「お疲れ様、次頑張ろうね」 誠子「……え?」 照「ん?あ、食べる?」お菓子 誠子「いや、そうじゃなくて、あれだけ失点したのに次?」 照「?……淡が負けたりしなければだけど、決勝のことだよ?」 誠子「いや、そうじゃなくて……私でいいんですか?交代だと思ってましたけど」 照「最終的に勝てばいい。点差がどうとかは気にしないし、私は亦野以外に副将やれる人はいないと思ってるから」 誠子「宮永先輩……」 照「菫と尭深も、いいよね?」 菫「……いいも何も、お前が決めたんだ。何も言わないさ。それに、私だって亦野を信じてるからな」 尭深「私も、です」 誠子「……弘世先輩、尭深」 照「大将戦始まるけど……京ちゃんどうしたのかな」 菫「そりゃ居づらかったんだろうな」小声 誠子「すいません」小声 照「あ、京ちゃんからメール……そっか」 尭深「何だったんですか?」 照「さすがにそろそろ別のとこで見るって」 誠子「なんかすいません……」 菫「いや、本来他校の生徒が居ていいとこじゃないからな」 照「でも応援してるって」 菫「まぁ、淡だから大丈夫だろ」 廊下 京太郎「ふぅ、大将戦は見逃せないし、今のうちトイレ行っとかないとな」 玄「うぅ~……ドラが~……」 京太郎「……玄さん?」 玄「京太郎くん!……うわーん!」 京太郎「あぁ……先鋒戦お疲れ様です。大変だったでしょう?」 玄「うん……2回戦でも敵わなかった園城寺さんいるし、宮永さん強いし……」 京太郎「はい……大変でしたね」 玄「何より……何より……」 京太郎「?」 玄「おもちが足りない!!」 京太郎「なん……だと……!?」 玄「準決勝なのに、それ以降は私の対戦相手おもちがないんだよ!!強くておもち無いとか、相性最悪だったよ!!」 京太郎「あの状況でそこを見ているとは……見事です」 玄「うぅ……帰ってお姉ちゃんに抱きつこう……」 京太郎「お疲れ様です!……あ、うちが当たる姫松の先鋒はおもちありましたよ」 玄「私、姫松を応援するね!!」 京太郎「和はどうしたんですか」 玄は後でしっかり怒られました 売店付近 京太郎「しっかし淡の奴すごかったんだな……アホっぽいのに」 京太郎「一応あいつの他の試合は見たけど……あんなにカンしてたかな」 京太郎「カンか……咲もカンするけど、そんな簡単にできるもんじゃねーだろ」 京太郎「ほんと同じ麻雀なのかね……ん?」 照「……ここ、どこだろ」 京太郎「……何やってるんですかチャンピオン」 照「あ、京ちゃん」 京太郎「トイレはあっちで売店はそっちです。控え室までなら送ります」 照「……控え室までだけど、慣れてるね」 京太郎「方向音痴が似るってどんな姉妹ですか」 照「好きで方向音痴じゃない……ところで、チャンピオンって呼ぶのは止めて」 京太郎「分かってますよ、照さん」 照「ん」 京太郎「そういえば、淡の奴ってすごかったんですね。アホっぽいのに」 照「淡も強いからね。普段で決めちゃダメ」 京太郎「咲も普段あんななのに強いですし、人は見かけによらないってここ最近で実感しましたよ」 照「うん、見かけ以上に強かったりすることって結構ある。でも、大将戦はもしかしたら……」 京太郎「もしかしたら?」 照「……なんでもない。淡なら、大丈夫」 京太郎「はぁ……ところで照さん」 照「何?」 京太郎「曲がる方向逆です」 恒子『試合終了!!1位は阿知賀女子、2位は白糸台です!!』 京太郎「……どーやったらああいう風に打てるんだ?」 京太郎「いや、それより白糸台が2位か……阿知賀も強敵ってことだよな」 京太郎「……確かにあの姉妹のおもちは……いや、白糸台も菫さん達はなかなか……」 優希「……何不審者やってるんだじぇ」 和「さすがに口に出していいことじゃないと思いますよ?」 京太郎「ん、2人とも取材は終わったのか?」 和「ええ。試合を見ながら、という形でしたので」 京太郎「阿知賀、すごいな」 和「ええ……私も負けられませんね」 優希「よーし!帰って打つじぇ!!」 京太郎「明日早いんだからほどほどにしとけよ」 和「ふふ、私も打ちたいですね。須賀くんもどうです?」 京太郎「また俺を飛ばそうというのか……」 京太郎(しかし、千里山の人達や新道寺の人達はどうしてるかな……怜さんとか、一度お見舞い行かないとな) 淡「ゴメン!!2位になっちゃった!!」 照「明日勝てばいい。それだけだから」 菫「そうだな。私も決勝までに癖を直して逆手にとってやる」 誠子「私も、決勝こそやってやる!」 尭深「私も」 照「……決勝、必ず勝とう」 菫・尭深・誠子・淡「おおっ!!」 照「じゃあ早く帰って……」 菫「どうした?冷蔵庫開けて固まって」 照「……試合前に入れておいて食べなかったプリンがない。誰?」ゴゴゴゴゴ 淡「あ!先鋒戦で菫先輩がトイレ行った時に……もが」 誠子「しーっ!」 尭深「それは内緒にしとかないと…」 照「……後輩達、明日の為にちょっと帰って打とうか」ゴゴゴゴゴ 東風戦だけで許しました 夜 京太郎「あいつら……本当に飛ばしやがって」 京太郎「最下位がコンビニに行くってのは、なんとしても変えよう。俺で確定だし」 京太郎「ん?公園にいるのは……」 京太郎「なんか国際色豊かな集団が……」 ダヴァン「助かりマシタ!これで大丈夫デス!!」 智葉「あのな……そりゃ友人として頼まれたなら断ったりはしない」 ダヴァン「さすがサトハ!」 ネリー「サトハ優しいからねー」 明華「この間も助けてもらいました」 ハオ「うん、助かる」 智葉「だがな……カップラーメンの特売でレギュラー呼び出したりするんじゃねぇよ!!何回目だよこれ!!」 ダヴァン「ですが、お1人様3個までで…」 智葉「味別々で15個もいらねーだろ!!業者かどっかからダースで頼めってこないだ教えただろうが!!」 ダヴァン「味が同じになります!!」 智葉「てめぇあんだけ食ってて味がどうこうぬかすんじゃねぇ!!緊急だっつって夜中に呼ぶ理由じゃねーんだよ!!」 ネリー「ほら、その分明日頑張るって意思表示だよー」 ハオ「日本人で言う誠意ね」 明華「これが……誠意」 智葉「微妙に違うわ。ったく、監督呼ぶか」 ネリー「サトハ職権乱用ー」 智葉「やかましい。帰りくらい監督も使ってやる」 ハオ「ナナツアタリ?」 明華「いえ、ココノツアタリ」 智葉「八つ当たりだ……もしもし……はい、はい……それじゃ」 智葉「少しかかるらしい。よし、待ってる間にこのラーメン食うか」 ダヴァン「ホワッツ!?酷い!!」 智葉「うるさいこれくらい当然だ」 ネリー「じゃーネリーこれー」 明華「私はこの定価が一番高いのを」 ハオ「じゃ、坦々麺」 ダヴァン「みんな容赦ないデスネ!!」 京太郎「アレって明日の相手の臨海だよな?公園でラーメンって……」 智葉「ま、お湯が無いし夜だから食べるのは無理だがな」 ダヴァン「ホッ」 智葉「つーわけでテイクアウトだ」 ネリー「はーい」 明華「夜食にします」 ハオ「日本のレベル……期待してる」 ダヴァン「結局減るんデスネ……もう諦めマス」 智葉「で、そこで見てるのは誰だ?覗き見とは感心しないがな」 京太郎「あー……別に覗いてた訳じゃないですよ。たまたまです」 智葉「ん?お前……清澄の人間か?」 京太郎「分かるんですか?」 智葉「対戦校のデータくらい頭に入れるさ」 ネリー「あ、Kちゃん!」 ダヴァン「おお!あの時はお世話になりマシタ!」 明華「あ、お礼がまだです」 ハオ「知り合い?」 前話 次話 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/1158.html
前話 次話 Kちゃんぬいぐるみ、全国大会編 開会式 京太郎「頑張れー!清澄ー!!」 ざわざわ 咲「もう……京ちゃんったら」 和「さすがに開会式前で叫ぶのはいけませんね」 久「応援は嬉しいけどねー」 優希「京太郎が注目の的になってるじぇ」 まこ「にしても、ざわめきすぎじゃないか?周りの選手も京太郎の方を見とるし」 久「女子の大会で男子がいるから、にしては変ね」 和「叫ぶ前よりざわめいてる気がしますし、なんなんでしょう」 優希「気にしてもしょうがないじぇ!」 まこ「そうじゃな。後でちょっと京太郎は叱るか」 咲「ええ。京ちゃんに後で言いましょう」 霞「ねえ、さっき叫んだ子って……」 初美「清澄って言ってたですよー」 小蒔「あの人、まさか……」 巴「……姫様?」 春「……会いに行く?」ポリポリ 煌「清澄……和と優希は元気でしょうか……って部長?」 哩「そんな……ここにおるなんて」 姫子「ぶちょー?鎖いります?」 美子「なんでここにあると……」 仁美「なんもかんもあの男子のせいや」 白望「ダル……くない」 塞「シロ?」 豊音「……見つけたよー」 エイスリン「ハイ!」 胡桃「エイちゃん、そのハートを射る矢の絵はなに?」 穏乃「清澄って……和がいるとこ!?」 憧「へえ……和に紹介してもらうのがいいかな」 玄「ふ~む。おもち好きと見たっ!」 灼「猫耳あったかな……」 宥「……あったかそうな人」 洋榎「よっしゃ。絹、終わったら行くで!」 絹恵「おねえちゃん何する気なん?」 由子「洋榎、私も行くのよー」 末原「清澄……マークしとかな」 漫「先輩、マジック構えないでください」 怜「……見えん。フナQ」 浩子「眼鏡は貸しませんよ」 竜華「場所が悪かったんかな」 セーラ「俺がひとっ走り行けばええやん」 泉「先輩、行って何するんですか?」 ネリー「サトハ!サトハ!」 ダヴァン「さすが日本デス!」 明華「まさか本人がいるとは……」 ハオ「日本……やはりあなどれない」 智葉「お前ら……」 憩「へーぇ。楽しみが増えたわ」 やえ「……この程度で騒ぐニワカ共め」 初瀬「小走先輩……Kちゃんぬいぐるみより先にご本人に会えそうですね」 淡「ね、ね、さっきの男の子、Kちゃんそっくり!」 菫「落ちつけ淡。その図々しさで連絡先聞いてこい」 尭深「弘世先輩……」 誠子「せめて自分で行きましょうよ」 照「……京ちゃん」 久「やっと開会式も終わったわね」 まこ「なんか周りからやけに見られとった気がするんじゃが」 優希「のどちゃんのおっぱいのせいか?」 和「ないですよ!」 久「さて、アレ?咲は…」 洋榎「待ちや!!」 久「へ?」 洋榎「あんたが清澄の部長か?」 久「そうだけど、って姫松高校!?」 まこ「大阪の強豪じゃな。久、なんかしたんか?」 久「初対面よ。後、なんかって何よ」 洋榎「なんや知っとるんか。うちが姫松の愛宕洋榎や!」 優希「その姫松がうちになんの用だじぇ?」 洋榎「たいしたことやない。ただ…」 セーラ「見つけたでー、って愛宕洋榎!?」 洋榎「江口セーラ!!何しに来たんやこの野郎!」 セーラ「俺は女や!そっちこそなんで…」 ネリー「サトハ!サトハ!いたよ!!」 ダヴァン「ネリー、はしゃぎすぎデス」 久「え?確か竜門渕とあたった臨海?」 初美「いましたよー」 まこ「うお!あんたは永水の?」 姫子「えーっと、花田が言っとったんは」 哩「清澄やね」 優希「花田先輩?」 和「……なんなんですかこれは」 久「なんでこんなに有名校が?」 モブA「あ!清澄いたー!」 まこ「え?」 優希「じぇ?」 モブB「マジー?ちょっと、あんた行きなって」 モブC「あんたも行けって。限定Kちゃん譲ってやったじゃん」 モブD「あ、すいませーん。ちょっと聞きたいことがありまして…」 塞「……出遅れたかー」 胡桃「うるさい、ここ」 久「え?こんなに人集まってほんと何が起こってるの?有名人でもいた?」 哩「ちょっとある人に会いたくて…」 洋榎「うちが先や!」 セーラ「俺や!」 初美「人多すぎですよー。ちょ、埋もれますー」 ネリー「ぬいぐるみ!モデル!」 まこ「……ある意味いっぱいおるの」 和「アレ?咲さん?」 咲「ここ……どこ?」 咲「うう……さっきまで人いっぱいだったのに誰もいないよ……」 咲「京ちゃん……助けてー……」 照「……全く、4人ともはぐれるなんて」 照「淡なんかは初めてだけど、菫は3回目なんだから」 照「……私は迷ってない。悪いのは道」 咲「……京ちゃーん」 照「……皆どこだろ」 咲・照「あ」 咲「お、お姉ちゃん!?」 照「!」プイッ 照「…………」スタスタ 咲「ま、待ってよ!」 照「…………」スタスタ 咲「なんで京ちゃんのぬいぐるみ抱いてインタビュー受けてたの!?」 照「アレやっぱり京ちゃんだったの!?」クルッ 照「あ……」 咲「お姉ちゃん……」 照「……で、なんで京ちゃんがぬいぐるみになってるの?」 咲「え?なんか頼まれて、流れでそうなったとか…」 京太郎「咲!!やっと見つけた、って照さん!?」 咲・照「京ちゃん!!」 京太郎「……咲、上から見てて明らかにみんなから離れてたぞ」 咲「う」 京太郎「……色々置いといて言いますけど、照さんも方向音痴治って無かったんですね」 照「……道が悪い」 咲「お、お姉ちゃんの言う通りだよ京ちゃん!道のせいで、迷子じゃないから!」 照「そうそう」 京太郎「……姉妹喧嘩はどした?」 咲・照「あ……」 京太郎「…………とりあえず咲は俺についてくる。照さんは携帯とかで部員と連絡つきます?」 照「携帯……電池切れ」 京太郎「会場入口とかまででいいですか?」 照「……分かった」 咲「お姉ちゃん……」 京太郎「喧嘩は一時休戦ぐらいでお願いします」 照「……善処する」 照「ところで京ちゃん、なんでぬいぐるみになってたの?」 京太郎「あれですか。実はですね、かくかくしかじかで」 咲「京ちゃん、それじゃ分からないよ」 照「なるほど」 咲「分かったの!?」 照「全然」 咲「……お姉ちゃん、京ちゃん」 京太郎「あはは。咲は騙されやすいな」 照「まだまだだね」 咲「もう!2人とも酷いよ!」 照「ふふっ」 京太郎「……照さん、俺が言うのもなんですが、このまま仲直りするのは無理ですか?」 咲「京ちゃん……」 照「…………」 京太郎「姉妹が仲悪いより仲良い方がいいですし」 京太郎「俺は、2人には笑っていて欲しいんです」 照「……そうだね。でも私は」 恒子「おぉーっとチャンピオン発見だぁー!」 京太郎・咲・照「!!?」 健夜「こーこちゃん、いきなりすぎるよ」 京太郎「え!?小鍛冶プロ!?」 咲・照「!!!」 恒子「いやぁ、すこやんの雄姿を納めるために常時起動していたカメラがこんなところで役に立つとは」 健夜「常時起動ってなに!?」 恒子「あ、今回は編集してからネットで公開するからね?」 健夜「結局!?」 京太郎「あ、あの~」 恒子「おや少年。ん?君、今話題のKちゃんぬいぐるみに似てない?」 京太郎「いや、それは似てるも何も俺がモデルですから」 恒子「な、なんとー!私達は話題のKちゃんご本人に出会ってしまったぁー!!」 恒子「ご本人もなかなかのイケメンです!これは話を聞かないとアナウンサーじゃないですよね!!」 京太郎「……はい?」 咲「……誰?」 照「確かアナウンサーの人と小鍛冶プロ。本当に強い」 健夜「あ、ありがとう。で、宮永さん」 咲「は、はいっ」 健夜「?宮永照さん、だよね?」 咲「あ、すいません。私、宮永咲です」 健夜「同じ宮永……姉妹?」 咲「えっと……」 照「その……」 恒子「何面白そうな話してるのすこやん!」 健夜「わっ」 恒子「ん?2人は……どっちが彼の彼女?」 咲・照「ち、違います!」 恒子「ということは……勝った方が彼を貰う的な?」 健夜「何言ってるの!?」 照「勝つ……」 恒子「いやぁ、面白そうじゃないですかー?」 健夜「だからって…」 照「咲」 咲「お、お姉ちゃん?」 京太郎「照さん?」 照「今、言っておく。私は、白糸台は負けない」 咲「!」 照「……仲直りは、それが終わってから考える」 京太郎「照さん……」 照「今色々考えて試合に影響が出たら、色んな人に申し訳ないからね」 咲「……分かったよお姉ちゃん」 咲「でも、私も、清澄も負けないからね」 照「……団体も個人も、途中で負けたりしないでね」 咲「うん」 照「京ちゃんは見ていて。私達の全力を」 京太郎「……はい」 照「終わったら、ぬいぐるみのこと聞かせてね?」 京太郎「ははは。いくらでもいいですよ」 咲「じゃあ私は、また本買うのにでも付き合ってね?」 京太郎「俺は景品かよ」 照「立会人券景品かな?」 京太郎「立会人って、いつかの時代の決闘ですか」 咲「くすっ」 照「ふふっ」 恒子「これは、Kちゃん本人を賭けた闘いが始まったー!!」 京太郎「え」 健夜「こーこちゃん。そういうのじゃなくて真面目な話っぽいから茶化すのやめよ?」 恒子「あ、すいません」 照「いえ、大丈夫です」 咲「あ、はい」 恒子「でも傍から見ればそう見えるんだよねー」 恒子「そしてチャンピオン自身が勝つという宣言までしてるしー……これは優勝すればKちゃんゲットでいいのかな?」 健夜「人を景品にするのやめようよ」 咲「あのー、これそのまま公開とかはちょっと……」 照「私達のとこは編集で切ってもらえます?」 恒子「んー……よし、問題無い!すこーし使うのはいいよね?ていうか勝手にやるね!じゃ、まったねー!」 健夜「どこ行くの?こーこちゃん!」 京太郎「……行ってしまった」 咲「なんか……騒がしい人だったね」 照「マスコミなんてあんなもの」 京太郎「じゃ、行きますか」 会場入口 京太郎「さて、ここまで来ましたけど、知り合いとかいます?」 照「いない。それどころか、他校の生徒も少ないけど」 咲「そういえば、この時間は抽選やってるんじゃなかったっけ?」 京太郎「ああ、なら抽選会場に行けばいますね」 照「うん。会場は毎年同じだから分かる。こっち」 咲「さすがお姉ちゃん」 京太郎「……そっちトイレですよ?」 照「……なんもかんも道が悪い」 京太郎「なんですかその口調。こっちですから行きましょう」 抽選会場 アナウンス「次は、姫松高校の抽選です」 京太郎「ここですね」 照「うん、入ろう」 ガチャ アナウンス「姫松高校はBブロックの…」 京太郎「さて、白糸台は…」 咲「あ、京ちゃん部長が引くよ」 京太郎「お、ほんとだ」 照「あれが清澄の部長……」 ざわざわ、ざわざわ モブE「ちょっと!Kちゃんいた!!」 モブF「マジ?どこどこ…って宮永照と一緒じゃん!!」 モブG「チャンピオンと!?さすがに近くに行けないわ」 モブH「あのとなりのおとなしそうなの誰?」 末原「ほう、清澄とは2回戦やけど強敵なのは確定やな」 智葉「さすが宮永……油断できんな」 怜「チャンピオンこっちでもすごいな……」 煌「まーた麻雀以外でもすごい人と当たりますね……」 豊音「ちょーすごいよー。サインの他に写真とかお願いできるかなー」 小蒔「ま、負けません!」 まこ「なんじゃまたざわめいてきたの」 優希「あ!京太郎と咲ちゃんが入り口に入るじぇ!」 和「2人と……宮永照さん!?」 まこ「またえらいの連れてきたな……久がなんて言うか」 淡「菫!菫!テルーがKちゃんと!!」 菫「分かっているから落ちつけ。そう落ちつくんだ私。照発見のお礼の名目で…」 誠子「先輩、嬉しいのは分かりますけど落ちつきましょう?」 尭深「そろそろ抽選終わりますよ?」 アナウンス「以上で抽選を終了します。各校はそれぞれの時間を…」 京太郎「終わったみたいですね」 照「白糸台はシードでAブロックだけど」 咲「清澄はBブロックだね」 照「……」 まこ「おーい」 京太郎「あ、染谷先輩」 まこ「京太郎お前一体…」 照「決勝で待ってるから」ゴッ 和・優希・まこ「!?」 咲「……全部、倒して行くね」ゴッ 照「……ふふっ」 和「い、一体なんですかこれは?」 照「あ、菫いた。じゃ、ここまでだね」 照「ねえ、京ちゃん」 優希「京ちゃん!?」 照「連絡先、紙かなんかに書いてくれない?」 京太郎「あ、はい。……これですね」 照「ありがと。ホテルに帰ったら連絡入れるから登録してね」 京太郎「勿論です」 照「じゃ、またね」 久「あー、緊張したわ。アレ?みんな?」 照「失礼」スタスタ 久「え?」 久「……今、咲のそっくりさんかチャンピオンが居た気がするけど、見間違いよね?」 咲「……部長」 久「な、何かしら?」 咲「今、すっごく打ちたい気分なんで、帰って打っていいですか?」ゴッ 和「さ、咲さん?」 咲「どうしても、決勝にいかないといけなくなりました」ゴゴゴゴゴ 久「……ネット麻雀かどこかの雀荘で勘弁してくれない?」 久(さすがに今、選手の誰か咲とを打たせる訳にはいかないわー) 照「……ふふふっ」 淡「テルー!」 菫「またどこに行ってたんだお前は」 照「淡、菫」 誠子「そーですよ。なんでKちゃんといたんですか?」 尭深「すごく、親しそうでした」 照「京ちゃんは元々知り合いだからね?」 淡「え?Kちゃんじゃなくて京ちゃん?」 菫「何があった。そしてなんでそんな関係なんだ。彼にお礼をだな…」 照「菫」ゴッ 菫「!……なんだ?」 照「決勝に、どうしてもいかないといけなくなった」 淡「!……テルー、やる気になってる?」 菫「そうか。まあ、もとより優勝するために来てるしな」 照「それと……」 誠子「先輩?」 尭深「どうしたんですか?」 照「今、すっごく打ちたい気分だから、3軍でも2軍でも他の部内チームでもいいから、本気で打っていいかな?」ゴゴゴゴゴ 菫「……分かった」 菫(また気の毒なことをするな……Kちゃんよりか部員の安否を考えよう) この日、インターハイ抽選会場で、とある都市伝説が生まれた 曰く、Kちゃんは魔王を呼ぶ、と 少し、時間を遡る インターハイ、抽選会場 久「ふう、抽選時間に救われたわ。集合のアナウンスが無かったら危なかった」 洋榎「全くやな。あんなに集まったら迷惑っちゅうもんや」 久「……なんで自然に隣にいるのよ」 洋榎「つれないわー。高校同士の温かい交流やで?仲良くしようや」 久「あんな大勢に『聞きたいことがある』って迫れらた後に交流は難しいわね」 哩「そうやね。人間目的のために自分見失うこともあるってことね」 久「……頬を染めて一番自分見失ってたのは誰かしらね」 塞「さすがに今は聞かないから安心してね」 久「当然よ。あ、そろそろ抽選始まるわね」 哩「じゃ、決まったとこに行くか」 塞「私もね」 洋榎「そか、なら今やな」 久「……何?」 洋榎「身構えんでもええ。自分、Kちゃんぬいぐるみって知ってる?」 久「え?知ってるけど」 洋榎「それのモデルが自分の高校におるってみんな思っとるんや」 久「……あー、開会式の?」 洋榎「それや。で、みんなお近づきになりたいっちゅーことや」 久「それでか……」 洋榎「その反応……ほんまに自分とこにおるな?」 久「隠しても無駄ね。ええ、彼はうちの1年生の部員よ」 周り(!!) 洋榎「ほう……周りもみーんな聞いたみたいやで?ええんか?」 久「もういちいち聞かれるのが嫌なのよ」 久「ほら、あなたの番よ」 洋榎「おっと」 久「もうすぐ私かしらね」 久「まさか……姫松、永水がいるところとはね」 洋榎「ふっふっふ。残念やったなぁ」 久「まだよ。まだ諦めないわ」 洋榎「なんや?秘策でもあるんか?」 久「……彼本人を貸すというのはどう?」 洋榎「なん……やと……!?」 久「ふふふ。どう?」 洋榎「くっ、そうくるとは……あれ?Kちゃん違う?」 久「え?……ああ、彼ね」 洋榎「……隣にごっついのが見えるのは気のせいか?」 久「……さ、さあ?見間違いじゃない?」 洋榎「なんかチャンピオンと仲よさげなんやけど」 久「……そういえば咲連れてきたのも彼だったわね。なんか魔物を惹きつけるものでもあるのかしら?」 洋榎「Kちゃん魔物を呼ぶってか?無いわー」 久「あはは。あ、そろそろ終わりっぽいわね」 洋榎「せやなー。なかなか面白かったで。Kちゃんよりもあんたに会えたのが面白かったわ」 久「あら、ありがとう」 洋榎「また会いたいし、2回戦楽しみにしとるで」 久「お手柔らかにね」 洋榎「ただいまー!」 絹恵「あ、お姉ちゃん。なんか清澄の人と話してたみたいやけど」 洋榎「それや!ちょっとKちゃんの話仕入れてきたでー」 由子「それは聞きたいのよー」 末原「さすが主将」 洋榎「せやろー?でな、Kちゃんは…ん?」 咲「…………」ゴゴゴゴゴ 照「…………」ゴゴゴゴゴ 漫「……なんか、すごいのが通っていきましたね」 末原「あの2人は……どっちも魔王みたいに強いですね」 由子「確かKちゃんといた2人なのよー」 絹恵「お姉ちゃん?」 洋榎「……Kちゃんは、魔王を呼ぶんや」 この日より、むやみにKちゃんに近づくものは激減した そして、全国大会の抽選会は無事に終わったのだった 夜 咲「カン!カン!もいっこカン!!」 久「いやー、風越や龍門渕や鶴賀の人達がいて、ほんっと助かったわー」 まこ「……後ろの惨状から目をそらすな」 池田「か、華菜ちゃんはまだ諦めてないし……」 美穂子「華菜!!しっかりして!!」 一「ははは……今日って満月だったっけ?」 純「目開けろ国広君!衣はここに居ねぇから!!」 桃子「消えたいっす……完璧に消え去りたいっす……」 ゆみ「モモ!なんで消えたり現れたりしてるんだ!?」 優希「……今、清澄の生徒で良かったって心の底から思うじぇ」 和「……同感です」カタカタ 優希「のどちゃんネト麻か?」 和「いえ、今は色々見てるだけです。あら?この動画は…」 優希「お、ふくすこの動画だじぇ。最新版…さっき上がったみたいだな」 和「へぇ。見てみましょうか」カタカタ 和・優希「!?」 照「ツモ、4000オール」ギュルルルルルル 白糸台モブA「6連続……」 白糸台モブB「ははは……笑うしかない……」 白糸台モブC「私、帰ったらKちゃん(ぬいぐるみ)に告白するんだ……」 白糸台モブD「しっかりしろ!フラグは立てるな!!」 白糸台モブE「衛生兵!衛生兵を早く!!」 淡「テルー絶好調だね!」 菫「笑顔でなんてこと言うんだお前は」 誠子「……私、虎姫で良かった」 尭深「……私も」 菫「お前らな……部長の私の苦労も考えてくれ」 淡「えー?弱いから仕方ないじゃーん」 誠子「さっきの人、部内戦で2位のチームのエースだよね?」 尭深「インカレで頑張るって言ってたけど……牌持てるかな?」 菫「はあ……照、そこまでにしといたらどうだ?」 照「あと1局」 菫「これ以上被害者増やすな。おい、そっちは重症だ。しばらく麻雀から遠ざけておけ。そいつは軽傷だ、ドクターKちゃんでも持たせとけ」 尭深「自作したナース服Kちゃんを…」 菫「しまえ」 尭深「……ネットに上げてからしまっときます」カタカタ 誠子「あ、尭深。ちょっとふくすこの動画み見せてくれない?新しいの上がったらしいんだ」 淡「あ、私も見るー」 尭深「分かった」カタカタ 尭深・誠子・淡「!?」 恒子「ふくすこインハイムービー!特別編!!」 恒子「どうもこんばんわ!!福与恒子です!!」 健夜「あ、小鍛冶健夜です」 恒子「今日は、インハイ会場で会ったとある人物とそれをめぐる戦いについてです!!」 健夜「まだ戦ってないよ!?」 恒子「それでは、その動画をどうぞ!!」 恒子『おや少年。ん?君、今話題のKちゃんぬいぐるみに似てない?』 京太郎『いや、それは似てるも何も俺がモデルですから』 恒子『な、なんとー!私達は話題のKちゃんご本人に出会ってしまったぁー!!』 恒子『ご本人もなかなかのイケメンです!これは話を聞かないとアナウンサーじゃないですよね!!』 京太郎『……はい?』 恒子『で、君の名前は?』 京太郎『いや、撮影中でしょう?さすがにちょっと……』 恒子『ああ、失礼。じゃ、Kちゃんで』 京太郎『あ、はい』 恒子『おおーっと?向こうはアラフォーが女子高生をいじめている!これは行かねば!!』 京太郎『俺は!?』 恒子『何面白そうな話してるのすこやん!』 健夜『わっ』 恒子『ん?2人は……どっちが彼の彼女?』 咲・照『ち、違います!』 恒子『ということは……勝った方が彼を貰う的な?』 照『私は、白糸台は負けない』 咲『私も、清澄も負けないからね』 照『終わったら、聞かせてね?』 咲『じゃあ私は、付き合ってね?』 京太郎『俺は景品かよ』 恒子「と、言うことですね」 健夜「かなり編集されてるよね!?」 恒子「マスコミなんて、こんなもの。とチャンピオンはコメントを残されています」 健夜「いい意味じゃないよ!?」 恒子「チャンピオン、そして2連覇の白糸台の勝利宣言、これはアレですね」 恒子「優勝校、そして個人優勝者への景品がKちゃんご本人ということですね」 健夜「彼の意思はどうなってるの!?」 恒子「まー、こんなもの後ろに『!?』って付ければフィクションみたいなものですから」 健夜「全くこーこちゃんは。それに、白糸台が勝つのも、宮永照選手が勝つのも決まってないよ?」 恒子「おっと、さすがアラフォーは厳しい」 健夜「アラサーだよ!?何言わせるの!?」 健夜「ここはインターハイという場です。何が起こってもおかしくない」 健夜「それに彼女達は高校生。まだまだ可能性はいくらでもあるんですから、決めつけはよくないです」 恒子「つまり、どの高校も、誰でもKちゃんご本人をゲットするチャンスがあると」 健夜「台無しだよ!?」 恒子「ではインターハイの実況解説でまたお会いしましょう」 和「……これは」 優希「……いや、フィクションかもしれないじぇ?」 久「でも、あの咲の本気っぷりはね」 まこ「つーか止めんのか?」 咲「麻雀って楽しいよね?」 未春「あはは……華菜ちゃん、今そっちに行くね」 美穂子「吉留さん!!華菜はここにいるわ!!」 智紀「……ちょっと2次元に行ってくる」 純「智紀!!帰ってこい!!」 智美「ワハハ……これがステルスってやつか……」 ゆみ「蒲原!!そんな消え方するな!!」 久「全国……荒れなきゃいいけどね」 和「無理じゃないですか?誤解する人も増えますよ」 優希「なるようになるじぇ」 まこ「無事にやれればいいんじゃがな」 尭深「……つまり宮永先輩は」 誠子「いやいやいや、編集って言ってるし。それに景品がどうとか信じる訳が…」 淡「景品はKちゃん本人かー。インハイっていいね!」 尭深「……あったね」 誠子「……ははは」 菫「どの道優勝狙いだ。やることは変わらん」 誠子「先輩……」 菫「それに、もし本当だったら……」 尭深「しっかり狙ってるね」 誠子「駄目だこれ。早くなんとかしないと」 淡「あれ?テルーは?」 菫「さっき部屋に戻って行ったな。これで被害の拡大は防げる」 誠子「どこかの台風ですか」 尭深「インターハイ……無事に進めばいいんですが」 この動画はインターハイ参加校全てが見ることとなった そして、今回のインターハイは、参加選手が本気以上の力を見せることになった そのころの京太郎 京太郎「あ、もしもし」 京太郎「どうもハギヨシさん」 京太郎「ええ、こないだのタコスのレシピですが……」 京太郎「はい、それじゃまた」 京太郎「……ん?この番号は?」 京太郎「……照さん?はい、俺です」 京太郎「こうして話すのも照さんが東京に行く前以来ですね」 京太郎「ええ。長話も大丈夫です」 京太郎「はい。そういえばカピーがですね……」 電話中で動画に気付かなかったとか 前話 次話 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/3371.html
全国会場 京太郎「咲のやつったら相変わらずすぐ迷子になるんだからなぁ」キョロキョロ 菫「やれやれ、全くあいつと来たら……」キョロキョロ ドンッ 京菫「わっ!」ドサッ 京太郎「す、すみません!大丈夫ですか!」 菫「いや、私こそすまない……不注意だった」 京太郎「とにかく立ってください」スッ 菫「ん……ああ、すまない。ありがとう」グッ 京太郎「いえいえ。……あれ、その制服って……もしかして白糸台の方ですか?」 菫「いかにもそうだが……それが何か?」 京太郎「やっぱりそうでしたか。いや、知り合いの姉がそちらの麻雀部におりましてですね」 菫「はぁ……名前は?」 京太郎「宮永照さんです」 菫「へぇ、みや……なが!?」 菫「あいつ、やっぱりいたんじゃないか妹……」 京太郎「お友達なんですか?」 菫「お友達も何も、私の親友だよ照は」 菫「ああそうか、自己紹介していなかったな。私は弘世菫、白糸台の部長を務めさせてもらっている」 京太郎「部長!?そういえばどこかで見たことがあると思ったら……」 菫「そんなに畏まられても困るけどな。君は?」 京太郎「あ……はい。俺は長野が清澄高校の1年で須賀京太郎と言います」 京太郎「ところで、"やっぱり"というのは、妹の……咲の事を耳にした事はあるんですか?」 菫「一度だけだがな。なにぶんあいつ自身が過去の事を話したがらないから」 京太郎「そう……なんですか。……やっぱり、嫌ってらっしゃるんでしょうか?」 菫「照が、その咲ちゃんの事をか?……そんな風には見えなかったけどな」 京太郎「え?」 菫「確かにその話を聞いた事はそうないが、どちらかというとあいつの顔は憂えげというか、悲しみを押し殺したような表情だったと思う」 菫「だから、明確に嫌っているというような事は決してないと思う。私の見立てが正しければだがな」 京太郎「……いえ、信じますよ。あの『シャープシューター』の言う事でしたら」 菫「そ、そうか……改めて面と向かって言われるとこそばゆいな、その異名は」 京太郎「かっこいい二つ名だと思いますけどね。……あ、女の方にかっこいいなんて失礼ですよね」 菫「……気にしないでいい。言われ慣れてることだよ」フッ 京太郎「……」 菫「どうかしたか?」 京太郎「い、いえ!(かわいいです、なんて言ったら不審者極まりないよな)」 京太郎「それにしても、偶然とはいえ咲のお姉さんの事を知っている方と会えて嬉しいです」 菫「私も照の妹の話は興味深かったが……君の方は時間は大丈夫なのか」 京太郎「あ……えーと、咲のやつが迷子で探しに来てるところだったんですけど」 菫「……そういう所は姉妹そっくりなんだな」 京太郎「……というと、菫さんも照さんを探しに?」 菫「率直に言うとそう言う事だ」 京太郎「す、すいません!こんなに時間を取ってしまって」 菫「気にしなくていい。どの道ここで待つつもりだったんだ」 京太郎「ここでって、このメインホールでですか?」 菫「ああ。どうせその辺うろうろしているにしても、下手に探し回るよりも収束点で待ち受けた方が確実だろう」 京太郎「それはそうかもしれませんが」 菫「それに、どちらかというと私としてはそっちが方便だったからな。後輩達にも探してもらっているし」 京太郎「方便って……何か嫌な事でもあったんですか?」 菫「次に戦う事になるかもしれない君に言う事でもないだろうが……正直、落ち込んでいてな」 京太郎「……阿知賀の次峰の方に一杯食わされた事がですか?」 菫「ああ、あれはまさしく予想外だっ……なっ!?」 菫「なんで君がその事を!?」 京太郎「俺、試合なくて暇なんでせめて観るだけでもと思って観戦だけは欠かさず行ってるんですよ。それだけの事です」 菫「……なんでわざわざ私に確認を取るような事を」 京太郎「うち(清澄)が二匹目のドジョウを取れるとも思えませんしね。実際染谷先輩もそう踏んでいますし」 京太郎「だったら無駄に希望を持つような事は取っ払っておこうと思っただけです」 菫「……」 スタスタ 照「……菫」 菫「照!……やっぱりお菓子か」 照「うん。……そこの人は?」 京太郎「……初めまして、宮永さん。俺は、"咲"の友達です」 照「……!そう」 照「……それで?」 京太郎「咲と、話してやってくれませんか」 照「……」 京太郎「咲は、そのためにここまで来たんですから」 照「……」 菫「照……」 照「……どうして?」 京太郎「え?」 照「どうしてそうも会わせたがるの?」 京太郎「……菫さんから、少しだけ話を聞きました」 照「……!菫、おしゃべり」 菫「……すまない。言い訳はしない」 京太郎「それで……照さんがもし『咲にもう麻雀をさせたくなかった』という心づもりだったのなら、俺にも責任の一端はありますから」 照「……」 菫「照、私からも頼む」 照「菫……?」 菫「お前の心情の手前遠慮していたが、やはり話す機会があるのならどういう形にせよけじめはつけるべきだと思う」 京太郎「菫さん……」 照「……」 照「……わかった。でも、今は無理」 京太郎「と、言いますと」 照「咲が私に挑んでくるのなら、私情はなしで全力でぶつかりたい。その後でなら」 京太郎「つまり……個人戦の後、ってことですか?」 照「うん」 京太郎「あ……ありがとうございます!」ペコリ 菫「……よかったな、須賀君」 京太郎「菫さんこそ、ありがとうございます」ペコリ 菫「どういたしまして」ペコリ 照「……」 照「……なんか、仲いいね二人」 京太郎「え?」 菫「ん?」 照「……なんでもない。じゃ、咲に見つかる前に帰るね」 菫「そういうわけだ。……須賀君」 京太郎「はい?」 菫「染谷と言ったか。よろしく伝えておいてくれ」 京太郎「強いですよ、うちの副部長は」 菫「ふっ……上等だ」 京太郎「あっ、そうだ。菫さん」 菫「何だ?」クルッ 京太郎「俺は菫さんの事、かっこいいともかわいいとも思いますよ」 菫「か、かわ……はぁ!?」 京太郎「それじゃ!!」ダッ 菫「ちょ、待っ……!」 菫「……言い逃げとは、存外汚い男だな……須賀京太郎」 京太郎「はぁ、はぁ……つい言っちまったぜ」 京太郎「しかし咲の奴一体どこに……」 咲「は、話終わった?京ちゃん」 京太郎「なっ!?なんでそんな所に」 京太郎「すぐ近くにいたんなら顔見せれば良かったのに」 咲「だ、だってお姉ちゃんと誰かが一緒にいたんだもん……」 京太郎(いつまで経っても来ないと思ったら潜んでただけだったのか……って) 京太郎「咲、俺たちが何話してたか聞こえてたのか?」 咲「え?まさかそこまではわかんないよ。結構距離あるし」 京太郎「そ、そうか……じゃあ戻るか!」 咲「うん!」 咲(あのお姉ちゃんじゃない方の人……気をつけておかないと) カン
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/723.html
――実況席控え室―― 京太郎「んじゃ、ちょっと個人行って来ます。」 健夜「行ってらっしゃい、頑張ってきてね。」 京太郎「健夜さんもお仕事頑張ってくださいね。」 恒子「京太郎君、健闘を祈る!」 京太郎「いってきます。」 恒子「ねぇ、すこやん?」 健夜「ん、なにこーこちゃん?」 恒子「京太郎君って実際どのくらい強いの?」 健夜「んー、地力だけなら間違いなく男子ではトップクラスだと思うよ?」 恒子「へーそんなになんだ。」 健夜「ただ、勝負は時の運だからね、運が左右する麻雀なら尚更どうなるかわからないよ。」 健夜「それに今回京太郎君にとっては初めてのIHだから、例え優勝出来なかったとしても得られるものがあると思うんだ。」 恒子「ほうほう、すこやんの今の口ぶりだと京太郎君なら優勝出来るって思ってるね?」 健夜「まぁ、自慢の弟だから、ね。」 恒子「それって単なる親の欲目ってやつじゃないよね……」 健夜「ちゃんと先生としての評価だよー」 ――白糸台控え室―― 京太郎「おっと今日は男子の個人もやるんだっけか……」 京太郎「小鍛治の俺も出るみたいだからチェックしとくか。」 京太郎「今は男子個人を見てても大丈夫だよな。」 ―――――― ―――― ―― 菫「ん?もしかして男子の個人か?」 京太郎「あーはい、俺は出れなかったけどちょっと気になりまして。」 誠子「男子の方は日程が先行してるからなー。」 菫「…………」 菫「君ももしかしたら本戦に出れたのかもしれないのにな……」 尭深「地区予選決勝前にあんな事が起きなかったら……」 自由安価 京太郎(白糸台)が決勝に個人的な理由で出られなかった原因 ↓5 281 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage] 投稿日:2012/09/11(火) 18 40 04.91 ID QdXDxNHSo 誘拐された菫さんを助けに行ってた 安価:誘拐された菫さんを助けに行ってた ――西東京・男子個人地区予選決勝前―― 照「ついに決勝まで来たね、京ちゃん!」 菫「これで次を勝ち抜けば全国出場だな。」 京太郎「あ、あんまりプレッシャーかけないで下さいよ……」 菫「白糸台で男子全国はまだ出てないからな、いやでも期待してしまうよ。」 俺を応援しにきた二人だが、決勝前の緊張を解しにきたのかよくわからない部長はからかい気味に笑っていた。 菫「どれ、全国がかかってる後輩を労う為にもジュースを奢ってやろう。」 照「9本でいい。」 菫「9本もいらんだろ!そもそもお前には奢らん!」 照「えー」 京太郎「ははは、やっぱり二人は仲いいですね。」 京太郎「じゃあちょっと飲み物買ってきますね。」 照「あ、私も行く!」 菫「行ってしまった、あ、私が奢るはずだったのに!?」 菫「まったく、あいつらに付き合うと調子が狂わされるな……」 ――その数分後―― 男A「あの娘だな。」 男B「ああ、くれぐれも傷付けるなと旦那様からのお達しだ。」 男A「あなたが弘世菫さんですね?」 菫「?はい、そうですが?」 男A「失礼します。」バッ 菫「?むぐ……!」 男B「おい早くしろ!」 菫「んー!んー!」ジタバタ 男A「車に乗せてくれ!」 菫「んー!」ジタバタ 京太郎「部長ー?」 照「菫の奴、私たちに飲み物買いに行かせて自分は迷子か!」 京太郎「なぁ照ちゃんあれって?」ユビサシ 照「あれ菫じゃない?何遊んでるんだろ?」 京太郎「……?」 菫「!……んー!!んー!!」ジタバタジタバタ 京太郎「!」ダッ 照「あ、京ちゃん!?」 男A「乗せたぞ!車を出せ!」 男B「あいよ!」 京太郎「待て!」 ブオン、ブウウウン…… 京太郎「!……逃がすかよ!」バッ 気付いたら車に手を伸ばしていた、だが車に掴ったも虚しく、引き摺られ車が発進した2、3m先で落とされてゴロゴロと転がってしまった。 京太郎「ぐ、いってー!」 照「京ちゃん大丈夫!?」 京太郎「!……そうだ!照さん携帯電話ある!?」 照「あるけど……」 京太郎「以前照さんの迷子対策に買った携帯のGPSを使えば!」 照「無茶だよ!京ちゃん傷だらけだよ!?」 京太郎「無茶かどうかはやってみなきゃわからないだろ!」 京太郎「……」 京太郎「よし!繋がった!」 京太郎「今から部長を追ってくる!」 照「ちょ、ちょっと!?京ちゃん!?」 京太郎「すいません!自転車借ります!」 おじさん「え?え?あ、どうぞ……」 京太郎「ありがとうございます!」 男A「しかしいいんだろうか……こんな荒っぽい方法で……」 男B「仕方ないだろ、命令なんだから……」 菫「んー!んー!」 男A「出来れば大人しくしてて下さい……」 男B「……!あいつ追って来てるぞ!」 男A「なんだと!?振り切れ!」 男B「分かってるって!」 京太郎「くそ!スピードを上げやがった!」 京太郎「唸れ!俺の健脚!ここで魅せなきゃどこで魅せるって言うんだ!」 京太郎「うおおおおぉぉぉ」 男A「げぇ!?あのガキ追いついてきやがった!?」 男B「なんなんだよあいつ!?」 男A「振り切ってどっかに逃げ込め!」 男B「わ、わかった!」 京太郎「今度は曲がりやがった!」 京太郎「だがこっちも伊達に十年ここに住んでたわけじゃないんだよ!」 ――廃工場―― 男A「おい、追ってきたやつはいなくなったぞ!」 男B「振り切ったか……」 菫「んー!」 京太郎「GPSからみて、ここか、真正面からは得策じゃないな。」 京太郎「奇襲をかけて一人ずつ確実に倒していこう……」 奇襲コンマ安価 ↓3 00~20 失敗 21~99 成功 297 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[sage] 投稿日:2012/09/11(火) 21 03 59.32 ID BI7duYdbo とう カラン 男A「おい、今の音……」 男B「ま、まさか……」 男A「ちょっと見てくる……」 男B「お、おう、気をつけろよ。」 タッタッタ…… …… ウワー! 男B「お、おい!?大丈夫か!?」 京太郎「大丈夫だぜ?たんこぶは出来てるかもしれないが。」 男B「な、なんでお前が!?」 ヒーロー 京太郎「女の子を救いにくるのは英雄の役目だからな。」 京太郎「さぁ返してもらうぜ、"うちの部長”を。」 男B「くそ!やられてたまるか!」 戦闘コンマ ↓3 00~29 成功 30~99 失敗 304 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(西日本)[sage] 投稿日:2012/09/11(火) 21 14 20.67 ID 2tsuRqI1o こうか? 残念!失敗だ! すまん、別に一回でどうこうなるわけじゃないんだ…… ただ京太郎の怪我の具合が変わるだけで…… 男B「おら!」 京太郎「ぐ!?」 男B「さっきまでの威勢はどうした!?」 菫「んー!んー!(やめてくれ!やめてくれ!)」 京太郎「はぁはぁ……」ユラリ 男B「まだ立ち上がるかこいつ……」 京太郎(くそ、一気に倒せたらいいんだが……) 菫「んー!(もうやめてくれ!須賀!これ以上怪我したら……)」 京太郎「どうした?俺はまだやれるぜ?」 男B「さっさと倒れろこのガキ!」 戦闘コンマ 00~49 失敗 50~99 成功 ↓3 315 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2012/09/11(火) 21 28 12.39 ID TAaXrvVlo とう 男B「さっさと!倒れろよ!この!」ガッガッガッ 京太郎「う!?がは!ぐわ!?」 菫「ウッ……ヒッグ……(もう立たないでくれ……須賀……私なんかのために傷つかないでくれ……) 男B「はぁはぁ……これで……どうだ……」 京太郎「まだだ、まだ俺は立てるぜ……」 男B「なんだよこいつ……なんなんだよこいつー!」 戦闘コンマ 00~49 失敗 50~99 成功 ↓3 323 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2012/09/11(火) 21 39 07.53 ID TAaXrvVlo ほい 京太郎(これ以上貰ったら体が持ちそうに無い……) 京太郎「一気に決めさせてもらうぞ!」 男B「てめえを潰して、俺は勝つ!」 京太郎・B「うおおおおぉぉぉ!」 男B「うらぁ!」ブンッ 京太郎「ぐっ!」 京太郎「まだだ!」 男B「こいつ受けるのを覚悟の上で……!」 京太郎「せい!はっ!」 男B「がっ!ぐは!」 京太郎「これを食らえ!!」 京太郎「一子相伝の技を見よ!」ゴッ 京太郎「斬!」ガッ 男B「あぐ!?」 京太郎「空!!」ダンッ 男B「がは!?」 天翔剣!! 男B「こんな、こんなガキに……」バッターン ヒーロー 京太郎「俺は、俺は誰かの笑顔を守れる英雄になりたいんだ……」 京太郎「大丈夫ですか、部長?」 菫「……君はばかか?大丈夫じゃないのは君の方だろう!」 菫「こんなに傷だらけになって!こんなに殴られて!」 菫「その上決勝まで放り投げて……」ポロポロ 京太郎「いいじゃないですか……」 京太郎「部長が無事だったんです、俺にはこれ以上望むなんて贅沢は出来ません。」 菫「君は、本当に、ばかだな……」ポロポロ 菫「最高の大馬鹿者だ……」 京太郎「その大馬鹿者は人の笑顔が大好きなんです。」 京太郎「だから、笑ってください、部長。」 菫「うん、ただし、戻ったら説教してやるからな?」 そういって部長は涙を零しながら笑顔を見せてくれた。 ――現在・白糸台控え室―― 照「結局あのあと京ちゃんが入院したし……」 照「心臓が止まるかと思ったよ……」 京太郎「あ、あはは……」 菫「君には本当に悪い事をしたな……」 京太郎「気にしないで下さい。」 京太郎「俺は決勝より大事なものを選んだだけです。」 京太郎「その選択自体に後悔はありませんよ。」 京太郎「まぁその後入院中の特典でお返ししてもらいましたし?」 淡「え、なになに?何があったの?」ワクワク 照「あ、そうそう菫がねーナース服を着て――」 菫「照!それ以上お前は喋るな!」 照「えー、菫あの姿にあってたのにー」ブー 菫「…………」プルプル 尭深「それは詳しく、聞きたいですね……」 誠子「たしかに……」 菫「お前らー!いい加減にしろー!」 淡「きゃースミレが怒ったー!」 ――宮守控え室―― 塞「それじゃ行って来ますね。」 シロ「ダル……いけど、がんばる……」 豊音「緊張するよー……」 胡桃「大会でマナー悪い人とかいないよね?」 エイスリン「キョータロー、オウエンシテネ?」 京太郎「頑張ってきてください!」 トシ「無茶しないようにね。」 みんなを見送ったあと、俺は残ったとトシさんに振り向く。 トシ「で、京太郎、話はなんだい?」 京太郎「よく分かりましたね。」 トシ「そろそろ付き合いも長いからねぇ。」 京太郎「お見通しってことですか……」 京太郎「……今日飲み物を買いに行った時に……自分と会いました。」 トシ「……そうかい。」 京太郎「……あまり驚かないんですね。」 トシ「この年にもなると多少の事では驚かなくなるんだよ。」 京太郎「生まれは同じでしたが、途中で選んだものが違うようでした。」 トシ「ほう。」 トシ「でもそうか……そういうことだったんだね。」 京太郎「?」 トシさんは少し考えたあと何か合点がいったように言葉を漏らした。 トシ「いや、なに、あんたと初めて会ったときのことを思い出してね。」 トシ「まさか文字通り『割けている』とはね。」 『割けている』とはどういうことだろう…… 疑問が浮かぶが恐らく"俺たち"に関連することなのは想像に難くない。 トシさんがモニターを指して聞いてきた。 ちょうど男子個人が始まったようだ。 トシ「この小鍛治京太郎ってのがそうなのかい?」 京太郎「ええ、会った中での一人ですが……」 トシ「……会ったのは一人じゃないのかい?」 少しトシさんの目つきがきつくなった気がした。 そんな微かな変化に戸惑いながら答える。 京太郎「あー、はい、3人の俺と会いました。」 トシ「他には誰かいなかったかい?」 京太郎「えーと、シロさんぐらいですかね。」 トシ「そうかい……」 トシさんは何か思い悩んだ表情を浮かべながら溜め息を吐いていた。 京太郎「あの、トシさん?」 トシ「ああ、ちょっと考え事をしてたんだよ。」 トシ「この話を知ってるのは宮守の中ではシロだけなんだね?」 京太郎「はい、そうです。」 トシ「シロは先鋒だから他の子より早く戻ってくるだろう、その時また話を聞かせてもらおうかねぇ。」 京太郎「シロさんが何か関係してるんですか?」 トシ「いや、ただ単に他の京太郎達を直に会ったシロの感想を聞きたくてね。」 京太郎「はぁ……?」 トシ「それより、京太郎、あんたやっぱり男子個人に出たかったかい?」 京太郎「そりゃ出たかったですけど、あれは仕方ないですよ。」 トシ「まさか地区予選当日、雪で家から出られなくなるとはねぇ。」 京太郎「そうそう、みんなが来てくれて雪かきしてくれたんですよね。」 京太郎「女子の方は元々別の日でよかったですよ、まったく。」 ―――――― ―――― ―― シロ「ただいま……」 京太郎「お疲れ様です、シロさん。」 トシ「ご苦労様、シロ。」 シロ「先鋒ってダルいな……」 トシ「戻ってきて早々悪いけど、他の京太郎について聞かせてもらいたいの。」 トシ「出来ればエイスリンが戻ってくる前に、ね。」 シロ「……わかりました。」 シロ「それで、何について?」 トシ「他の京太郎達にあった時の印象を聞きたいねぇ。」 シロ「うーん……」 トシ「あんたの直感でいいよ。」 シロ「……迷ってる?」 京太郎「?」 シロ「というより、迷った末に選んだ結果の京太郎……かな。」 トシ「そうかい……」 トシ「ありがとうね、シロ。」 京太郎「今ので何かわかったんですか?」 トシ「ああ、ちょっと確認を取りたかっただけだよ。」 トシ(深刻な事態にならなければいいんだけどねぇ……) ――清澄控え室―― 和「ほら行きますよ、優希。」 優希「犬!私がいないからって寂しがるんじゃないんだじぇ!」 京太郎「ないから、さっさと行って来いタコス。」 咲「じゃあ行ってくるね、京ちゃん。」 京太郎「おう、頑張って来いよ、咲。」 京太郎「さて、俺に出来る事をやりますか。」 ――選手控え室―― 咲「まさかこうして全国まで来ちゃうなんてね。」 和「でも咲さんがこうして再び麻雀をするようになったのって須賀君のおかげなんですよね。」 咲「そうそう、京ちゃんが私を無理やり麻雀部に引っ張ってこなかったら今頃……」 咲「……あれ?」 和「?」 ――自分で言っていて一つの疑念が〔生まれてしまった〕 あのとき京ちゃんが私を麻雀部に誘ったから今私はここにいる。 でもそれは食堂で京ちゃんがたまたま麻雀のゲームをやってたのが発端だ。 そう、京ちゃんが食堂で、 "たまたま"私の隣で麻雀ゲームをやりだし、 "たまたま"私に麻雀の事を聞き、 "たまたま"私の反応に見て、 "たまたま"私を半ば強制的に麻雀部に誘った。 こんな偶然があるんだろうか…… 勘繰りたく無いのに、勘繰ってしまいたくないのに、一度走り出した思考が止まらない。 そんな思考の迷路に迷いそうな時、私に掛けられた声で現実に引き戻された。 和「…き…さん、咲さん?咲さん!」 咲「ふぇ?」 和「もう、どうしたんですか?いきなりぼーっとしちゃって……」 咲「あ、ごめんね……」 和「これから試合が始まるんですからしっかりしてくださいね?」 咲「あはは、そうだね。」 咲(そうだ、今は目の前の事に集中しないと……) 咲「……」 和「私達まで出番が回ってきませんでしたね……」 咲「うん、ちょっと残念かな?」 和「戻りましょうか?咲さん。」 咲(後で京ちゃんに聞くべき……なのかな……) ――清澄控え室―― 優希「戻ったじぇ~寂しくて泣いてなかったか、犬~?」 京太郎「寂しくねっつーの。」 まこ「戻って来て早々騒がしい連中じゃのう……」 久「須賀君お使い頼めるかしら?」 京太郎「分かりました。」 優希「ついでにタコスも頼むじぇ~」 京太郎「あいよ~」 久「私たちは先にホテルに戻ってるわね。」 咲「あ、京ちゃん!」 咲(どうしよう……ちゃんと京ちゃんに聞いてみるべきかな……) 京太郎「お、咲、ついでに何か買ってくるか?」 咲「え、えーと特には無いかな?」 京太郎「そうか、なら買出しに行ってくるわ。」 咲「あ、うん、いってらっしゃい。」 咲「……あ。」 咲(結局聞きそびれちゃったな……) ―――――― ―――― ―― 京太郎(清澄)「お?」 京太郎(白糸台)「ん?」 京太郎(清澄)「白糸台の俺か。」 京太郎(白糸台)「やっぱり何か妙な気分だな、自分と話すなんて。」 京太郎(清澄)「確かに、でもちょうど良かった、お前に話しがあったんだよ。」 京太郎(白糸台)「そいつは奇遇だな、俺もだよ。」 京太郎(清澄)「ここじゃ何だし、別のとこで話そうぜ?」 ―― 京太郎(清澄)「で、だ、話っていうのは「宮永咲」」 京太郎(白糸台)「の、ことだろ?」 京太郎(白糸台)「俺も宮永照に関して話しておきたくてな。」 京太郎(白糸台)「お前も知っての通り、今宮永姉妹は絶縁状態だ。」 京太郎(清澄)「で、二人の間を取り持ちたいと。」 京太郎(白糸台)「話が早くて助かる。」 京太郎(清澄)「でも、うちの咲は普通に姉と仲直りしたがってたぜ?」 京太郎(清澄)「そりゃ簡単に取り戻せる月日ではないけど、仲直りなら出来るんじゃないか?」 京太郎(白糸台)「照ちゃんも仲直りしたいとは思っているだろうけど、素直じゃないところとかあるからな……」 京太郎(白糸台)「実際に妹と会ったとしても上手く行かないかも知れないな。」 京太郎(清澄)「はぁ、何で俺らの姫様達はこうも手が掛かるんでしょう……」 京太郎(白糸台)「まったくだ。」 京太郎(白糸台)「……なぁ、清澄の俺。」 京太郎(清澄)「ん?なんだ?」 京太郎(白糸台)「お前はお姫様達の為に道化を演じる覚悟はあるか?」 京太郎(清澄)「……もう既になってるし、そしてこれからもなってやるよ。」 京太郎(白糸台)「そうか、分かりきってた事だったな。」 京太郎(清澄)「ああ、お姫様達の為なら幾らでも踊ってやるよ、それが例え、運命の悪戯という名の掌の上だとしてもな。」 京太郎(白糸台)「……成るほど、それなら――」 京太郎(白糸台)「俺も踊るか、その掌の上とやらを。」 ――ホテル―― 京太郎(確か部屋はここだったな。) コンコン ガチャ 菫「ん?何だ須賀か、どうしたんだ?」 京太郎「ちょっと個人的にお話がある人がいまして。」 照「あ、京ちゃん!」 菫「今ミーティング中なんだが……」 京太郎「照ちゃんを借りていいですか?」 照「……!」 菫「まぁ、構わんが手短にしてくれよ?」 照「……行くよ。」 ――数分後―― 京太郎(白糸台)「今ここに俺が来なかったか!?」 淡「え、あんた、テルと一緒に出て行ったじゃん。」 京太郎(白糸台)「バカ野郎!そいつがルパンだ、俺に化けて潜り込んだんだ!」 菫「何を言ってるんだ君は……」 京太郎(白糸台)「いやちょっとノリで。」 京太郎(白糸台)「まぁ、機会があればその内わかるでしょうし。」 菫「どういうことだ……?」 京太郎「……ここならいいか。」 照「…………」 京太郎「で、照ちゃん――」 照「やめて。」 京太郎「……どうしたんだ?」 照「京ちゃんと同じ顔した奴が、私の名前を気安く呼ばないで。」 京太郎(?)「よくわかりましたね。」 照「京ちゃんは皆の前では私を"ちゃん"付けで呼ばない。」 照「だから不審に思い、照魔鏡であなたを見て"偽者"だと気付いた。」 京太郎(?)「成るほど。」 照「それで、偽者が何の用事?」 京太郎(?)「一応俺も本物なんだけど……まぁいいや。」 京太郎(?)「単刀直入に言います。」 京太郎(?)「咲と仲直りしてください。」 照「…………そうか、あなたは咲の……」 照「だが、すまない……今は……まだ、出来ない……」 京太郎(清澄)「そんな!あんたら姉妹なんだろう!?だったら――」 照「ただ!……ただ一言、あなたが咲に言伝を頼まれてくれるとしたら……」 照「『――――――――――』とだけ咲に伝えて……」 照「それじゃあ、私はこれで……」 京太郎(清澄)「…………」 京太郎(白糸台)「あ、お~い、照さーん。」 照「本物の京ちゃんだ!」 京太郎(白糸台)「まるで偽者が現れたみたいな口ぶりですなー。」 照「もしかして京ちゃんは知ってたの?」ジトー 京太郎(白糸台)「さー?何の事でしょうか?」ニヤニヤ 京太郎(白糸台)「……それで、妹さんと仲直り出来そう?」 照「うぅ……」 京太郎(白糸台)「照さんは素直じゃないからなー。」 照「ふーんだ!」ツーン 京太郎(白糸台)「そんな顔しなさんな。」ナデナデ 照「ひゅうん!?」ボンッ 京太郎(白糸台)「あはは、やっぱ照さんはからかい甲斐があるなー。」ニヤニヤ 照「もー!」プンスカ ―――――― ―――― ―― 俺は宮永照と別れた後、自分のホテルの部屋までの道をトボトボと歩いていた。 なんとか咲の姉に接触出来たものの、すんなり仲直りとは行かなかった。 そして、今、新たな問題に直面している。 咲の姉の伝言についてだが、伝言を伝えるという事は『咲に内緒で宮永照と会っていた』ということを説明しないといけない。 なので、咲にどう伝えるか悩んでいた。 そうこう考えているうちに、俺の目に見慣れた横顔が写った。 京太郎「咲……?」 咲「あ、京ちゃん。」 京太郎「どうしたんだ、咲?」 咲(やっぱり、あのこと聞いた方がいいよね……) 咲「ねぇ京ちゃん……聞きたい事があるんだけど……」 京太郎「何だよ咲、急に改まって?」 咲「京ちゃんが私を麻雀部に誘った理由って何?」 京太郎「!」 ついに、気付かれてしまった、避けては通れない問題にぶつかってしまった。 それは俺の入部した起因にもなること。 最早逃げられない詰問、ましてや本人を前にして誤魔化してはいけない問題。 年貢の納め時というのだろうか、そういうときは必ず来るものだとわかっていたのに。 俺は観念して、口を開いた。 京太郎「なぁ、咲……俺が麻雀部に入った理由を知ってるか?」 咲「……さっき、部長にちょっとだけ聞いた、私に麻雀をもう一度やらせようと思ったんだよね?」 京太郎「そうか……なら、そうしようと思った理由の話をするか。」 京太郎「中学の時、お前が麻雀の中継を見て苦い顔してたのを俺は見たんだ。」 京太郎「お前は直ぐに違うチャンネルに変えて誤魔化していたけどさ。」 京太郎「それで、姉と喧嘩して離れ離れになったって話を思い出したから、何か関係があるんだと思ってな。」 京太郎「勿論それだけじゃ確信は持てなかったから、咲の親父さんにそれとなく聞いてみたんだ。」 京太郎「そうしたら咲の親父さん、話してくれたんだ……咲のお姉さんのこと、麻雀の事。」 京太郎「そして、咲の親父さんが最後に申し訳なさそうな顔して『娘の事をよろしく頼む』って言ってきたんだ……」 京太郎「その時から、高校に入ったら麻雀部に入り、咲を誘ってもう一度打ってもらおうって……」 咲「そう……だったんだ。」 京太郎「それでな、咲……」 京太郎「そしてさっき、お前のお姉さんに会ってきたよ。」 咲「!……それで?」 京太郎「今はまだ会っても話せないみたいだったよ……」 咲「…………」 京太郎「ただ、お姉さんから咲宛に伝言を頼まれた。」 京太郎「『必ず決勝まで上がって来い。』だってさ。」 咲「……うん、わかった。」 咲「ありがとうね、京ちゃん。」 京太郎「気にすんな、咲がお姉さんと仲直りできるかどうかはお前にかかってるんだぜー?」 咲「もープレッシャーかけないでよ、京ちゃん。」 咲「それに感謝してるのは確かなんだから。」 咲「あ、でも……」 京太郎「ん?」 咲「もしかして、私のお父さんや部長はこうなる事がわかってて京ちゃんを促がしたんじゃないかなーと思って……」 京太郎「かぁ~、もしかして俺って掌の上で踊らされてたのかよー!?」 京太郎「まぁいいか、最後まで咲の為に踊ってやるよ。」 咲「うふふ、ねぇ京ちゃん、どうせ踊るなら"一人"より"二人"の方が楽しくない?」 京太郎「ふんふむ……」 少し考えてから俺は片膝をつき、御辞儀をしながらレディをダンスに誘う。 京太郎「それでは私と一曲踊って頂けませんか?」 咲「喜んでお引き受け致します。」 スカートをつまんで御辞儀してきた相手に、俺はスッと手を差し伸べた。 京太郎「さぁ、お手をどうぞお姫様。」 咲「うふふ、ダンスのエスコートはお任せしますね?王子様。」 京太郎「ははは、王子様って柄じゃないけどな。」 ――IH・二日目―― ――清澄控え室―― 咲「じゃあ京ちゃん、行ってくるね。」 京太郎「おう、負けんなよ?」 咲「負けないよ……勝って、お姉ちゃんに会うんだもん。」 優希「なんか咲ちゃんと京太郎の雰囲気が違うんだじぇ……」 和「ほら、行きますよ、優希。」 ――白糸台控え室―― 京太郎「頑張ってきてください、先輩方。」 照「京ちゃんにいいとこ見せるために私がんばるよ!」フンス 菫「……暴走しないようなるべく照の手綱を握るよう努力する……」 京太郎「心中お察しします……」 菫「……うむ……では、行くか。」 ――宮守控え室―― 塞「次の相手は、永水女子、清澄、姫松ですか……」 シロ「ダルい、けど行って来る……」 豊音「みんなで頑張るよー」 京太郎「皆さん、いってらっしゃい、頑張って来て下さいねー。」 京太郎(清澄……別の俺がいる高校か……) 京太郎(あ、そういえば小鍛治の俺は男子個人でるんだっけか。) ――男子個人・準決勝―― 京太郎(小鍛治)「さて、これに勝ったら次は決勝か。」 モブA「気が早いですね、まだ勝てると決まってないのに……」 モブB「余裕でいられるのも今のうちだぜ。」 モブC「ぼっこぼこにしてやるぜ~。」 京太郎(小鍛治)(ダメだ、こいつら……覇気がまるで感じられない……) ――宮守控え室―― モニター越しに先輩たちの闘牌を見ていた、あの人たちの最後のインターハイ、結果は4位…… あの人たちをどう慰めればいいか考えていたが、上手く言葉が見つからない。 掛ける言葉を探していたら、扉が開き、一際目立つ大きな体を有する彼女が、悔し涙を流しながら俺を目掛けて飛び込んできた。 豊音「うわーん!京太郎君、負けちゃったよー、ちょー悔しいよー!」エグエグ トシ「おやおや、まるで大きな子供だねぇ……」 胡桃「あー、須賀君取られちゃったねー、シロ。」 シロ「なんで私に振るんだ……」 エイスリン「シカタナイ、シロト、イッショニナク。」 胡桃「そうだね、シロの胸を借りようか。」 シロ「なぜ、私のを借りるんだ……」 京太郎「えーっと……」 トシ「いいからそのまま貸しててあげなさい、男の胸の使い道なんてこんな時くらいしかないんだから。」 塞「…………」 塞(本当は私も京太郎君の胸で泣きたいんだけどな……) トシ「塞、京太郎の代わりにはならないけど私の懐なら空いてるよ?」 塞「熊倉先生……」 シロ(流石の私だって泣きたいんだが……) シロ(私は誰から借りればいいんだ……) シロ(……誰かさんから、あとで背中でも借りるかな。) 京太郎(?) 何故かシロさんがこっちを見てた気がした。 ―――――― ―――― ―― トシ「少しは落ち着いたかい?」 豊音「……はい。」 京太郎(豊音さんの涙で俺の制服べっちょべちょですがね……) トシ「ならこの後しばらくは東京観光にしようかねぇ。」 宮守s「「「「「?」」」」」 トシ「あんたたち3年生は今年が高校生活最後だし、ここで出合った他校の生徒とも関わりを持ってたいだろう?」 トシ「だからせめて、大会が終わるまではこっちを楽しもうじゃないか。」 胡桃「よーし、そうと決まれば東京観光ですね!」 豊音「色んなところを廻りたいよー」 シロ「動き回るのダルい……」 エイスリン「サイゴ、ミンナトイッパイオモイデツクル!」 シロ「京太郎、おんぶ……」 京太郎「はいはい……よいしょっと。」 シロ「あと喉が渇いた……」 京太郎「ちょっと自販機によりますか。」 トシ「ふふふ……あんたたちはしばらく寄り道してていいよ。」 シロ「!…………」 京太郎「?」 シロ「行こう……」 部屋を出て、少し歩いたらシロさんが俺の背中に顔をこすり付けて来た。 ちょっぴりシロさんの顔が赤らんでいた気がする。 シロ「ゴメン、ちょっとだけこのままでいさせて……」 京太郎「俺の背中で良ければいくらでも貸しますよ。」 シロ「ん、ありがと……」 シロさんはそれだけ言って、俺の体をぎゅっと掴み、こっそり俺の背中を涙で濡らしていた。 シロ「ん、もう大丈夫。」 京太郎「そうですか、どうでしたか俺の背中は?」 シロ「結構よかった。」 そう言ったシロさんは、恥ずかしかったのか、顔を赤くしてそっぽを向いてしまった。 シロ「……ねぇ京太郎、辛くなったらまた背中、貸して……」 京太郎「泣きたい時はいつでもどうぞ。」 インターハイ二回戦が終わった後、気になる殿方を見つけた。 それはどこか懐かしい感じがして、でもその人と会った記憶はない。 それでも気になってしまうもので、つい声を掛けてしまう。 小蒔「あの、どこかでお会いしたことはありませんでしたか?」 京太郎「え?……いや、俺"は"貴女と会った事ないと思いますよ?」 小蒔「いえ、すみません、何故か知っている方の様な気がして……」 京太郎「……世の中、似たような顔は3人はいるって言いますからね。」 小蒔「貴方を見かけた時にどこか懐かしい気がして……」 小蒔「気が付いたらお声を掛けてしまいました。」 京太郎「あはは、あなたのような綺麗な方に声を掛けられた俺はとても果報者ですね。」 小蒔「うふふ、お世辞がお上手ですね。」 京太郎「いえいえ本心から言ったまでですよ。」 どこか懐かしい彼と話していると、何故か切なくなる。 もう会えない人と会ってるみたいで…… 感傷に浸っていながら彼と話をしていると声をかけられる。 「姫様、何所に行ってらしたんですか?」 「あ、霞ちゃん。」 霞「それと、こちらの殿方は……?」 小蒔「あ、えっと……」 京太郎「あ、まだ自己紹介してなかったですね。」 京太郎「俺の名前は須賀京太郎です。」 小蒔「あ、私も自己紹介してませんでしたね。」 京太郎「確か神代小蒔さん、ですよね?」 京太郎「で、そちらのすばらしいものをおもちの方は石戸霞さん、で合ってましたか?」 小蒔「あ、はい、でもどうしてそれを……」 京太郎「女子団体の中継見てましたから。」 小蒔「成るほど……そうでしたか。」 霞「それで、姫様はどうしてこの殿方と話していらっしゃたんですか?」 小蒔「その、それは……」 なんとも説明し難い話だ。 彼を見かけて、懐かしい感じがしたから声を掛けたと正直に言ったら、ただナンパ目的に声でも掛けたように思われてしまうのも癪なのだ。 しかも霞ちゃんはこういう話に耳聡いので、ことあるごとにこの事を言ってくるだろう。 どうしたものかと返答に困っていた私に助け舟を出そうとしたのか彼が口を開く。 京太郎「あはは、素敵な女性がいたので俺がつい声を掛けてしまったんです。」 霞「ふんふむ……つまりナンパというやつですね!」 京太郎「あれ?何でこんなに食い付くんですか!?」 小蒔「あの、お恥ずかしい話、私たちは外には滅多に出れませんので、こういう話はめずらしいのです。」 京太郎「そうなんですか。」 京太郎「……そうだ、折角なのでどこかに行きませんか?」 小蒔「え?」 京太郎「いや、滅多に外へは出れないって言ってたので、もしよかったら俺とどこかを回らないかなと。」 霞「…………」ジー 京太郎「永水のみなさんも良かったらご一緒にいかがですか?……勿論、俺でよければですが。」 小蒔「みんなに聞きに行って来ます!」ダッ 霞「あらあら、姫様ったら……」 京太郎「あんなに急いでこけないですかね……」 霞「……大丈夫だと思うわ、多分。」 京太郎「随分、あやふやですね。」 霞「あら、あなたに言われるとは思いませんでした。」 京太郎「……どういう意味ですか?」 霞「いえ、深い意味はありませんよ。」 みんなの了解を取り、再び彼の元に足を運び、みんなで遊びに行く。 彼もここが地元と言う訳でもないらしく、近場のゲームセンターとやらお土産屋等を回ったが中々に楽しかった。 彼と行動を共にしている中で気付いたことがある。 やはり彼とはどこかで出会っている、それも私の実家ないしは本殿で。 何か思い出しそうになっていた私に霞ちゃんが声を掛けてきた。 霞「姫様?」 小蒔「あ、霞ちゃん、どうしたの?」 霞「いえ、どうも姫様の様子がおかしかったので。」 小蒔「大したことではないんですけど……」 小蒔「彼とはやはり以前会った気がするんです。」 霞「…………気のせいではないですか?」 小蒔「そうなのかも、須賀君も私とは初対面だって言ってたし。」 私はそう言ってみたものの気になる物だ、まるで胸に何か痞えてるような、そんなすっきりしない引っ掛かりがある。 それに、他のみんなはどうか分からないが、彼と遊んでる途中、少なくても霞ちゃんは何かに気付いていたようだった。 きっと彼には何かあるのだと思いながらも、誰かに聞くことも出来ず、ただただ溜飲が下がらぬ思いを続ける。 ―霞視点― 最初、彼を見たとき姫様にナンパ男程度に思っていた。 だがなにか既視感があった、そしてそれは彼と二人で話しているときに彼の状態をみて、不審に思い彼を間近に見てみた。 印象としては『実体がある亡霊』といったところか…… そんなおかしな彼と我々が共に行動し始めてから、それは徐々に確信に向かっていった。 姫様が以前に会った事がある言っていたが、それは合っているが外れでもあるのだろう。 昔、まだ姫様が神を降ろす前、本家に拾われ子の男児がいたのだが、とある時期を境にいなくなった。 男児は七歳くらい、姫様は九歳になる前くらいだったか…… ともかくそのくらいの時期に男児はいなくなり、姫様は九面を降ろすことに成功したと聞いた。 いなくなった男児の事を親に聞いたことがあったが親はただ、「少年は病弱で亡くなった」と言っていた。 そして姫様が小さい頃、神を降ろす時に彼に似たものを私は見た気がする。 男児に似たものを見た後、それを訊ねたら「あの子が神を降ろすのを手伝っている」と言っていた。 姫様はきっと気付かないだろう、なにせ、神を降ろす時は姫様は寝ているのだ。 男児が亡くなった理由が分かった気がした、あの子は『神様に気に入られてしまったのだ』と。 ときたま今でも見かけるあの子はやはり彼に似ている気がする。 でも姫様は気付かないままなのだろう、今も、そしてこれからも…… シロ「……ねぇ京太郎、辛くなったらまた背中、貸して……」 京太郎「泣きたい時はいつでもどうぞ。」 「あれ、京太郎君?」 シロさんを背負ったまま歩いていると不意に声を掛けられた。 俺には面識のない声の主は、俺を怪訝な表情で見ている。 声を掛けられたが、掛けた張本人は何故か狼狽しており。 俺は俺で知らない人に名前を呼ばれ、事態を飲み込めずにいた。 「あの、京太郎君だよね……?」 シロ「多分、あなたの知っている京太郎では無いですよ。」 「え?あ、え?」 ああ、この人は間違いなく別の俺の知り合いだ。 同じ体格、同じ声、同じ顔、ほぼ同じなのだから、初見で人違いならぬ、京太郎違いをするのは仕方ない事だ。 この状況を説明するのも面倒くさいのでこの人の知り合いで事情を知る誰かを寄こして欲しい。 まぁ、それに該当する者なんて一人しか知らないのだが…… 京太郎「本人が来れば手っ取り早く説明できると思うんですけどねぇ。」 目の前の女性はやたらとオロオロとしている。 多分今の雰囲気は「知り合いだと思って声を掛けたら別人でしたー」という何とも言えないあの空気。 誰かこの状況を何とかしてくれと願っていたところ、俺たちの後ろの方から助っ人が現れた。 「健夜さん落ち着いてください。」 健夜「え?あ、え?え!?」 京太郎(宮守)「よお小鍛治、いいタイミングだな。」 京太郎(小鍛治)「こんにちは宮守のとシロさん。」 シロ「昨日ぶり?」 京太郎(小鍛治)「さっき試合終わらせてきたんだよ。」 健夜「!!???」 京太郎(宮守)「とりあえずこの人に説明した方が良いじゃないか?」 シロ「私は小瀬川です……」 健夜「あ、ご丁寧にどうも。」 京太郎(小鍛治)「この人は前に話した俺の先生でもあり、義姉さん。」 健夜「小鍛治健夜です。」 健夜「って、そうじゃなくてどういうこと!?」 京太郎(小鍛治)「分かれちゃった俺みたいな物ですかね?」 京太郎(宮守)「大体そんな感じだけどわからんだろ、それじゃ。」 京太郎(小鍛治)「健夜さん落ち着いて聞いて下さい、実は俺、分身の術が使えるんです!」 健夜「えー!?」 京太郎(宮守)「そんな説明でいいのか……」 京太郎(小鍛治)「少しは納得できましたか?」 健夜「え?あ、うん?」 シロ「あれは解ってない顔……」 京太郎(宮守)「仕方ないですよ、シロさん。」 京太郎(宮守)「同じ顔が二つあるんです、いきなり『落ちつけ』『(状況を)飲み込め』って方が無理だと思います。」 シロ「それもそうか……」 京太郎(小鍛治)「あ、そうそう健夜さん。」 京太郎(小鍛治)「決勝で勝ってきて、今のところ総合得点数も暫定トップです。」 健夜「え!そうなんだ、良かった~。」 若干無理やり話を持っていった感があるけど、その内ちゃんと説明をするのだろうと思った。 小鍛治姉弟に軽く挨拶をすませて、戻ろうとしたら、その場にいたもう一人の俺が意地悪そうな顔で小声で言った。 京太郎(小鍛治)「あンた、背中が濡れてるぜ。」 京太郎(宮守)「ん?ああ。」 京太郎(小鍛治)「あんまり女の子泣かせるなよ~?」 京太郎(宮守)「ほら、俺って罪な男だろ?」 京太郎(小鍛治)「うわぁ、俺はお前みたくなりたくないな……」 シロ「京太郎、早く行こう……」 京太郎(小鍛治)「じゃあな。」 京太郎(宮守)「おう。」 間接的に俺に茶化されたせいか、シロさんは顔を赤らめて、俺を急かしてその場を後にした。 健夜さんと共にしゃべりながら控え室まで向かう。 さっきのやりとりを聞いていたらしく「あまり女の子に恥じかかせちゃダメだよ?」とお叱りを受けてしまった。 だが、この方"女の子"と碌に話した事もないので、扱い方なんて解る筈もなく、 「そういう時はどうすればいいのか」と健夜さんに聞いてみたところ、 「そのくらいは自分で考えてみなさい。」と言われてしまった。 恋愛などはしたことないし、この人に浮いた話云々を聞こうとするのは酷だとわかっているので敢えてしない。 なので、男女の心の機微など必然的にわかりようもないから、さっきのやりとりは多少くらいは大目に見てくれても、と俺は思う。 健夜「最初小瀬川さんをおんぶしてる京太郎君を見たときびっくりしたよ……」 京太郎「あはは、俺たちも初めて見たときびっくりしましたよ。」 健夜「あ、そうだ。」 健夜さんは何か思いついたような表情をしたあと、体を傾け俺を覗き込むように見ると質問と提案をしてきた。 健夜「ねぇこの後の予定は?」 京太郎「えーと、特にないですかね。」 健夜「じゃあこの後どこかご飯食べに行こうか?」 京太郎「健夜さんのオススメのお店を教えてくださいね。」 健夜「うふふ、お姉さんにまかせなさい。」 健夜「あと『俺たちもびっくりしました』の詳しい話もよろしくね?」 京太郎「あらら……こりゃ長くなりそうだなー……」 とりあえず試合が終わって空きっ腹になった俺の胃袋を慰める為に、これから健夜さんと食事をしに行くのだ。 ――白糸台・控え室―― 菫「須賀、次に当たる高校の――」 京太郎「牌譜ならこれです。」 菫「そうか、いつもすまないな。」 淡「あ、お菓子切れた……」 京太郎「新しいのならそこにあるぞ。」 淡「さっすが京太郎。」 尭深「あ、お茶が……」 京太郎「今淹れますね。」 尭深「ありがとう……」 照「京ちゃ~ん。」 京太郎「は~い、照さん今行きますからちょっと待ってください。」 誠子「…………」 菫「どうした?」 誠子「いえ、今更ですが何で須賀を付れて来たんだろうと思いまして。」 菫「男手が欲しかったからな、おかげで試合に集中できる。」 尭深・淡「「え?」」 菫「なんだ?」 淡「てっきりテルの保護者かと思ってた。」 尭深「私も……」 菫「いくら照でも高校3年にもなって保護者同伴なんて――」 照「京ちゃ~ん!早くトイレについてきて!」 京太郎「それくらい一人で行ってください。」 照「道に迷ってもいいなら。」 京太郎「……わかりました。」 菫「無いと思ったんだがなぁ……」 誠子「須賀も大変ですね。」 菫「頭痛止めまだあったかな……」 ――清澄Side―― 京太郎「それじゃ買出し行って来ます。」 久「私も付き合うわ。」 京太郎「あー……はい。」 ――廊下―― 久「ねえ、須賀君ちょっといい?」 京太郎「なんでしょう?」 久「あなた、咲に何か言ったでしょう?」 京太郎「何かありましたか?」 久「彼女の意気込みが違ったのよ。」 京太郎「多少ははっぱ掛けました。」 久「ふーん、そうなの。」 久「そういえば、須賀君が彼女の事を入部させたいって言い出した理由ってやっぱりチャンピオンの事に関してかしら?」 久「須賀君自身が麻雀部に入った理由も咲のことなのよね?」 京太郎「……あまり人の家庭の事を話したくは無いんですが。」 久「……それもそうね。」 久「人に立ちいれられたくない複雑な家庭環境だってあるものね……」 久「私だってそういうことはあるもの。」 京太郎「?」 京太郎「そんな話をする為に付いてきたんですか?」 久「いえ、須賀君を労おうと思ってね。」 京太郎「別にいいっすよ。」 久「まあきいて。」 久「これでも日々の雑用に文句も言わずに頑張ってくれている須賀君には感謝しているのよ?」 京太郎「咲を麻雀部に入れてもらったお礼みたいなものですから。」 久「……それでもよ。」 久「私、今年が高校最後だからどうしても優勝したいの。」 久「その上で普通は部員全員がやるような雑用とかを全部須賀君に押し付けちゃって悪いとは思っているの。」 京太郎「それだけ部長が真剣だってことはわかってます。」 京太郎「だから俺はみんなが試合に集中しやすいように動いてるんです。」 久「ありがとう、でも……」 久「……須賀君はそれでいいの?」 京太郎「……なにがですか?」 久「私が言うのも何だけど、碌に練習も出来ず、やるのは雑用ばっか。」 久「そもそも麻雀部に入った理由も咲の為。」 久「じゃあ、須賀君が須賀君自身の為にやっていることってなに?」 京太郎「…………」 京太郎「ダメですかね?誰かの為に動くことが。」 久「確かに素晴らしい事だとは思うけど、あなたがあなたの為にやれることだってあるはずなのに、私にはそれを放棄しているように見えたの。」 久「私からしたら願っても無いことだけれど、須賀君は自分の事に関して何か希薄な感じがするの。」 京太郎「…………」 久「よく言えば仏のよう、悪く言えば死人のよう……」 久「だから聞きたかったのよ『本当にそれでいいの』か。」 京太郎「俺は……」 久「……まぁ直ぐに答えろなんて言う気はないわ。」 久「そのほかにも聞きたいことはあるから。」 京太郎「……答えられる範囲なら。」 久「今年男子個人の優勝者、と言ってもまだ暫定だけど、その人の名前が小鍛治京太郎って名前なんだけど……」 京太郎「……それがどうしましたか。」 久「苗字は違うけど須賀君と同じ名前ね。」 京太郎「凄い偶然ですね。」 久「中継も見たんだけど、顔も似ていたわ。」 京太郎「世の中には自分と似た顔が3人はいるって言いますからね。」 久「ねえ須賀君、あなた、わかりやすいわね。」 京太郎「何がですか?」 久「喋りたくないことがあると、いつもみたいな明るい雰囲気とはうって変わって、結構冷たい顔をするもの。」 京太郎「それは単に疲れているだけですよ。」 久「そう、別にいいわ、そこまで人の事情に深く入るわけにはいかないし。」 京太郎「部長も人が悪いな、表情が『ここで引く気はない』って言ってますよ?」 久「あら、そうかしら。」 京太郎「白々しいですね。」 久「なんか腹の探り合いみたいでいい気はしないわね。」 京太郎「よくいいますよ……」 照「京ちゃん、おまたせ!」 京太郎(白糸台)「照さん流石に高校生にもなって一人でトイレに行けないってまずくないですか……」 照「学校では一人で行けるもん……」 京太郎(白糸台)「出先では?」 照「迷います……」 京太郎(白糸台)「俺は照さんの将来が心配で仕方ないよ……」 照「大丈夫!将来の設計はちゃんと出来てるよ!」フンス 京太郎(白糸台)「……もしかして俺込みで?」 照「当然。」ムフー 京太郎(白糸台)「まぁ、いいか。」 京太郎(白糸台)「お?」 照「?」 久「あら?」 京太郎(清澄)「……部長、まさかここまで計算してたりしてたんですか?」 久「この状況、意味が解らないわ……」 京太郎(白糸台)「そっちは上手く行ってるか?」 京太郎(清澄)「ああ、おかげさまでなんとか、そっちも頑張ってくれよ。」 京太郎(白糸台)「お姫さま次第かな?」 照「?」 京太郎(白糸台)「ところでそっちのお美しい方は?」 照「む……」 久「あら、お上手ね。」 京太郎(清澄)「うちの部長です。」 京太郎(白糸台)「ああ、悪女の。」 京太郎(清澄)「ちょ、おま!」 久「須賀君?後でじっくり詳しく聞かせてもらうからね?」 京太郎(白糸台)「ははは、わりーわりー。」 京太郎(清澄)「あとで覚えとけよ!」 久「須賀君もよ?それではこれで失礼するわ。」 京太郎(白糸台)「それでは……」 京太郎(白糸台)「清澄の部長さん綺麗な人でしたね。」 照「…………」ゲシッ 京太郎(白糸台)「あいだ!?なにするの照さん!?」 照「ふーんだ」プイッ 京太郎(白糸台)「えーとなんで怒ってんの?」 照「京ちゃんのバカ……」ボソッ 京太郎(白糸台)「……清澄といえば照さんの妹がいる高校……」 照「…………」 京太郎(白糸台)「上手く行けば決勝であたるとこですね。」 照「来るよ……」 照「咲なら決勝まで上ってくる。」 京太郎(白糸台)「そうですね。」 ――夜・居酒屋―― 今とても面倒くさい事になっている。 健夜さんと恒子さんが酔っ払い俺に管を巻いているからだ。 まず大人二人がビールを頼んだあと、ジョッキが空になったと思ったら日本酒を頼みだした。 今は日本酒5合瓶が空になって二人は焼酎のお湯割を飲んでる。 健夜「うひひひ、京太郎く~ん飲んでる~?」 恒子「若者よ~どんどん食べて飲みたまえ~!」 京太郎「はいはい、飲んでますし食べてますよー。」 二人はこのざまである。 俺はと言うと、米物をさっさと頼んで適当に摘みながらウーロン茶を飲んでは注文を取ったり、酔っ払いを適当にあしらったり。 あしらい方がつまらなかったのか、酔っ払いの一人が健夜さんに矛を向けだした。 恒子「すこや~ん、京太郎君が冷たいよ~!」 健夜「え~?京太郎君ひど~い。」 恒子「レディの扱い方がなってな~い!」 京太郎「女性の扱い方なんて学べませんでしたから。」 恒子「すこやんに教わればいいじゃ~ん……」 恒子「あ、ゴメン!あらふぉーはレディに入らないね!」 健夜「アラフォーじゃないよ!アラサーだよ!」 健夜「って何言わせるの!?」 健夜・恒子「「…………」」 健夜・恒子「「あはははは!」」ケラケラ さっきからこんな調子で酒が減っていく…… このあと苦労するのは俺だというのは火を見るより明らかなのに止めない自分が恨めしい。 恒子「ところで京太郎君?」 京太郎「なんですか。」 恒子「すこやんに浮いた話が無いんですが、そこんところどうなんでしょ~か?」 恒子さんが手に持ったおしぼりをマイク代わりに聞いてくる。 正直そんなもんしらんし、こっちだって浮いた話聞いたこと無いよ。 京太郎「一切聞かないですねー。」 恒子「え、もしかしてすこやん恋人いない歴=年齢だったりする!?」 健夜「恋人くらい……」 恒子「いるの?」 京太郎「いないでしょう。」 健夜「……麻雀が恋人です。」フイッ 恒子「うっひゃひゃひゃ!」ケラケラ 恒子「恋に生きない女なんて枯れてるじゃん!干物女だよ、干物女!」 健夜「仕方ないよ!仕方ないんだよ!こーこちゃん!」 健夜「高校のときは田舎でいい男の子が居なかったから、麻雀漬けになってたんだもん!」 恒子「高校卒業後は?」 健夜「みんな私の対局を見て引いてて……」 恒子「プロになってからは……」 健夜「私より弱いプロなんて恋人にしたくなかったし……」 健夜「実力あるようなプロは既に結婚してたり、おじいちゃんだったり……」 恒子「そして気付いたらあらふぉー……」 健夜「本当にこのままアラフォーになるかもしれない……」 恒子「ま、そのときは京太郎君に面倒見てもらえばいいじゃない!」 京太郎「え~?俺の意見はどうなるんですか?」 恒子「京太郎君に恋人っているの?」 健夜「聞かないな~?」 正直俺に浮いた話なんてない。 悲しい事に彼女なんて出来もしないしフラグなんて立った事すらない…… なので苦し紛れだがこう答える事にしよう。 京太郎「俺も麻雀が恋人ですから……」フイッ 恒子「姉弟揃ってこれだよ~。」 恒子「……で、話戻すけど、明日は表彰台に立つくらい麻雀が上手いこの男の子は……」 恒子「イケメンで、面倒見がよく、気が効き、休みの日はお姉さんの為に料理まで作っちゃう良い子な訳ですよ。」 健夜「いつもおいしいご飯ありがと~。」 京太郎「はぁ……」 恒子「で、そんな優良物件な彼に恋人が出来ないのは、きっとこわ~い小姑がいるからですよ。」 健夜「え、私!?」 恒子「そう、国内最強のプロが姉とか大抵の女なんて尻込みするよ。」 京太郎「俺がモテないのにはそんな理由が!?」 健夜「京太郎君、真に受けないで!?」 恒子「で、そんな彼がプロ入りしたとしましょう。」 京太郎「まだ人生設計決めてないですよ。」 恒子「まあまあ、ここは仮定の話だよ。」 恒子「で、プロ入りしたら鳴り物入りで入ってきたってことで大体目立つよね?」 健夜「うん、まぁ。」 恒子「そしたら、婚期の危なくなった女子プロとかがアタックしてくるわけじゃない?」 京太郎「そうですかね?」 恒子「正直な話こんな優良物件をみすみす見逃す手はないもの!」 健夜「うん、姉から見ても良い物件だよ。」 恒子「あわよくば結婚を、と近寄ってきた女が「小鍛治く~ん今度ご家族にあってみたいんだけど~?」とか言って来た女に対してすこやんが……」 恒子「すこやん『あら?京太郎君の"お友達"?貴方プロよね?ちょっと打っていかないかしら?』とか言い出してトラウマを植えつけて引退させる気だよね。」 京太郎「うわ~こえ~健夜さんちょーこえー。」 健夜「それこーこちゃんの勝手な想像だよね!?」 恒子「でもすこやん、京太郎君にそんな女が集ってたらどうするよ?」 健夜「……いや、まぁ多少は篩いに掛けるよね。」 恒子「基準は多分麻雀だよね。」 京太郎「健夜さんの得意分野はそこですからね。」 健夜「ひどい!?」 恒子「あれ?京太郎君今何歳?」 京太郎「15です。」 恒子「若!?十五!?」 恒子「今のうちに唾を付けておこうかな。」 健夜「あれ?こーこちゃん?」 恒子「よろしくお願いしますね、お義姉さん。」 健夜「こーこちゃん、冗談はほどほどにね?」ゴゴゴゴ 久しぶりに怒った健夜さんを見た気がする。 健夜さんは滅多に怒らないけど怒ったら怖いのだ。 恒子「…………冗談だよー」 恒子「あ、お酒の追加注文お願いね。」 京太郎「はいはい……」 健夜「無理やり話し逸らしたなー」 恒子「すこやん空いてるけど頼まないの?」 健夜「それじゃあ私も。」 京太郎「あんまり呑みすぎ無いでくださいよ?明日も仕事あるんですから。」 恒子「わかってるわかってる~。」 健夜「大人は飲む分量弁えているから。」キリッ 京太郎「ああ、もう……すいませ~ん!」 ここで俺が店員さんを呼んだのが運のつき。 何故ここで止めなかったのか、どう考えたって酔っ払いの戯言を鵜呑みにする方がおかしいのに。 このあと介抱するのは俺なのに…… そろそろ宴も酣なのでホテルに戻る事になった。 べろべろに酔った二人を両脇に抱えて恒子さんを部屋に送った後、健夜さんをおんぶして部屋まで向かう。 気が付いたら彼の背中に居た、情けないな、姉として。 そのほかにも彼に謝らないといけないことがある。 だから申し訳なさから胸に痞えた言葉を吐き出す。 健夜「ごめんね、こんなダメなお姉さんで。」 京太郎「別に気にしてないですよ。」 健夜「ううん、違うの。」 京太郎「何がですか?」 今日見た他の京太郎君のこと、こーこちゃんが来る前に話した他の京太郎君の話…… どうしてもその事を思い出すと、胸が締め付けられる。 だから酔った今、彼に告解をしよう。 聞けなかったことを聞こう。 健夜「…………」 京太郎「健夜さん?」 健夜「……私ね、思うんだ。」 健夜「私のせいで道を狭めてしまったんじゃないかなって……」 健夜「他の京太郎君の話を聞いて、本当はもっと違う生き方もあったんじゃないかなって……」 京太郎「…………」 健夜「だから、麻雀漬けの人生に引き込んで、私と同じ道を、茨の道を歩ませてしまったのが――」 酔って纏まらない思考で話していた私の声が、彼の声で遮られた。 京太郎「健夜さん。」 京太郎「俺は自分の意思で、この道を選びました。」 健夜「京太郎君……」 京太郎「だから、自分が……健夜さんが歩いた道を……」 京太郎「そして、俺が憧れた道を否定しないでください。」 そうか、もう彼は決めていたんだ。 この道を……そして私が歩んだ道を。 なら、もう何も言う事はない、私には彼が自ら進む道を阻む事は出来ないのだから。 健夜「……うん、わかったよ、応援するね。」 京太郎「お願いしますね。」 健夜「んふふ~。」 京太郎「?やけに機嫌いいですね。」 健夜「昔は私がおんぶしてたのに、今は私がおんぶされてるんだなって……」 健夜「京太郎君、おおきくなったんだなーって。」 京太郎「それはそうですよ、もう十年ですからね。」 京太郎「俺だって健夜さんを背負えるくらいに成長します。」 京太郎「そしてこれからは、健夜さんの心を支えられるくらいに成長してみせますよ。」 いつか彼は私の隣まで追いついて来るのだろうか。 それともいつか彼は私を追い越すのだろうか。 どちらにせよ、今はこの時間を、この幸せなひと時を、一秒でも長く感じていたい。 健夜「ふふふ、気長に待ってます。」 もう直ぐ私の部屋だ、私をベッドに寝かしつけたら、彼は自分の部屋に戻るのだろうか…… 京太郎「健夜さん、着きましたよ。」 健夜「ん~……」 もういい年なのに、「人肌が恋しい」と弟にせがんでしまおう。 今夜くらい姉の我が侭を聞いてもらおう。 健夜「ねぇ、京太郎君、今夜は一緒に寝ない?」 京太郎「俺、もうそんな年じゃないですよ……」 健夜「ううん、私が京太郎君と寝たいの。」 健夜「ダメ、かな?」 京太郎「仕方ない、お姉さんの頼みなら聞きますか。」 そして彼は私をベッドに横たわらせると二人で同じベッドに入った。 京太郎「気持ち悪くなったら言ってくださいね。」 健夜「流石に吐かないよー」 健夜「京太郎君、もっとこっちに寄って。」 京太郎「はいはい。」 健夜「一緒に寝るなんて久しぶりだね、なんだか懐かしいよ……」 京太郎「そうですね……」 健夜「前は私の体でもすっぽり覆えるくらい小さかったのにね……」 健夜「今じゃ抱きつくくらいしか出来ないよ。」 京太郎「そうですね、腕枕でもしますか?」 健夜「ぜひお願いします。」 私は少し頭を浮かせて彼の腕を枕にする。 不思議な気分だ、あの小さかった腕が、あの壊れそうだった体が。 今は逞しく成長して私を包んでくれている。 健夜「腕辛くなったら言ってね?なんて言ったって大会選手なんだから、腕を痛めたら大変だからね?」 京太郎「大丈夫ですよ、もう個人戦は全部消化しましたから、あとは表彰式だけです。」 京太郎「それよりもう寝ましょう、健夜さん明日早いんでしょう?」 健夜「うん、それじゃあお休み。」 京太郎「はい、お休みなさい。」 そして重くなった目蓋を閉じて私の意識は夜の帳と共に落ちて、夜の帳と共に明けていった。 朝起きたら頭が痛い……ズキズキと頭に響く……完全に二日酔いだ。 腕枕をしてくれていた彼はすでに起きていて身支度を整えていた。 起きた私に気付いた彼は、私に朝の挨拶をする。 京太郎「おはようございます、健夜さん。」 健夜「おはよう……」 京太郎「あんまり調子よくなさそうですね、仕事大丈夫ですか?」 健夜「私は大丈夫だよ。」 京太郎「そうですか。」 健夜「?」 健夜「京太郎君、体調良くないの?」 京太郎「なんでですか?」 健夜「なんとなく?」 京太郎「多分、大会の緊張から解き放たれたから疲れが出たんだと思います。」 健夜「そうなんだ……」 京太郎「ええ、決して腕が痺れたなんてことはないです。」 健夜「え~?嫌味?」 京太郎「はは、冗談ですよ。」 ――宮守Side―― 京太郎「トシさん、本当に俺たちだけでいいんですか?」 トシ「私は用事があるからねぇ、後は若い者同士で存分に楽しんできなさい。」 トシ「"あんた達は最後"になるんだから目一杯、思い出を作ってきなさい。」 京太郎「わかりました、それじゃあみなさん何所行きますか?」 豊音「みんなで色んなところ回りたいよー」 塞「と言っても私たち地元の人間じゃないから何があるかわからないんだよね。」 胡桃「何所回るか決めてなかったの!?」 シロ「ダルいところじゃなきゃいい……」モソモソ 胡桃「だからなんでシロは須賀君の背中に乗ってるの!?」 シロ「歩くのがダルい……」 胡桃「恥ずかしいから降りて!」 エイスリン「…………」カキカキ バッ 塞「えっと……どこかに行くんだよね。」 胡桃「……翻訳お願い。」 京太郎「買い物と外食だな……」 シロ「あと、カラオケとゲームセンター……」 胡桃「二人はよくわかるね……」 塞「とりあえずゲームセンターに行ってそのあと昼食をとった後、カラオケ、ショッピング?」 豊音「どれも宮守じゃ中々できないことだよー」 京太郎「地元だと街まで行かないと無いですからね。」 シロ「家からだったらそこまでして行きたくない。」 京太郎「街まで遠いからですか?」 シロ「うん」 京太郎「それにダルい?」 シロ「うん」 豊音「シロはもっと積極的に動いた方が良いんだよー」 シロ「……いつかは積極的になる。」 胡桃「それやらない言い訳だよね……」 シロ「そんなことない、少なくともいつもは京太郎の背中に登る時は積極的になってる。」 塞「それ積極的なのかな……」 ――ゲームセンター―― 豊音「わーここがゲーセンかー!」キラキラ 京太郎「あんまり来た事無いけど色々あるんですね。」 胡桃「うるさい、ここ。」 シロ「んー、落ち着かない……」 塞「エイスリン、まずは何するの?」 エイスリン「 +3!」 510 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2012/09/21(金) 18 53 49.10 ID OjnIG7L0o カップルが遊んでる格ゲーに対戦乱入 安価:カップルが遊んでる格ゲーに対戦乱入 エイスリン「アレ!」 京太郎「いわゆる格ゲーですね……」 豊音「ちょー面白そうなんだよー」 エイスリン「ハヤク!ハヤク!」 京太郎「急かしてますけど誰が行きます?」 塞「私こういうのやったことないから。」 胡桃「須賀君が入ってみたら?」 京太郎「あーわかりました……あまり得意じゃないんだけど……」 豊音「応援するよー!」 シロ「頑張れ……」 京太郎「背中から降りる気はないんですね……」 エイスリン先輩が嬉々として筐体の前に座って待っている。 先輩のあんな笑顔には逆らえない、仕方ないのでさっさと隣に座る。 それぞれ百円玉を入れてスタートする。 ところがエイスリン先輩が何を思ったのか乱入をしてしまった。 女「あ!乱入だよ!?」 男「いっちょやってやりますか!」 エイスリン「マチガエタ……」 どうやら素で間違ったようだ…… 仕方ないので相手のカップルと思しき二人を相手に頑張ることにした。 かくして3対2(内一人は背中にいる)のバトルが始まる事になる…… シロ「あ、そこ次右から来るよ……」 京太郎「え!?まじですか!?」 エイスリン「ンフフ、アハハ!」ガチャガチャ 京太郎「エイスリン先輩楽しそうだなー」 シロ「集中しないと負けるよ……」 京太郎「おおっと、そうだった!」 エイスリン「タノシイ!タノシイ!」ガチャガチャ なんだかんだでシロさんの助言とエイスリン先輩の活躍があり、辛勝であったが勝ちはした。 相手のカップルにはいきなり乱入して申し訳ないな、と思って一瞥をしとこうと顔を覗いてみた。 京太郎「あの、すみません、いきなり乱入とかしちゃっ……て?」 照「なかなか手ごわい相手だった。」 京太郎(白糸台)「きっと相手はカップルですよ、さっき男と女の声がしました。」 照「リア充ってやつかな?」 京太郎(白糸台)「きっと無駄にイケメンないけ好かないカップルですよ。」 京太郎(宮守)「なにやってんの。」 まさかの白糸台の俺参上。 京太郎(白糸台)「やっぱり無駄にイケメンなハーレム男か。」 京太郎(宮守)「遠まわしに顔自慢か、あとハーレムってなんだ。」 京太郎(白糸台)「いや、だってお前両手に花というか背中まで花を背負ってるじゃん。」 京太郎(宮守)「お前も大してかわらないだろ。」 京太郎(白糸台)「いやいや、俺と照さんは恋人じゃないから。」 照「てい!」ペシッ 京太郎(白糸台)「あだ!?なにするの!?」 京太郎(宮守)「……お前はもうちょい女心を学ぶべきだ。」 京太郎(白糸台)「え!?なんで!?」 シロ「京太郎も人の事言えないだろうに。」 京太郎(宮守)「こいつよりはマシでしょう?」 シロ「五十歩百歩。」 照「私の京ちゃんとそこらへんにいる京太郎を一緒にしないで。」ムッ シロ(京太郎ってそこらへんに居る者なのだろうか……) 照「私の京ちゃんは他のよりカッコいい。」ドヤァ シロ「……こっちの京太郎は他のより面倒見がいい。」 照「ぐぬぬ……」 シロ「……やる?」 京太郎(白糸台・宮守)「「落ち着いてください二人とも。」」 京太郎(宮守)「なに無駄な対抗心燃やしてるんですか、シロさん……」 シロ「無駄じゃない……」フイッ 京太郎(白糸台)「高校生三年にもなって大人げないですよ、照さん。」 照「女には譲れない戦いがあるの。」フイッ 「シローキョータロー?」 京太郎(宮守)「あ、エイスリン先輩待たせたままだった、それじゃ俺達はこれで。」 京太郎(白糸台)「それじゃ、またな。」 白糸台の二人に別れを告げて、先輩たちの下へ向かう。 エイスリン「キョータロードコイッテタノ?」 京太郎「ちょっと鏡を見てました。」 シロ「人の振り見て我が振り直せだった。」 エイスリン「?」 豊音「それじゃあ次は何にするー?」 京太郎「えーっとじゃあ――」 シロ「 +3で」 京太郎「台詞取られた!?」 531 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage] 投稿日:2012/09/21(金) 20 27 39.72 ID zsKezoXKo クイズゲーム 安価:クイズゲーム シロ「クイズゲームで……」 京太郎「ふっふっふ……」 胡桃「あれ、須賀君得意なの?」 京太郎「いえ、俺の出る幕でもないなと思いまして。」 胡桃「なにそれ……」 塞「それなら私やってみようかな。」 胡桃「いや、それなら私が。」 豊音「私がやろうかなー?」 京太郎「んじゃ俺が……」 「「「どうぞどうぞどうぞ」」」 京太郎「ちきしょー!わかってたよ!」 京太郎「やりますけどシロさんもですからね?」 シロ「ん、わかった。」 クイズゲームの筐体の席に着く。 ここでひとつ気付いたんだが、シロさんもやるのに背負ったままだとやり難くないだろうか。 京太郎「シロさん、体勢を変えましょう。」 シロ「んー」モゾモゾ 京太郎「わざわざ俺の膝の上ですか……」 胡桃「いいなー……」 シロ「あとで代わってあげる。」 胡桃「いやいいよ。」 京太郎「俺の膝の上とか誰得ですか。」 シロ「意外と需要はある。」 シロさんが膝の上に乗ったと思ったらお金を入れていた。 いつの間に…… ともあれ、クイズゲームなんてやった事無い上に知識なんてさしてないので、全部シロさん頼りだ。 他力本願な俺をよそにクイズが始まる。 ゲーム機「では第一問、アマゾン川で――」 ピコン 京太郎「はや!?」 シロ「ポロロッカ……」 ゲーム機「正解。」 京太郎「うそん!?」 ゲーム機「では第二問、中央アメリカのパナマと陸上で国境を接している南アメリカ――」 ピコン 京太郎「また!?」 シロ「コロンビア」 ゲーム機「正解。」 京太郎「迷いがないってどういうことなの……」 こんな感じ終始圧倒してたシロさんは途中で飽きたのか30問目でギブアップした。 京太郎「なんだろうこの感じ……」 シロ「疲れた……」モゾモゾ 塞「いつものシロとは思えないくらい早かったね……」 豊音「シロすごかったよー!」 京太郎「次は何にしますか?」 胡桃「 3がいいんじゃないかな?」 542 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2012/09/21(金) 21 07 34.99 ID OiI8zfKQo プリクラ 安価:プリクラ 胡桃「そろそろお昼の時間だし、最後にみんなでプリクラ撮ろうよ。」 豊音「それいいよー!」 エイスリン「プリクラ!」 京太郎「あれに6人も入るかな……」 シロ「頑張れば行ける?」 塞「折角だから全員で撮りたいよね。」 頑張ってプリクラに入ってみる。 やはり狭い、豊音さんが一番後ろで屈んで入ってその前に俺、横にずれてくれたシロさんに抱えられて、その前に胡桃先輩がいる。 塞さん俺の横に付いてそのまえにちょこんとエイスリン先輩がいる。 豊音「ちょー狭いよー……」 塞「もうちょっと詰めてよー」 シロ「これはダルい……」 胡桃「シロ、腕がぷるぷるしてるよ!?」 エイスリン「ハイッテル?ネー、ミンナハイッテル?」 京太郎「これは、魔境だ……」 無理やり入って密着してるものだから色々と当たっている。 なにがとは言わないが。 男として中々にやばい状況である。 せめて先輩方の前では紳士でありたいのだが、この押し合い圧し合いの状況で下手に動いたら大惨事である。 京太郎「ある意味天国、ある意味地獄……」 健全な男子である事に今は辛い。 胡桃「撮るよー」 塞「はい、チーズ!」 パシャッ こうして紳士として頑張った俺にみんなとの思い出が増えた。 ―白糸台(照)視点― 照「…………」ムー 京太郎「照さん、まだ怒ってるの?」 照「怒ってない。」ムス 京太郎「……宮守の人たちも悪気があったわけじゃないし。」 照「……違うもん。」 京太郎「じゃあ、なんでそんなにご機嫌斜めになってるの……」 照「だって京ちゃんが……」 京太郎「俺が?」 照「今二人きりなのに昔のように読んでくれない……」 京太郎「え、そんなことだったの?」 照「そんなことじゃないもん。」ムス 京太郎「あーもう、機嫌直してよ、"照ちゃん"。」 照「……んふふ。」ニコニコ 京太郎「それじゃあ、ご飯食べたら戻りますか。」 照「えー、もうちょっと二人で遊びたい。」 京太郎「あまり遅くなったら部長に怒られます。」 照「……仕方ないな。」 ―小鍛治視点― 京太郎「ふぅ、やっと終わりましたよ、表彰式……」 健夜「お疲れ様、家に帰ったら祝勝会だね。」 京太郎「そうですね、でも健夜さんまだこっちで仕事あるんでしょう?」 健夜「そうだね、女子団体が終わるまではこっちに居ないといけないかな。」 京太郎「それじゃあ、おじさんたちには電話だけして『健夜さんと一緒に帰る』って伝えておきます。」 健夜「ごめんね、付き合わせちゃって。」 京太郎「その間は健夜さんにご飯を奢ってもらいますから大丈夫です。」 健夜「……あんまり高いところはダメだよ?」 京太郎「恒子さんにいい所を教えてもらおう。」 京太郎「アナウンサーだからきっとおいしい物食べてるんだろうなー」 健夜(こーこちゃんが私の財布事情と空気を読んでくれれば……やっぱだめかも。) 京太郎「心配しなくても、流石にそんなに高いところに行きませんよー。」 健夜「お、大人の経済力を甘く見ない方が良い。(震え声)」 京太郎「もう27なのに……健夜さんの人生設計が心配です。」 健夜「……良い人見つけて結婚すればいいんだし(遠い目)」 京太郎「目ぼしい相手でも居るんですか?」 健夜「……いません。」 健夜「大丈夫、いざとなったら京太郎君に面倒見てもらうから。」 京太郎「その発言にびっくりです。」 健夜「そういえば体調は大丈夫?」 京太郎「大丈夫ですよ。」 健夜「……無理してない?」 京太郎「……直ぐに戻りますよ、多分慣れない大会で気疲れを起こしただけですから。」 健夜「……そう、あんまり無理しないでね?」 京太郎「はい。」 ―清澄視点― 咲「京ちゃん、買出し一人で大丈夫?」 京太郎「いつもやってることだろう。」 咲「でも、京ちゃん顔色悪いよ?」 京太郎「心配すんなって、ほら、俺は元気だからさ。」 咲「うん……」 京太郎`s「「「「あ……」」」」 視点が変わる。 視界が揺らぐ。 世界が回る。 回る世界の中、倒れる間際、そこには確かに―― 咲が 照ちゃんが 健夜さんが 宮守のみんなが 俺の目に映った。 色んな記憶を見る。 色んなことを思い出す。 自分のこと。 他人のこと。 今まであった事。 俺の知らない記憶。 ただ、自分のであって自分のではない記憶を垣間見た。 突然、照から電話があった。 照はかなり憔悴していて冷静に状況を聞きだすのに苦労した。 照「菫……どうしよう、京ちゃんが、京ちゃんが……」 菫「落ち着け、照。」 照「だって、だって、京ちゃんが!」 菫「いいから落ち着け、今何所で、須賀がどんな状況なんだ?」 照「今、会場の入り口で……京ちゃんがいきなり、倒れた……」 菫「そうか入り口だな、直ぐに行くから照はそこから動くな。」 私は急いで照の元へ向かった、そこには須賀がいた、居たのだが…… 存在が薄い、と言うべきなのだろうか。 ここまで存在が儚い者を見たことがなかった。 彼はただ潮流に流されまいと木の枝に引っかかってる布切れ…… または風に吹かれれば消えてしまいそうな、そんな印象の儚い存在感だった。 菫「何所だ……!」 おろおろと狼狽している照と、ぐったりと倒れている須賀を見つけた。 菫「照!急いで須賀を医務室に運ぶぞ!」 照は憔悴していたが、私の声を聞いてかすぐさま須賀の体を担ごうとした。 だが男女の体格差が大きいので一人で担ごうとした照は、中々思うように動けない。 なので、私は急いで須賀のもう片方の肩を担ぎ、照と二人で医務室に向かった。 彼は恩人なのだ、私の恩人なのだ。 私が攫われたとき、真っ先に身を呈して救ってくれた。 そんな彼をここで放るわけには行かない。 彼を放って置けない理由を自分にそう言い聞かせて。 漸く医務室のベッドに須賀を横たわらせると、とある先客が居る事に気付く。 解説に入ってる小鍛治プロだ。 私の視線に気付いたのか小鍛治プロがこちらにやってきた。 小鍛治プロがベッドに横たわる須賀を一瞥すると、妙な事を口走った。 健夜「こっちの京太郎君もここに運ばれてきたんだね。」 その言葉に恐らく私は怪訝な顔をしていたのだろう。 小鍛治プロはそんな私を見て、こう言った。 健夜「多分、また、ここに、他の京太郎君が来るよ……」 言葉の意味が解らなかった。 まるで今しがた同じ事があったような口ぶりだ。 そして医務室の奥から一人の女生徒がやってきて、狼狽する照に声を掛けた。 咲「お姉ちゃんもなの?」 照「!……咲」 どうやら彼女は照の妹らしい。 照は記者会見の時、妹の存在を否定していたが、見た目から宮永照の親類だと容易に推測できる。 照「……どういうこと、咲。」 咲「"私の"京ちゃんも倒れたの。」 咲「そして小鍛治プロの所の京ちゃんも……」 健夜「そして貴女のところの京太郎君もだよね?」 照「…………」 照は何か得心がいった様な顔をした。 私には照が何に対して得心がいったのか、事態がどのように向かっているのか、何がなにやらわからなかった。 頭の中が纏まらないそんな私に追い討ちを掛ける様に医務室のドアが開いた。 中に入ってきた風貌に私は驚いた。 身長は2m近くある女が入ってきたのだ。 驚いたのはそこではない。 彼女が担いできた者が須賀に姿、顔が似ていたからだ。 そんな彼女が医務室に入ってきて開口一番に悲痛な声で叫んだ。 豊音「お願い……誰か……」 豊音「誰か京太郎君を助けてよー!」 そんな彼女が涙ながらの懇願に応えるように入ってきた老齢の女性が入ってきた。 トシ「おやおや、やっぱりこういうことになってしまったかい……」 豊音「熊倉先生……」 トシ「今から京太郎に関して話すよ。」 そういって、老齢の女性は照と、照の妹と、小鍛治プロ、そして先ほど入ってきた身長が高い女に話を始めた。 『中編』 了
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/3956.html
前話 次話 恒子「お前ら待ってたかー!大将戦の実況の福与恒子とご存じアラフォーが来たぞー!!」 健夜「アラサーだよ!というかいきなり何言ってるの!?」 恒子「なんか言うべきかなーって」 健夜「もう……ええと、解説の小鍛冶健夜です」 恒子「元世界第2位のアラフォー」 健夜「アラサーだって!」 恒子「はい、えー、大将戦を前にしてこうなってます」 1位白糸台2264 2位清澄1892 3位臨海1305 4位阿知賀900 健夜「白糸台はさすがですね。準決勝では弱点を突かれたのか油断したのか2位でしたけど、決勝では圧倒的な実力で1位をキープ」 健夜「それを追う各校。特に清澄が迫っていますね」 恒子「臨海と阿知賀も頑張っているよね?」 健夜「うん。でもどうしても白糸台との差が縮まらない。それがここまで」 恒子「てことは?」 健夜「大将戦でここまで変わらなかった順位が変化するかもしれません」 恒子「ほほう……女の勘、もといアラフォーの勘だね」 健夜「アラサー!今回いつもより多くない!?」 誠子「ただいま戻りました」 淡「お疲れさまでーす。今回はハンデ無しかー」 誠子「お前はまた……とりあえず汚名返上ってことで」 尭深「お疲れ様」 菫「ああ、よくやってくれた。で、淡」 淡「はーい」 菫「お前阿知賀ばかり意識するなよ?」 淡「……そんなことないですよ?」 菫「こっち見て言え」 照「……大将戦」 淡「テルー?」 照「ん……淡ファイト」 淡「うんっ!」 照「そして……気を付けてね」 淡「もっちろん!高鴨穏乃、今度こそ100回倒す!!」 菫「阿知賀はいいから他にも気を付けろよ……」 照(咲……京ちゃん……) 灼「ごめん……あんまり差縮められなかった……」 晴絵「灼……」 灼「私……」 穏乃「灼さんお疲れ様です!!」 灼「し、穏乃?」 穏乃「後は私がなんとかしてきます!」 灼「いや、なんとかって…」 穏乃「うおおおお!!燃えてきたあああ!!」 憧「少しは静かにしろ!」ベシッ 穏乃「あたっ!もーいいじゃん、逆境って燃えるし」 玄「穏乃ちゃんはいつも燃えてるよね」 宥「あったかい?」 穏乃「まだ負けた訳じゃないですし!行ってきます!!」 憧「ジャージで行くなっつったでしょ!!ほら、着替えた着替えた!」 穏乃「えー……ジャージの方がいいのに」 憧「ジャージで全国決勝大将戦なんて聞いたことないわ!」 灼「っぷ、あはははは!」 玄「灼ちゃん?」 灼「……悩んでるのが馬鹿らしくなってきた」 晴絵「……そうだな」 灼「……穏乃」 穏乃「はい!」 灼「まかせたよ」 穏乃「はい!!よーし!行くぞー!!」 憧「ちゃんと制服着ていきなさいって!!」 宥「ふふっ。あったか~い」 ダヴァン「……日本は強かったデス」 智葉「おい、こいつのラーメン持ってけ」 明華「はーい」 ハオ「何日分かなー」 ダヴァン「酷い!私に死ねト!?」 智葉「なんで麻雀よりも必死なんだお前……冗談だからな」 ダヴァン「サトハの冗談は笑えまセン……」 ネリー「じゃーネリーがばばーんと逆転してくるねー」 智葉「おう……しかし、全国大会の決勝、それも大将戦が全員1年生とはね」 明華「何か問題でも?」 智葉「いや……何が起こってもおかしくないよな」 ハオ「?」 ネリー「よく分かんないけど、行ってくるねー」 久「お疲れ様、よくやってくれたわ」 和「もう少し頑張れればよかったんですが……」 まこ「あんまり言うなって。1年生がよーやったわ」 優希「そうだじぇ!それに、おっぱいならのどちゃんが圧勝だったじぇ!」 久「そりゃー永水でも呼ばなきゃ勝てないわー」 和「もう優希!部長まで!」 まこ「うーん、わしら全員分でも足りなんか」 和「染谷先輩まで……あれ?咲さんと、こんな時真っ先に反応する須賀くんは?」 久「ああ、須賀くんは咲を対局室まで送らせたわ」 まこ「今までの会場でも迷っとったんじゃ。まず今回も迷うじゃろ」 優希「京太郎なら大丈夫だからな!」 咲「……ねぇ京ちゃん」 京太郎「うん?」 咲「えっと……私が方向音痴だってのはもう認めるからさ……」 京太郎「……まだ認めてなかったのか」 咲「それはいいよ!……手、繋いだまま対局室まで行くの?」手繋ぎ 京太郎「……咲だしなぁ」手繋ぎ 咲「私、そこまでじゃ…」 京太郎「中学の修学旅行で隣にいた咲が消えたのはさすがに驚いたなぁ……」 咲「あ、アレはお店からいい匂いがしたから……」 京太郎「このまま行くぞ」 咲「……はい」 咲(やっとお姉ちゃんのとことだけどお姉ちゃんじゃない……) 咲(でも、部長に和ちゃん、それにみんなが勝ちたいって言ってた) 咲(私は……どうしたいんだろ) 咲「……ねぇ京ちゃん」 京太郎「うん?」 咲「京ちゃんは……清澄が優勝したら嬉しい?」 京太郎「はぁ?当然だろ?」 咲「そうだよね……」 京太郎「それに、咲が勝つってのが嬉しいな」 咲「え?」 京太郎「まさかちんちくりんの幼馴染が全国決勝で大将をまかせられるなんて……感慨深いなぁ」 咲「……ちんちくりんじゃないもん」 京太郎「……それに、よくは分からないけど照さんと本気でやるって言ってたろ?」 京太郎「そりゃ照さんと直接対決って訳じゃないし……なんか上手く言えねーけど、お前が勝つ方が俺は嬉しい」 京太郎「ああもうなんだろ……とにかく俺はお前を応援するし、お前の味方だ!どうだ!?」 咲「……ぷっ、どうだって……あはははは!京ちゃん何言ってるか分かんないよ」 京太郎「う、うるせー!とにかく、お前は全力でやって、楽しめばいいんだよ!」 京太郎「県大会の決勝でも言ってたろ?楽しいって。もうそれでいいよ。ごちゃごちゃ言うのは性に合わない」 咲(なんかいろいろぐるぐる考えて、悩んでたのがどうでもいいやってなったな……) 咲「ふふふ。そうだね……全力で楽しんでくるよ!」 咲が+-0を止めました 恒子『さあ、選手が全員揃ったー!』 健夜『アレ?今宮永選手、男子に手を引かれて対局室まで来てなかった?』 恒子『アラフォーの嫉妬?』 健夜『アラサー!!』 恒子『あ、試合開始』 健夜『軽いよ!?』 淡(今回は最初っから全力!) 咲(これって……) ネリー(話は聞いてたけど面倒だよー) 穏乃(うーん……配牌をどうこうするとかできないし……) 淡「カン!」 穏乃(え!?最初から!?) 淡「ロン!」 淡(100回……100回分倒す!!) 咲(う……なんか衣ちゃんとやってた時みたい……) ネリー(金髪が強いよ……) 穏乃(うおおおお……なんかやばい!) 淡「ツモ!」 淡(あはっ!なんか絶好調じゃん!!) 恒子『前半戦終了!王者白糸台の1年生、大星淡選手が大活躍!!』 健夜『すごいですね……準決勝ではなんと言うか、油断していたように見えましたけど、今回はそれが無い』 健夜『去年の天江選手や、宮永照選手ほどじゃないですが、彼女もかなり点を稼ぎますね』 恒子『うん……さすがアラサー』 健夜『アラサー…合ってるよ!今なんで脈絡無く言ったの!?』 淡「たっだいまー!!どう!?」 誠子「あ、あぁ……お前、すごいな……」 淡「でしょー!?」 菫「ああ。今回は油断していないみたいだな」 淡「決勝だし、出し惜しみ無しです!」 尭深「でも……準決勝では後半戦から……」 淡「大丈夫」 照「……淡?」 淡「後半戦だろうとなんだろうと……負けないから」ゴッ 照(淡がここまで本気になるなんて……) 菫「普段からここまでやる気ならいいんだがな……頼むぞ」 淡「はーい」 穏乃「うわーやばいやばい!大星さん最初から全開だよ!」 宥「お、落ち着いて……」 穏乃「というか何気に宮永さんもすごいね!あとあの……名前長い子も!」 灼「……大丈夫?」 穏乃「うおおおおおお!!また燃えてきたあああああ!!」 玄「し、穏乃ちゃん?」 穏乃「いやーもうなんかすごい!!」 憧「おいおい……うち圧倒的に負けてるのよ?」 晴絵「……シズ?」 穏乃「はい?」 晴絵「楽しい?」 穏乃「すっごい楽しいです!ああもう後半楽しみすぎる!」 憧「あたしの制服で暴れるなっ!」 晴絵「そっか……最後まで楽しんできな!」 穏乃「はいっ!!」 ネリー「サトハー、アレ貸して」 智葉「いきなりなんだ」 ハオ「……眼鏡?」 ネリー「違う」 明華「サラシ?」 ネリー「……巻くほど無いよ」 ダヴァン「ドス?」 智葉「メグ、ちょっと来い」 ダヴァン「冗談ですカラ!!」 ネリー「それそれ」 ハオ「それなの!?」 智葉「そもそも持ってねーよ」 ネリー「うーん……金髪とか短髪が強いからサトハの力を借りたかったのに……」 智葉「貸し出せるものじゃないだろ……後半、いけるか?」 ネリー「最後までやってみるよー」 ネリー「……負ける気はないしね」 和「……オカルト合戦ですか」 優希「じぇー……私の時並みにやばくね?」 まこ「どうするんじゃ久?」 久「大丈夫よ」 まこ「あん?」 久「ちょっとした秘策を送ったから」 咲(お姉ちゃんとこの大将さん、思ってた以上だったな……) 咲(ちょっと差広がっちゃったし……どうしよ) 咲(そういえば……部長が休憩の時に秘策を送るから対局室から出るなって言ってたけど……なんだろ?) 京太郎「おーい、咲ー」 咲「京ちゃん?」 京太郎「えっと……」 京太郎(確か部長がこう言えばいいって言ってたな……) 京太郎「どんな事になっても、最後まで見てるから」 咲「……うん」 京太郎「全力で楽しんで来いよ」 咲「……勝てないかもしれないよ?」 京太郎「どんな事になってもって言ったろ?いいんだよ。お前の味方だって言ったし」 咲「京ちゃん……」 咲(本当に……来て欲しい時に、来てくれるんだなぁ……) 京太郎「ああ、じゃあ優勝したくなることも言ってやるよ」 咲「へ?」 京太郎「優勝したら、お前の言うこと何でも聞いてやるよ」 咲「…………え?」 京太郎「あ、こっちだけだったかな……まぁいいや。どうだ?」 咲「……約束だからね?」 京太郎「?お、おう!」 咲「破ったら……ええと、泣くよ?」 京太郎「泣くよって……あはは!それはないだろ?」 咲「い、いいの!とにかく約束だから!」 京太郎「はいはい。了解しましたよお姫様」 咲(なんでも……なんでもかぁ。何しよっかな) 咲(手を繋いでデート?あ、恋人繋ぎとかいいかな!それから膝枕とかも……よし!とにかく頑張ろう!!) 咲(これ……カンできない……) ネリー(むむむ……やっぱり借りた方がよかったかな) 穏乃(よし、配牌はまともだ!) 淡(……準決勝みたいにいくと思ってんの?) 淡「ロン!」 穏乃「……え?」 淡(100回、倒す!!) 穏乃(最後だけど、まだ諦めない!限りなく0に近い可能性だけど、それを目指すのが楽しい!!) ネリー(素直に負ける気は無いし……全力だよ!) 淡(うっわ凄い!こんなに差があるのに諦めてないとか!本当に冗談みたいな勝ち方しかないのに全員諦めないとか…) 淡(みんな、この3人みんなイケてんじゃん!!) 咲「……カン!」 淡・穏乃・ネリー「!」 淡(テルーの妹……アンタが一番イケてるよ!) 淡(でも、最後まで私が和了る!) 咲(……楽しいよ、京ちゃん) 咲(そういえば……県大会の決勝もこんなだったね) 咲(うん……最後まで、楽しむよ!) 咲「もいっこカン!」 咲(嶺上……) 咲(……ならず……か) 淡「ツモ!」 大将戦結果 1位白糸台2264+713=2977 2位清澄1892+648=2540 3位臨海1305+55=1360 4位阿知賀900+35=935 恒子『し、試合終了ー!!優勝は、白糸台高校ー!!!』 前話 次話 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6408.html
開局 親 憧 110600 咏 225000 梢 41600 史織 22800 憧(あのちびっ子は高火力) 憧(それなら私の方が有利!) 憧「チー!」 咏(速く攻めるタイプかねぃ、まあ嫌いじゃないけど) 咏「ロン」 咏(負けるわけにはいかないねぃ) 咏「12000」 東2局 憧 110600 親 咏 237000 梢 41600 史織 10800 憧(高い打点ってことはそれなりの遅さのはず) 憧(それに隙も多い) 憧(そこを狙う!) 憧(っと、テンパイ) 憧(小三対々混老混一色ドラ2、三倍満) 憧(中が来れば役満……) 憧(これを三箇牧にぶつけたいけど……) 史織(これなら……)トン 憧(なんで出しちゃうのかなー……) 憧(早く終わるにこしたことはないけど) 憧(シズたちにも回したかったな) 憧「ロン、24000」 史織「えっ」 えり「中堅戦終了ー!」 えり「そして、二回戦第二試合終了ー!」 終局 三箇牧 237000 (+12000) 阿知賀 134600 (+24000) 劔谷 41600 越谷 -13200 (-36000) えり「中堅戦東2局、阿知賀の新子憧が越谷の水谷史織を飛ばし、終了」 えり「準決勝へ駒を進めたのは―――」 えり「2位とは10万点差をつけ、4位とは25万点差をつけた三箇牧高校」 えり「そして、先鋒戦で大失点するも、次鋒戦で役満2回、倍満1回を和了し、中堅戦で三倍満を和了して巻き返した、阿知賀女子学院の二校です」 えり「戒能プロから見て、この中堅戦どうだったでしょうか?」 良子「越谷は、まあ運が悪かったとしかいいようがないな」 良子「不要牌はどれも他家のアガリ牌だったし」 良子「劔谷は倍満、三箇牧は数え役満の手をテンパイしていたのだから」 良子「何を切っても飛んでいた」 良子「三戦ともおかしな試合だったな」 えり「準決勝は明後日、7日目に行われます」 ―――――――――――――――――― 梢「多くの失点をして、1年生に回すことができなかった不甲斐ない上級生を代表して……謝罪します」 莉子「いえいえそんな!」 友香「部長は悪くないんでー!」 澄子「ですよね、私が悪いんですよね」ウワーン 美幸「あ、あんなのしょうがないよもー」 ―――――――――――――――――― 郁乃「戻ったで~ってあれ、もう終わってもうったん?」 憩「ええ、まあ……」 エイスリン「デバンナカッター!」ウワーン 咏「ごめん、ごめんってば!」 照「焼きプリンおいし」 ―――――――――――――――――― 憧「みんな、ごめん!」 穏乃「ちょっ、なんでアコが謝るんだよ?」 憧「だって、アラタとシズに回せなかったし……」 灼「別にそんなのいいから」 穏乃「そうだよ!準決勝進出!ベスト8なんだから!」 憧「二人とも……」 晴絵「でも、このままじゃダメなのは確かだな」 宥「次の相手は……」 晴絵「白糸台、あの宮永照の古巣だ」 晴絵「ここも手強い、流石に三箇牧が予想外すぎたけど」 晴絵「とにかく、浮かれてばっかじゃいられない」 晴絵「かといって沈んでばかりなのもダメだ」 玄「でも、あんな人たち相手にどうすれば……」 晴絵「私に1つ案がある」 晴絵「明日は練習試合をするぞ」 憧「練習試合って……どこと?」 晴絵「北大阪の2位……元関西最強……」 晴絵「千里山女子とだ!」 京太郎「二回戦勝利、準決勝進出、か」 京太郎「俺も頑張らないと」フンス 京太郎「次は明後日、白糸台と新道寺」 京太郎「決勝まで行けばいいな」 夜 京太郎「今日も外食行くか」 京太郎「竜華さんと怜さんも誘ってみよう」 京太郎「というわけで、行きましょうよ!」 竜華「いや、どういうわけやねん」 京太郎「会場から帰ってくるときにおばちゃんがやってるおいしそうな定食屋を見つけたんですよ!」 怜「せやから、それがどうして私たちを誘うわけになるんや」 京太郎「行ーきーまーしょーうーよー」 竜華「っていうかもう着いたっぽいんやけど」 怜「オンボロやなぁ」 京太郎「年季が入ってる、と言いましょう」 ガララ 叔母「久しぶりだね、京太郎」 京太郎「うん、おばちゃん!」 怜「おばちゃん…って」 竜華「ホンマもんの叔母ちゃんかいな!」 叔母「元気だったかい?」 京太郎「おう、もちろんだ!」 咲「あれ、京ちゃん?」 怜「京……」 竜華「ちゃん……?」 京太郎「よお、咲、久しぶりだな」 お品書き 東北寄せ集め定食 地元定食 信州そば定食 関西定食 九州ラーメン定食 京太郎「じゃあ俺関西定食で!」 怜「ほな私も同じので」 竜華「ウチもお願いしますー!」 叔母「元気だねぇ、じゃあちょっと待っててね」 怜竜「「はーい!」」 咲「……へぇ、モモちゃんの言う通りだったんだ」 京太郎「モモが何だって?」 咲「京ちゃんが夜な夜な女の子連れまわしてるって」 京太郎「してねえよ!」 叔母「京太郎もお盛んなんだねぇ、「俺、叔母ちゃんと結婚する!」って言ってたのが懐かしいわぁ」 京太郎「子どもの戯言だから!」 咲「…そういえば、京ちゃんの学校準決勝まで行ったんだってね」 京太郎「圧勝だったぜ!」 竜華「なあなあ京くん、その子も幼馴染なん?」 咲「はい、宮永咲っていいます」 怜「宮永ってことは、宮永さんの親族とかなんか?」 咲「妹です」 竜華「へぇ~、高校は?」 咲「清澄です」 怜「清澄言うたら明日愛宕さんとこと当たるとこやな」 竜華「そうなん?」 咲「はい」 竜華「ほなお姉ちゃん咲ちゃんが可愛いから応援するわー!」 怜「竜華、言うてることがおっさんみたいやで」 咲「は、はあ……ありがとうございます」 咲「京ちゃん!関西の人ってこんなのばっかりなの?」ボソボソ 京太郎「俺にもわからん」ボソボソ 【5日目】終 【インターハイ 6日目】 京太郎「明日が準決勝、今朝は咲たちの試合があるのか」 京太郎「何をしよう」 京太郎「じゃあ今日は試合見に行くか」 京太郎「竜華さんも行きませんか?」 竜華「今日はちょっと予定があるんや、ごめんな」 京太郎「いえ、いいですよ」 京太郎「じゃあ俺もう行きますね」 竜華「行ってらっしゃーい」 ――――――――――――――――― 京太郎「二回戦第三試合の対戦校は……」 京太郎「鹿児島代表、第3シード永水女子―――神代さんたちのところ」 京太郎「岩手代表宮守」 京太郎「南大阪代表、姫松―――真瀬さんたちのところ」 京太郎「長野代表、清澄か」 京太郎「観覧席も取れたし」 京太郎「観戦開始だ」 【先鋒戦】 京太郎「先鋒の4人は……」 京太郎「宮守は小瀬川さん、永水は神代さん、清澄は片岡さん」 京太郎「知り合いばかりじゃないか、たまげたなぁ」 京太郎「姫松は上重さん、か」 京太郎「片岡さんと小瀬川さんは打ったことがあるけど」 京太郎「神代さんはどんな打ち方をするんだろう……」 「先鋒戦開始ー!」 「先鋒戦終了ー!」 京太郎「神代さん、急に人が変わったみたいになったけど、あれも霞さんのいう神様の力なのかな……」 京太郎「片岡さんは序盤の火力が凄かったな」 京太郎「小瀬川さんが区間1位…実は凄い人なのか」 【次鋒戦】 京太郎「次鋒戦、姫松は真瀬さん」 京太郎「清澄はモモ、永水は狩宿さん、かりじゅくって読むのか」 京太郎「宮守は……みなみうら?いや、南浦さんか」 京太郎「ん?南浦ってプロにもいたような……」 「次鋒戦開始ー!」 「次鋒戦終了ー!」 京太郎「真瀬さんはちゃっかり+、宮守の人は後半凄かったけどモモに引っかけられてたな……」 京太郎「モモってやっぱり凄いやつだな……」 【中堅戦】 京太郎「中堅は…」 京太郎「清澄は竹井さん、永水は滝見さん」 京太郎「宮守の鹿倉さんって、本当に高三なのか?」 京太郎「姫松は洋榎さんか……」 京太郎「はてさてどうなることやら」 「中堅戦開始ー!」 「中堅戦終了ー!」 京太郎「竹井さん、凄かったけど」 京太郎「それ以上に洋榎さんの勢いが凄かったな……」 【副将戦】 京太郎「副将は清澄からは原村さん、姫松からは絹恵さん」 京太郎「宮守は臼沢さん、永水からは薄墨さん」 京太郎「薄墨さん、あんな服で大丈夫なのかな」 「副将戦開始ー!」 「副将戦終了ー!」 京太郎「薄墨さんの四喜和は……耐性ついちゃったからかあんまり驚かないな……」 京太郎「原村さんは上手かったな……」 【大将戦】 京太郎「最後の大詰め大将戦か」 京太郎「清澄は咲、宮守からは姉帯さん」 京太郎「姫松は末原さんで、永水は藤原さんか」 京太郎「姉帯さんやっぱり背高いなぁ」 京太郎「鹿倉さんといい、薄墨さんといい、変な身長の人が多い気がする……」 「大将戦、開始!」 「大将戦、終了!」 京太郎「姉帯さん、泣いてたな……」 京太郎「咲はなんか変な感じだったし」 京太郎「前半和了ってた人の勢いが後半になって急に衰えてたのは、なんだったんだろう」 京太郎「テンパイすらできてなかったみたいだし……」 京太郎「これでBブロックの準決勝進出二校は清澄と姫松に決まったのか」 京太郎「さてと、会場少しぶらついてから帰るか」 京太郎「でも、見ごたえのある試合だったな」ガコン 京太郎「夏はやっぱり夏みかんゼリージュースだよな」フリフリ 京太郎「ん?」 豊音「うぇええん」 京太郎「姉帯さん……悔しかったんだろうな」 京太郎「……そうだ」 京太郎「もう1個」ガコン ―――――――――――――――― 豊音「ぐすっ、ぐすっ」 塞「トヨネ、ここにいたんだ」 塞「みんな待ってるよ」 豊音「会わせる顔がないよ、ひぐっ」 塞「誰もトヨネを責めたりしないから、さ」 豊音「うっ、うん……」 塞「あれ?そのジュースは何?」 豊音「ジュース?」 ――――――――――――――――― 京太郎「あ、野口さん一人になっちゃった」 京太郎「そろそろ帰るかなーっと」 「あ、あのートイレってどこかわかります?」 京太郎「トイレでしたら……って洋榎さんじゃないですか」 洋榎「久しぶりやな!」 洋榎「ここにおるってことは見たんやろ?」 京太郎「何をですか?」 洋榎「ウチの活躍」ドヤァ 京太郎「あーはいはい」 絹恵「お姉ちゃん、監督呼んどったで」 絹恵「って、須賀くん?」 京太郎「どうも」 洋榎「ウチらの試合見とったんやて」 絹恵「ほんま?」 京太郎「はい、いい試合でしたよ」 絹恵「そかそか、良かったぁ」 洋榎「須賀のとこは三箇牧やったな」 洋榎「決勝で潰したるわ、このウチがな!」 京太郎「はいはい、待ってますよ」 絹恵「おお、すっごい冷静」 絹恵「それどころやなかった、ほら、お姉ちゃん行くで」 洋榎「ほな須賀じゃあな~」 絹恵「ばいばい」 京太郎「はい、さようなら~」 京太郎「飯食って一旦帰るか」 京太郎「でも金少ないんだよな、どうしよ」 京太郎「100円あったらマックに行こう!」 由子「あ、須賀くんなのよー」 京太郎「真瀬さん、部活の方はいいんですか?」 由子「昼食は各自で、ってなったのよー」 京太郎「じゃあ俺と食べませんか?」 由子「了解なのよー」 京太郎「ビッグマック2つって結構食べますね」 由子「これが本当のビッグマウスなのよー」アハハ 由子「そういう京ちゃんはハンバーガー1つで足りるのよー?」 京太郎「あれ、今何て?」 由子「京ちゃんって……ダメ?」 由子「この前モモちゃんが言うてたから真似してみたんやけど」 京太郎「あ、いや、いいですよ」 京太郎「金欠ですから、少し節約を、と思いまして」 由子「それは大変なのよー」 由子「それなら、はい」 京太郎「ポテト、Lサイズまるごとなんていいんですか?」 由子「困った人の窮地を助けるのが」 由子「先輩ってものなのよー」ポンポン 京太郎「真瀬さん!」 由子「由子でいいのよー」 京太郎「由子さん!ありがとうございます!」 由子「少し目が恐いのよー」 午後 京太郎「対策の時間でい!」 京太郎「げっへっへ、今日は誰を対策してやろうかぁ」 京太郎「…………」 京太郎「新道寺、白糸台、阿知賀の対策をするか」 京太郎「それとも勝った気で清澄とか姫松の対策をするか」 京太郎「誰にしよう」 京太郎「照、菫さんの弱点とかってわからないか?」 照「また対策?」 京太郎「みんなの力になりたいからな!」 照「弱点か……わからないな」 照「菫にクセとかあったかな……」ウーン 京太郎「さてと、二回戦の映像と牌譜は……」 京太郎「…………」ジーッ 京太郎「あれ、ここの待ちおかしくないか?」 京太郎「でもその後には和了ってる」 京太郎「まるでその人がその牌を切るのがわかっていたかのように……」 京太郎「前打ったときにもそんなことがあったな……」 京太郎「じゃあ和了る相手を狙える?」 京太郎「次は映像を見てみるか……」 ――――――――――――――――― 京太郎「あれ、今、腕と目が……もう1回」 京太郎「やっぱり少し動いてるな」 京太郎「そうか、そういうことだったのか!」 京太郎「あー目が痛いー」 京太郎「疲れたー」 京太郎「メールでもするか」 京太郎「誰に送ろう」 京太郎「姉帯さんにしよう」 京太郎「そういえば、あのジュース気づいてくれたかな」 京太郎「よし」 京太郎『ジュースおいしかったですか?』 竜華「ただいまー」 京太郎「お帰りなさい」 竜華「ふふっ、みんな明日はびっくりするで!」 京太郎「どうしてですか?」 竜華「秘密や!」 竜華「シャワー先浴びるでー」 京太郎「どうぞー」 ヴーッ ヴーッ 京太郎「あ、返ってきた」 豊音『ど、どうしてそのことを知ってるのー?』 京太郎「ううむ」 京太郎「ここで「俺が置いておきました!」っていうと、なんか優しぶってる感がして嫌なんだよな……」 京太郎「どうしよう」 京太郎『エスパー須賀です』 京太郎「こうやって考えすぎてるから友達できないのかもな、送信っと」 ヴーッ ヴーッ 京太郎「返信早っ!」 豊音『あ、そうなんだーじゃあ今度やってみせてよ!メンタ』 豊音『リズムっていうの!』 豊音『頑張ってやってみせて!』 豊音『東京にいるときに』 豊音『ね?』 京太郎「出来ないけど……まあいっか」 京太郎『期待してくださいね、おやすみなさい』 京太郎「さて、寝るか」 竜華「あれ、シャワー浴びないん?」 京太郎「あ、そうでしたね……って竜華さん!?」 竜華「な、なんや」 竜華「今日はバスタオルやなくてバスローブやで」 京太郎「それもダメですって!」 【6日目】終 【インターハイ 7日目】 京太郎「いよいよ準決勝!」 京太郎「楽しみすぎて5時に起きてしまったぜ!」 京太郎「試合は9時からだけど、どうするかな」 京太郎「会場に行くか」 【会場前】 京太郎「開館は8時だからまだ開いてないよな」 京太郎「今7時だし、何やってんだろう」 京太郎「あれ、なんで列ができてるんだ?」 「インターハイ準決勝観覧席入場の列の最後尾はここです」 京太郎「これ、俺たちの試合を見に来た人たちの列なのか」 京太郎「なんだか滾ってきたぞ!」 京太郎「準決勝頑張るぞ!」 京太郎「俺たちの戦いはこれからだ!」 【対局室】 照(準決勝、やえと昨日の人、松実さんが相手か)ペラッ 照(気は、抜けないな)パタッ やえ「お待たせ!」 照「待ってない」 玄(宮永さんは元白糸台だったんだよね、この人と何かあったのかな?) 煌「みなさんおそろいですね、すばらです!」 煌「真打は後から登場するって!」 煌「小走さんには2回戦でボッコボコ……とまでではないほどにやられたけど」 煌「なんにせよ今日の日は負けませんよ?」 開局 親 玄 100000 照 100000 やえ 100000 煌 100000 煌(この面子相手に早速テンパイ…すばらです) 煌(ですが、ドラが無いのがすばらくないですね) 煌(阿知賀の松実さん、ですか) 煌(まあ真っ直ぐいきましょう!) 煌「ロン、5200!」 煌「すばらです!」 玄「はいぃ」 照「…………」 【照魔鏡】発動!ゴッ 玄「!」ゾクッ 玄(また……) やえ(来たか……) やえ(テンパイできなかったのが痛すぎたな) やえ(だが、私はお前を超えてみせる) 煌(変な感じがしますねぇ) 照「……」 東2局 玄 94800 親 照 100000 やえ 100000 煌 105200 全員ノーテンのため、流局 照(親なのにテンパイできないとはこれいかに……うむむ) 京太郎「照が張れてない!?」 霞「調子が悪いのかしら」 咏「でも、このままズルズルいったらまずいんじゃねーの?」 憩「せやな、小走さんは照ちゃんのこと知っとるやろうし」 郁乃「あの子はちょ~っと恐いからな~」 東3局1本場 玄 94800 照 100000 親 やえ 100000 煌 105200 やえ(まだ、アレは使わないでおこう) やえ(張ってるのは私と新道寺) やえ(リーチをする必要はない) やえ(時に手堅く、時に大胆、それが王者というものだ)トン 煌「あ、それロンです」 煌「高目なので跳満、12300ですばらです!」 やえ「なっ……!」 照(アカン、これはアカン) 東4局 玄 94800 照 100000 やえ 87700 親 煌 117500 煌(すばら!この調子でリードを作りましょう!)トン 照「ポン」 やえ(ようやくか) 玄(なんでいつもテンパイできないのぉ……) 照「ロン、1000」 南1局 親 玄 93800 照 101000 やえ 87700 煌 117500 照「ロン、2000」 恒子「ついに始まるのかチャンピオン宮永照の連荘!」 健夜「二回戦で見せたあの勢いはどこへ行ったのでしょうか」 恒子「そう?3連続ノーテンなんて誰でもあるけど」 健夜「宮永選手は今までそんな連続ノーテンなんてなかったんですよ」 健夜「ただでさえ打点が低いのに南場から稼ぎ始めるとなると、少し不安が生じますね」 南2局 玄 91800 親 照 103000 やえ 87700 煌 117500 照「ロン、5800」 玄(この前よりも点棒は残ってる) 玄(まだまだ頑張るのです!) やえ(もうちょい様子見しとくか……) 南2局1本場 玄 86000 親 照 108800 やえ 87700 煌 117500 同コンマのため、流局 照(よし、いい調子) 照(このまま……) 照「テンパイ」 やえ「ノーテン」 煌「ノーテン」 玄「ノーテン」 照(嘘だろおい) 南2局2本場 玄 85000 照 111800 親 やえ 86700 煌 116500 やえ(うぐぐ、テンパイできない) 煌(あちゃーもう勢い尽きましたかー) 煌(すばらくないですねー) 玄(やっとテンパイ、これは和了らないとね!)トン 照「ロン、1600」 南2局3本場 玄 82900 親 照 113900 やえ 86700 煌 116500 照「ロン、3800」 玄「はい……」 玄(宮永さんの親で流局して、連荘開始) 玄(また、二回戦みたいに……) 玄(いやいや!)ブンブン 玄(そうはいかないのです!) 煌(まくられましたがすばらっ!) 煌(張り合って見せますよ~) やえ(阿知賀、新道寺、三箇牧) やえ(私も、負けるわけにはいかないな) 南2局4本場 玄 79100 親 照 117600 やえ 86700 煌 116500 やえ(テンパイできず……懐かしいな) やえ(この支配、圧倒的なお前) やえ(これを東場から見せてくれていたらな) やえ(やはり、楽しい) 照「ツモ、2400オール」 南2局5本場 玄 76700 親 照 124800 やえ 84300 煌 114100 照「ツモ、3100オール」 恒子「ついに始まってしまったチャンピオン宮永の連荘第二部!」 恒子「二回戦同様他校を圧倒し続けるのか!」 恒子「そして予想を外したすこやんのしょんぼり顔!カメラさん、アップで!」 健夜「見えないよね!解説だから顔見えないよね!?」 南2局6本場 玄 73600 親 照 134100 やえ 81200 煌 111000 照「ロン、11400」 郁乃「もういつも通りの照ちゃんやな~」 エイスリン「ユダンタイテキ!」 エイスリン「ユダンハキンモツ!」 憩「キン……モツ……」 南2局7本場 玄 62200 親 照 145500 やえ 81200 煌 111000 やえ(ようやくテンパイ、それじゃあ) やえ(お見せしよう!) やえ「リーチ!」 やえ(王者の打ち筋を!) 玄(小走さんのリーチ……!) 玄(小走さんがリーチをした後、同卓者のうちの一人だけムダヅモが無くなる) 玄(手が早く進む、って赤土先生が言ってた) 玄(その一人って……) やえ(阿知賀は確か二回戦次鋒戦での収支がずば抜けていた) やえ(菫でも抑えきれるとは思うが) やえ(叩いておく!) 玄「リーチ!」 やえ(なんでいつも私が狙おうとした人から追いかけられるんだろうな……)トン 照(やえ、前から変わったんだね) 照(でもどうやら……) 玄「ロン!」 照(恵まれてはいないみたいだ) やえ「なっ……!」 玄「リーチ一発ドラ8、裏2」 玄「34100です!」フンス 照(おっぱいも……) 南3局 玄 96300 照 145500 親 やえ 47100 煌 111000 煌(数え役満とは、実にすばらです!) 煌(私もあやかりたいものですね)トン 照「ロン、1000」 煌「すばっ!」 オーラス 玄 96300 照 146500 やえ 47100 親 煌 110000 やえ(役満直撃されて反撃できず、か) やえ(菫たちに顔向けできないな……) やえ(お菓子でも買いに行くか)トン 煌(オーラス、ノーテン……ここまででしたか) 煌(捨て駒以上の働きをしましたよ!) 煌(後は後ろの人たちに任せましょう)トン 玄(点棒取られちゃったけど、そのぶん取り返したよ!) 玄(みんなで決勝まで行かないとだからね!)トン 照(おおよそ5万点、このくらいがベストなのかな、みんなのために) 照(……みんなのため) 照「ツモ、500・1000」 終局 三箇牧 148500 (+48500) 新道寺 109000 (+9000) 阿知賀 95800 (-4200) 白糸台 46700 (-53300) 恒子「先鋒戦終了ー!」 恒子「現在トップはやはりチャンピオン宮永照!」 健夜「微妙な立ち上がりでしたが、中々の収支であったと思います」 恒子「続いて新道寺の花田煌が健闘し、現在2位!」 健夜「調子が良かったのでしょう」 恒子「3位は阿知賀!大量失点をするも数え役満を和了りました!」 健夜「当てられた小走選手は打点こそ高いですが注意力不足でしたね」 恒子「そして4位は意外にも白糸台でした!」 恒子「白熱の準決勝、休憩後に次鋒戦スタートです!」 京太郎「さてと、どっか行ってくるか」 京太郎「トイレに行っておこう」タッタッ 煌「すばすばす~ばら、すばら♪」 京太郎「あ、花田さん」 煌「おやおや、須賀くんではありませんか」 煌「今の試合、どうでしたか?」ニコニコ 京太郎「あの跳満良かったですね!すご……」ピトッ 煌「すばら、です」 京太郎「すばらでした!」 煌「いやぁ、面と向かってそう言われると照れますねぇ」 煌「そういえば、須賀くんは三箇牧でしたね」 煌「ここから先は、どちらが勝っても恨みっこなしですよ」スッ 京太郎「それはこっちの台詞です」ニギッ 煌「ふふっ、それではまた会いましょうね!」 京太郎「はい!」 煌「すば~らすばすばすばらっとっすばら~♪」 京太郎「何だか元気そうだったな」 ピンポンパンポーン 「間もなく次鋒戦が始まります、各選手は対局室へ向かってください」 ピンポンパンポーン 京太郎「やばっ、急がなきゃ!」 【対局室】 宥(玄ちゃん、頑張ってたから) 宥(お姉ちゃんも頑張るよ)ギュッ 菫(こいつが阿知賀の次鋒、松実宥か) 菫「…………」ギロッ 宥「はうっ」ブルブル 美子(なしてマフラーば着けよっと?睨んどっと?) 郁乃「遅れてごめんな~」 郁乃「ほな、始めよか~」 開局 親 宥 95800 郁乃 148500 菫 46700 美子 109000 美子(二回戦ときば打ち方しとったらまたあん人に射抜かれる) 美子(花田が作ったリードば広げる、そいがウチの役目) 菫(三箇牧……一度も卓に入っていなかったが) 菫(射抜いてみるか) 菫(テンパイしたら)トン 美子「ロン、1000です」 東2局 宥 95800 親 郁乃 148500 菫 45700 美子 110000 同コンマのため、流局 菫(阿知賀と三箇牧が張ったか……) 菫(完全に出遅れたな) 美子(テンパイ無理そう) 美子(オリやな) 東2局1本場 宥 97300 (+1500) 親 郁乃 150000 (+1500) 菫 44200 (-2500) 美子 108500 (-500) 同コンマのため、流局 京太郎「また流局ですか」 照「ただいま」 エイスリン「テルオカエリー!」 咏「お疲れさまだぜぃ」 照「お菓子買ってきた」 憩「お、この蒸しケーキおいしそうやな、もらっていい?」 照「うん」 咏「じゃあ私は抹茶ケーキ」 エイスリン「イチゴ!」 京太郎「俺は焼きプリンもらうな」 照「それはダメ」 東2局2本場 宥 98800 (+3000) 親 郁乃 151500 (+3000) 菫 42700 (-4000) 美子 107000 (-2000) やえ「ただいまー……」 淡「やえ先輩おかえりなさーい」 誠子「お疲れ様サマです!」 尭深「お茶、淹れましょうか?」 やえ「いや、帰りがけに買ってきたからいい」 やえ「菫はどんな感じだ?」 誠子「始まってからずっとテンパイしてません」 やえ「まだ東2局か」 淡「ちゃっちゃと回ってくるといいなー」 郁乃「ロン、12000の2本場は~ドゥルルルルルル」 菫「早くしろ」 郁乃「12600や~」 郁乃「も~そんな怒らんといてや~」 東2局3本場 宥 98800 (+3000) 親 郁乃 164100 (+15600) 菫 30100 (-16600) 美子 107000 (-2000) 郁乃(配牌国士一向聴か~) 郁乃(めんどくさいから流そかな~)スチャ 手牌:一九①①⑨19東南北白發 ツモ:西 郁乃(張っちゃった~) 郁乃(中待ちやけど、まあええわ……) 菫(早く取り返さなくては)トン 郁乃(この子から和了ったら終わってまうやん~) 郁乃(見逃そかな……あ、中ってたしか~) 宥(中が3枚……よし) 郁乃(流しでええか……) 東2局4本場 宥 99800 (+4000) 親 郁乃 165100 (+16600) 菫 27100 (-19600) 美子 108000 (-1000) 菫(やっと張れた……よし) 菫(標的は、三箇牧)ギュッ 郁乃(あ~これが京太郎くんの言っとったやつか~) 宥(手が動いた……) 宥(三箇牧の人……)トン 郁乃「ロン、7000やで」 宥「ははい!」 東2局5本場 宥 92800 (-3000) 親 郁乃 172100 (+23600) 菫 27100 (-19600) 美子 108000 (-1000) 郁乃「ツモ、2500オール」 恒子「三箇牧の赤阪止まらないー!」 恒子「チャンピオン宮永にも劣らぬ勢い!果たして誰が止めるのか!」 健夜「姫松の赤阪元監督代行の妹さんですか、彼女はところどころ不思議な人物ですね」 健夜「まるで場の流れを操っているかのように立ち回るように思えます」 健夜「姉の郁乃さんと似た打ち筋ですね」 京太郎(まあ、本人ですし) 霞(しょうがないわよね……) 東2局6本場 宥 90300 (-5500) 親 郁乃 179600 (+31100) 菫 24600 (-22100) 美子 105500 (-3500) 同コンマのため、流局 東2局7本場 宥 91300 (-4500) 親 郁乃 180600 (+32100) 菫 21600 (-22100) 美子 106500 (-2500) 同コンマのため、流局 淡「また流局なのー?」 誠子「まあそういうときもあるだろ」 やえ「菫……」 尭深(このくらい長引いたら楽そうだな……)ズズッ 東2局8本場 宥 92800 (-3000) 親 郁乃 182100 (+33600) 菫 20100 (-23600) 美子 105000 (-4000) 郁乃「ロン、8200や~」 菫「……くっ」グスッ 菫(なぜ、射抜けないんだ) 郁乃(段々可哀そうになってきたな~) 郁乃(トバれても困るし~う~ん……) 東2局9本場 宥 92800 (-3000) 親 郁乃 190300 (+41800) 菫 11900 (-31800) 美子 105000 (-4000) 菫(ツモ……射抜けなかったが、これでいい) 菫(これで、精一杯だ)ギリッ 菫「ツモ、2200・3500」 菫(すまない、みんな) 東3局 宥 90600 (-5200) 郁乃 186800 (+38300) 親 菫 19800 (-23900) 美子 102800 (-6200) 菫(今度こそ)ギシッ 郁乃(弘世ちゃん戻っちゃったみたいやな~) 郁乃(さて、と) 郁乃「ツモ、2000・4000」 東4局 宥 88600 (-7200) 郁乃 194800 (+46300) 菫 15800 (-27900) 親 美子 100800 (-8200) 郁乃「ツモ~1600・3200やで~」 宥(この人……ずっと笑ってるけど) 宥(あったかくない) 菫(まだだ、まだいけるだろ私!) 美子(なんやこの邪魔されとるような感覚) 美子(準決勝、やっぱり厳しか) 南1局 親 宥 87000 (-8800) 郁乃 201200 (+52700) 菫 14200 (-29500) 美子 97600 (-11400) 菫(張った……) 菫(射抜くなら三箇牧、と思っていたが) 菫(作戦変更、新道寺と阿知賀を平らにして尭深たちに回す) 菫(だからまずは……)ギシッ 菫(新道寺) 美子(狙われとっとですか……) 美子(少し、遠回りを)トン 菫(よし!) 菫「ロン、6400」 美子「……はい」 美子(ダメですか……) 南2局 宥 87000 (-8800) 親 郁乃 201200 (+52700) 菫 20600 (-23100) 美子 91200 (-17800) 菫(張れた!) 菫(一気にいくぞ!) 菫「ツモ!6000・12000!」 菫(失点は取り返した) 菫(できるじゃないか私!) 菫(勝てる……勝てるんだ!) 南3局 宥 81000 (-2800) 郁乃 189200 (+40700) 親 菫 44600 (+900) 美子 85200 (-11800) 菫(張れた……) 菫(次に狙うは……阿知賀!)ギシッ 美子(阿知賀の人が狙われた、こん隙を撃つ!) 菫(……)トン 美子「ロン、8000」 菫「なにっ!?」 オーラス 宥 81000 (-2800) 郁乃 189200 (+40700) 菫 36600 (-7100) 親 美子 93200 (-3800) 菫(配牌よし、ツモよし) 菫(万全、次は三箇牧を……)ギシッ 郁乃(ちょいと気ぃ回しすぎたかな~?) 郁乃(まあ、これで全部チャラや~) 郁乃「ツモ~6000・12000」 郁乃「これにて終了~」 次鋒戦終了 三箇牧 213200 (+64700) 新道寺 81200 (-27800) 阿知賀 75000 (-20800) 白糸台 30600 (-16100) 恒子「準決勝次鋒戦やっと終了ー!」 恒子「序盤、三箇牧の赤阪郁代が宮永の作ったリードをさらに広げるも、白糸台の弘世菫が反撃!」 恒子「収支をなんとか+にするも新道寺の安河内美子に直撃され再び-に!」 恒子「そして赤阪が三倍満をツモりオーラスを制しました!」 恒子「まさに二極の魔王!白糸台は反撃することができるのか!?」 京太郎「これまた長かったですね……」 照「流局多い」 咏「さーてと、次はまたあのガキとかぃ」 エイスリン「アタラシサン!」 咏「そそ、あの生意気なやつな」 憩(咏ちゃんの方が子供っぽいんやけどな……) 咏「じゃ、行ってくるねぃ~」 憩「行ってらっしゃ~い」 京太郎「じゃあ俺も少し出てきます」 「中堅戦開始ー!」 京太郎「あっ、速く帰らないと!」 ドシーン! 菫「いっ……」 京太郎「すみません、立てますか?」 菫「お構いなく、大丈夫で……す」 京太郎「弘世……さん?」 菫「三箇牧の次鋒にはやられたよ」 菫「不甲斐ないよな、私」 京太郎「でも、中盤の追い上げは凄かったじゃないですか!」 菫「その前に私は飛ばされていたんだぞ!」 菫「飛ばされるはずだったんだ、控室からも見ていただろう」 菫「国士見逃し」 京太郎「……気づいていたんですか」 菫「開いたときはチャンタになっていたがな、誰でも気づくさ」 菫「私は生かされていたんだ、白糸台の部長ともあろう私が」 菫「部員たちに……っ、淡や亦野や尭深にっ、やえに会わせる顔が無い……っ」グスッ 京太郎「……今は、誰も見てないですから」ナデナデ 菫「うっ……うぐっ……」ポロポロ ――――――――――――― 憧「一昨日の2回戦ではどうも」ジッ 咏「覚えててくれたみたいで何よりだねぃ~」ジッ 尭深(三尋木さんの和服可愛いな……) 尭深(私も今度は着て来ようかな)ズズッ 開局 親 仁美 81200 尭深 30600 憧 75000 咏 213200 同コンマのため、流局 淡「スミレ先輩戻ってこないですねー」 やえ「あいつは気負いすぎるところがあるからな」 誠子「迎えに行ってきます!」 やえ「いや、一人にしておけ」 誠子「はい……」 東1局一本場 親 仁美 82200 尭深 27600 憧 76000 咏 214200 憧(早速一本場しちゃったか~) 憧(さっさと流さないと) 憧「ポン!」 憧(後がつっかえる) 憧(それにこのちっこいのも抑えてないと……) 憧「ロン!1300!」 憧(疲れるわ、これ) 東2局 仁美 82200 親 尭深 27600 憧 77300 咏 212900 憧「ロン!5200!」 咏「うげっ」 憧(できれば新道寺も削っておきたいけど) 咏「良いことないねぃ~」 憧(このチビから削るのがベスト!) 東3局 仁美 82200 尭深 27600 親 憧 82500 咏 207700 憧(ノーテンで流局直行!) 憧(これで最後!)トン 咏「ロン、12000」 咏「ダメだぜぃ~ちゃんと注意しなきゃ」 憧(むかつくな~こいつ)イライラ 尭深(続かない……) 東4局 仁美 82200 尭深 27600 憧 70500 親 咏 219700 憧「ロン!1000!」 咏「またかよぉ……」 憧「鳴いてるんだからもっと注意しなきゃダメじゃない」 咏「むっかー!お前後で覚えとけよな!」 仁美(和了れん……なんもかんも政治が悪い……) 南1局 親 仁美 82200 尭深 27600 憧 71500 咏 218700 憧「ツモ!3000・6000!」 仁美「おーやりますなー」 尭深(それ捲られて言う台詞?)ズズッ 憩「咏ちゃん全然和了っとらんね」 エイスリン「ヘイコウセン」 照「このまま何も無ければいいけど……」 郁乃「あれ?照ちゃん尭深ちゃんのこと知らんの~?」 照「打ったことは無い」 郁乃「おもろい子やから見といてみ~」 南2局 仁美 76200 親 尭深 24600 憧 83500 咏 215700 同コンマのため、流局 尭深「テンパイ」 憧「テンパイ」 咏「テンパイ」 仁美「ノーテン」 憧(また流局?) 菫「尭深は順調か?」 やえ「ああ、お帰り」 誠子「振り込むことなく仕込んで行ってます」 菫「そうか、順調か」 淡「このまま行けばいいですねー」 菫「そうだな、そうなってくれれば幸いだ」 南2局一本場 仁美 73200 親 尭深 25600 憧 84500 咏 216700 咏「ツモ!4100・8100!」 尭深「……はい」 尭深(あと、少し) 憧(また大きいのを!) 憧(でもオーラスで渋谷尭深が役満ツモれば今のはチャラになるのよね……) 憧(こうなったら和了りにいく!) 【対策 尭深】の効果が切れました 南3局 仁美 69100 尭深 17500 親 憧 80400 咏 233000 憧「ツモ、3200オール!」 憧(このままこのまま!) 咏(こいつぅ……) 穏乃「憧、すっごいなぁ」 晴絵「あ~あ、吹っ切れちゃったか」 灼「また飛ばしちゃうかも……」 晴絵「多分大丈夫でしょ、どっかで止まるさ」 南3局一本場 仁美 65900 尭深 14300 親 憧 90000 咏 229800 憧(うわっ、三倍満ツモっちゃった~) 憧(このままだと渋谷尭深が危ないし、シズたちにも回したい) 憧(よし、流そ) 憧(もったいないんだけどなぁ……) オーラス二本場 仁美 64900 尭深 13300 憧 89000 親 咏 232800 憧(ついに来た、オーラス……!) 咏(とっととあの一年から和了ってヤメるかねぃ) 仁美(テンパイ……ここは攻めに行くけん!) 尭深「……」ズズッ 憧(って、他の2人緊張感無さすぎ!) 憧(渋谷尭深のこれまでの一巡目の捨て牌は……) 憧(西白白中發中白發西一……大三元どころか字一色!?) 憧(やっぱりオリよね……) 咏(全然こねぇな……)トン 尭深「ロン、32600」 咏「うげっ」 咏「オーラスで振り込むとかマジかよ」 咏「はいよ」 咏「え!?役満!?」 尭深「は、はい」 咏「マジっすか……」 恒子「中堅戦終了ー!」 中堅戦終了 三箇牧 200200 (-13000) 阿知賀 89000 (+14000) 新道寺 64900 (-16300) 白糸台 45900 (+15300) 恒子「中堅戦決着!」 恒子「大きい和了りをするも振り込み続け失点した三箇牧は依然として1位!」 恒子「阿知賀は三箇牧から点を奪い続け2位浮上!」 恒子「そして新道寺は3位に転落」 恒子「白糸台はオーラスに役満を1位の三箇牧から和了り、巻き返しを図ります!」 憩「久しぶりのインターハイ!初めての団体戦!」 憩「行ってくるわ!」 エイスリン「イッテラッシャイ!」フリフリ 京太郎「頑張ってくださいね!」 憩「任しとき!」タッタッ 郁乃「でも咏ちゃんが削られるとはな~」 京太郎「点棒はいくらでもあるし、まだ大丈夫でしょう」 郁乃「せやな~」 京太郎「あ、俺少し出かけてきます」
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6402.html
【白糸台駅前】 京太郎「ここが東京かー!」 咏「って言ってもこっちは西東京だから三箇牧とはそんな変わらねぃよ」 エイスリン「トーキョー、イキタイ!」カキカキ バッ |スカイツリーの絵| 憩「それはインハイのときに行こうなー」 エイスリン「ウン!」 郁乃「ぐへへ」 霞「んー、そろそろ誰かが迎えに来るはずだけど……まだかしら」 誠子「あのー、三箇牧高校の方でしょうか?」 良子「いかにも」 誠子「か、戒能プロ!?」 霞「あなたは違うでしょ」 霞「私は麻雀部の顧問、石戸霞よ」 誠子「私は白糸台2年亦野誠子と申します、今回は遠路はるばるよくいらっしゃいました」 霞「あら、ご丁寧にどうも」 誠子「それではこちらです」 京太郎(なんかあの人から川の匂いがするな) ―――――――――――――――――――― 誠子「ここが白糸台の麻雀部です」 バタム 誠子「三箇牧の方々がいらっしゃいましたー」 「「「いらっしゃいませ!」」」 京太郎「うおっ…って」 咏「あれ、案外少ないんだねぃ。見たところ全員で20人くらいってところだけど」 誠子「っ!」 菫「落ち着け、誠子」 誠子「ですが、どこのせいでこうなったと!」 京太郎「あ、あなたは雀荘にいたマシュマロの人!」 菫「弘世だ!弘世菫だ!」 誠子「私はお前らを許さない!」 京太郎「あ、そうですか」 白糸監督「よし、お互い揃ったことだし、まずは適当に打ってみようか」 「「「はい!!!」」」 京太郎「対局か……どの卓に入ろうかな」 京太郎「どこか空いてるかなー」 誠子「おい、そこのお前」 京太郎「俺ですか?」 誠子「そうだ、お前、私と打て」 京太郎「別にいいですけど」 憩「お、京太郎君ここで打つん?」 京太郎「はい」 憩「じゃあ私も打つわー」 誠子「これで3人か…あと1人は……」 ??「おまたせ!」 ??「ん?どうした?」 誠子「ちょうどよかった、私たちと打ちましょう」 ??「そうか、いいだろう」 ??「お見せしよう!王者の打ち筋を!」 やえ「よろしく!」 誠子「……」 憩「よろしくやで」 京太郎「よろしくお願いします」 開局 憩(テンパイ……親やし、東風やし、初っ端から仕掛けてくでー!)カッ 【孔穿つ閃光】発動! やえ「王者リーチ!」 憩「通らんです、ロン、12000」 やえ「えっ」 東1局1本場 親 憩 37000 京太郎 25000 誠子 25000 やえ 13000 ※【王者の打ち筋】の効果はBです 憩とやえが同コンマのため、流局 東2局 流れ1本場 憩 36000 親 京太郎 28000 誠子 24000 やえ 12000 ※【王者の打ち筋】の効果はBです 京太郎「ロン、1800です」 やえ「ふっ、その程度ならいくらでもくれてやる!さあ次だ!」 東2局 2本場 憩 36000 親 京太郎 29800 誠子 24000 やえ 10200 ※【王者の打ち筋】の効果はBです 京太郎「ツモ、1200オールです!」 誠子(まだだ、まだ待つんだ……) やえ(調子悪いよぉ) 東2局 3本場 憩 34800 親 京太郎 33400 誠子 22800 やえ 9000 ※【王者の打ち筋】の効果はBです 京太郎「ロン、6700です」 やえ「……はい」 やえ(誠子に良い所見せようって思ったのに……) やえ(やっぱりダメなのかな) 東2局 4本場 憩 34800 親 京太郎 40100 誠子 22800 やえ 2300 ※【王者の打ち筋】の効果はBです 憩(ようやくテンパイか……ほなもう1発!) 【孔穿つ閃光】発動! 京太郎「……よし」ギュルギュル 誠子(こいつ、どこか宮永先輩に似ている……) やえ(それでも、最後まで誠子に見せるんだ!私の雄姿を!) やえ「いけっ!」トン 憩「あ、それロンや、6400の4本場は7600ですね」 やえ「これで私のトビ、だな」 誠子(あれ、私なんかやったっけ?) 終局 憩 42400 京太郎 40100 誠子 22800 やえ -5600 やえ「おつかれ、楽しい卓だった」 憩「そうですか、また打ちましょうねー」 やえ「ああ、よろしく頼む」 京太郎「ありがとうございました」 やえ「誠子、お前ももう十分わかっただろう、なぜ照が三箇牧に行ったのかを」 誠子「それでも、私は!」 やえ「誠子」 やえ「頭を冷やせ、いいな?」 誠子「……はい」 京太郎「何の話だったんでしょうね」 憩「わからんなー」 京太郎「昼だー!さて、どこに食いに行くか」 誠子「おつかれさまでした」 やえ「ああ、お疲れ」 やえ「はぁ……結局負けか…」 やえ「周りは全員下級生、特に1位の子は1年生…」 やえ「トぶのは避けたかったな」グスッ やえ「あれ、どうして涙が出てるんだ」ポロポロ やえ「悔しくない、悔しくないはず、なのに」ポロポロ 白糸台A「小走せんぱーい!」 やえ「な、なんだ?」ゴシゴシ 白糸台A「小走先輩!私たちと打ちませんか?」 やえ「わ、わかったすぐ行くから待っててくれ」 白糸台A「はい!」タッタッ やえ「こら、部室で走るんじゃない、せめて小走りにしろ」 白糸台A「はーい」 やえ「そうだ、こうして後輩も慕ってくれているんだ」ゴシゴシ やえ「もっと頑張らないとな!」キッ 京太郎「ここが白糸台の学食か」 京太郎「白糸こんにゃく定食とかあるのかな?」 尭深(何言ってるんだろうこの子) メニュー アカマムシラーメン 激辛うどん 白糸こんにゃく定食 三箇牧たこ焼き 関東ステーキ定食 桜そば 全て500円均一 京太郎「どれにしようかなー」 京太郎「白糸こんにゃく定食ないかなー」 尭深(あるわけないでしょ) 京太郎「あ、あった」 尭深「」ガタッ 京太郎「あれ、どうかしました?」 尭深(い、いえ何でもありませんよ) 京太郎「?」 尭深(喋ってなかった!?) 尭深(ここはちゃんとした対応をして2年生の威厳を見せよう) 尭深「いえ、なんでもにゃいわよ」 京太郎「?」 尭深(そこで噛みます!?) 京太郎(なんかよくわからない人だな……でもこんな人麻雀部にいたような) 京太郎「あ、渋谷さんだ」 尭深(どうして私の苗字をっ!?て思ったけどこの子麻雀部か) 尭深(よし、今度こそ) 尭深「いかにも、私こそが渋谷尭深でアリゾナ」 京太郎「?」 尭深(またやっちまったよ~ぃ) 尭深(大体アリゾナって何!?) 京太郎(そうか、これは渋谷さんのネタなんだな、よし) 京太郎「俺は須賀京太郎でス、スペイン?」 尭深(なんか変なゲーム始まっちゃたよおおお!) 京太郎「あの後、渋谷さんとお茶について語りあっていた」 京太郎「おかしな人だったな」 京太郎「雑用でもするか」 京太郎「牌譜の整理でもするか」 京太郎「資料室は、ここか」 京太郎「なんか血の臭いがするけど、まあいいか」 京太郎「あ」 やえ「あ」 京太郎「小走さんはいつもこんなふうに雑用をしているんですか?」 やえ「ああ、後輩たちが菫たちレギュラー陣と打ってる間にな」 京太郎「へぇ、いい先輩ですね」 やえ「そ、そうか?」 京太郎「はい、小走さんを先輩に持てて幸せですよ、皆さん」 やえ「そんなに言われると……その…」カミクルクル 京太郎「どうかしました?」 やえ「い、いやなんでもないぞ!ささ、整理整理!」 京太郎「次は何をしよう」 やえ「じゃあそろそろ私は行くな」 京太郎「はい、ありがとうございました」 ガチャ 京太郎「ふっふっふ、ついに潜入に成功したぞ!これで白糸台の牌譜見放題だ!」 郁乃「いぇい~♪」 京太郎「なんでいるんですか……」 郁乃「いつかは当たる相手のことを研究するのは悪いことやないからな~」 郁乃「じゃあ私がこっち見るから京太郎くんはあっち見といてや~」 京太郎「はい」 京太郎「……これ、さっきの対局の牌譜か」 京太郎「ふむふむ」 京太郎「もう夕方か……」 京太郎「誰かと特訓するかー」 「「「おつかれさまでしたー」」」 やえ「ああ、おつかれ」 京太郎「小走さん、今終わったところなんですか?」 やえ「まあな、どうした?」 京太郎「じゃあ、俺と特訓しませんか?」 やえ「特訓か……うん、いいぞ」 京太郎「ありがとうございます」 やえ「こうして、こうだ!」クルクルー 京太郎「こうですか?」クルー やえ「回転が足りない!こうだ!」クルクルクルー 京太郎「えいっ!」クルー 咏「何やってんだあいつら」 憩「リーチの作法教練らしいで」 咏「なんだよそれ……」 京太郎「右手が痛い……」 京太郎「次は何をしよう」 京太郎「街に行こう」 京太郎「息抜きも必要だからな」 京太郎「浅草に来てみたぞ!」 京太郎「夜でも人はいっぱいいるんだな」 京太郎「賑やかだなー」ドンッ 絃「あ、すみません」 京太郎「こちらこそ…って霜崎さんじゃないですか」 絃「す、須賀さん!?どうしてここに」 京太郎「いま、白糸台で合宿してるんですよ」 絃「へ、へぇー」 京太郎「ところで絃さんはここで何を?」 絃「わ、私はお守りを買いに来たのですが……」 絃「買えたはいいものの失くしてしまいまして……」 絃「結局不幸のままです…」ショボン 京太郎「そうだ!絃さん麻雀部なんですよね?」 絃「はい…」 京太郎「じゃあ俺たちの合宿に来ませんか?」 絃「そ、そうですね……」 絃「すみません……」 絃「お誘いは嬉しいのですが、生憎都合が悪くて……」 京太郎「そうですか、すみません無理言って」 絃「いえいえ、本当にありがとうございました」 京太郎「俺もお守り買うか」 京太郎「次はどこに行こうかなー」 京太郎「今度は神田明神に来てみたぞ!」 京太郎「ここにもお守りはあるんだな、何を買おう」 京太郎「財布がだんだん薄くなってきたな」ドンッ 京太郎「あ、すみません」 ??「ああ、大丈夫だ、気にしないでくれ」 京太郎「い、郁乃さん!?」 ??「は?」 京太郎「なんで郁乃さんがここに?」 ??「さっきから何を言ってるんだ?私は辻垣内智葉というのだが」 京太郎「辻垣内さん……?」 京太郎「なんだ、気のせいか」 ????「どうかしましタカ?」 智葉「この男が少しわけがわからないんでな」 ????「お、男の人でスカ?」 ????「これでボーイズラーメンが食べられマス!行きまショウ!」 京太郎「え?ちょ、えええええええ」ズルズル 京太郎「ここは?」 ????「ラーメン屋デス」 京太郎「それはわかります」 智葉「ここにはボーイズラーメンという絶品ラーメンがあるらしくてな」 ????「ただ、男の人しか頼めないというのが難点なのデス」 ????「ソウダ、自己紹介わすれてまシタ、私はメガン・ダヴァンデス」 京太郎「あ、俺は須賀京太郎です」 ダヴァン「そうでスカ、お、来たようデスネ」 ダヴァン「ボーイズラーメンおいしかったデス」 智葉「それはよかったな」 ダヴァン「須賀クン、これ、私の連絡先デス」 京太郎「あ、はい」 智葉「おい、いいのか?」 ダヴァン「またボーイズラーメンを食べたくなったときに呼び出すだけデス」 京太郎「すみません、実は俺大阪に住んでるんですよ」 ダヴァン「なんですッテ!?」 ダヴァン「まあいいデス、あとこれ智葉の連絡先デス」 智葉「待てこら」 京太郎「風呂の時間だっだだっだだだだ!」 京太郎「だがしかし相変わらずの一人風呂なう」 京太郎「あの後2時間くらい入ってたけど誰も来なかった……」 京太郎「次はなにをしよう」 深夜 京太郎「小走さんと話そう!」 京太郎「小走さーん」コンコン やえ「はーいって須賀か」 やえ「なにをしてるんだ?」 京太郎「小走さんと話そうと思ったんですけどいいですか?」 やえ「別にかまわないぞ」 京太郎「小走さんってどこの出身なんですか?」 やえ「私は、奈良出身なんだ」 京太郎「奈良、ですか」 やえ「白糸台で麻雀をするために上京してきたんだ」 京太郎「麻雀のために?」 やえ「ああ、でも同学年に格の違うやつがいてな、本当に手強かった」 京太郎「それって照のことですか?」 やえ「照は凄かった、ここ2年の部員はあいつに憧れて麻雀部に入った者がほとんどだった」 やえ「だが、今年の3月に転校してしまった」 やえ「新入部員はあまりいない、2年生や3年生も退部していった」 京太郎「だから亦野さんがあんなに……」 やえ「そうだ、だが私はあいつが私たちに愛想を尽かしたんじゃないかって思ってる」 やえ「だから私はあいつを見返すために頑張る」 やえ「なあ、須賀、あいつは…照は、三箇牧で元気にやってるか?」 京太郎「はい、ピンピンしてますよ」 やえ「そうか、なら良かった」 【遠征初日】 終 【遠征2日目】 京太郎「朝だ!」 京太郎「何をしよう!」 京太郎「掃除をしよう!」 京太郎「どこを掃除しようかな」 京太郎「部室を掃除するか」 京太郎「案外早く終わったな」 郁乃「あれ~京太郎くん何しとるん~?」 京太郎「朝の掃除を、と思いまして」 郁乃「へぇ~偉いな~お姉ちゃん褒めたるわ~」ナデナデ 京太郎「や、やめてくださいよ」 京太郎「次はどうしよう」 京太郎「咏と特訓しよう!」 咏「朝からうっせーなー」 京太郎「特訓しようぜ!な、な?」 咏「はぁ…わかったよ」 咏「資料室からプロの対局の映像借りてきたから見ようぜぃ」 京太郎「おー!」 京太郎「なあ、ここってさ」 咏「なるほどねぃ~」 京太郎「あ、今のって」 咏「へ~おっもしろいね~」 京太郎「あの、咏さん?」 咏「おおおおお!」 京太郎「……」 京太郎「昼食はどこで食べるかな」 京太郎「昼飯は…近くにあったファミレスで食べるか」 霞「あら、京太郎君、どこに行くの?」 京太郎「昼食にファミレスに行こうかと」 霞「あら、それじゃあご一緒させてもらっていいかしら?」 京太郎「はい、いいですよ」 メニュー アカマムシラーメン 激辛うどん 白糸こんにゃく定食 三箇牧たこ焼き 関東ステーキ定食 桜そば 当たり付きランチ 500円 激安ランチ 300円 ランチ系以外1000円均一 霞「私は桜そばにしようかしら、京太郎君は?」 京太郎「俺は…この当たり付きランチにしましょうかね」 霞「何それ?」 京太郎「商品券や現金、商品とかが当たるらしいですよ」 霞「ふんふむ、面白そうね」 京太郎「そういえば、霞さんってどんな人がタイプなんですか?」 霞「ゲホッ」 京太郎「大丈夫ですか?」 霞「だ、大丈夫よ」 京太郎「鼻からそば出てますけど」 霞「えっ」 京太郎「嘘ですけど」 霞「……このぉぉぉぉおおおお!」 京太郎「ちょ、ちょいタンマ!」 霞「で、私の好みのタイプだったかしら?」 京太郎「はい……」ギッタンギッタン 霞「まずはデリカシーのある子」 京太郎「はい……」グサッ 霞「後は……私を大切にしてくれる人、守ってくれる人かしら」 京太郎「守らなくても大丈夫なんじゃ……」 霞「何か言ったかしら?」ニッコリ 京太郎「いえ、なんでもございません」 京太郎「午後は特訓するか」 エイスリン「~♪」 京太郎「あれ、エイスリンさん、何してるんですか?」 エイスリン「コレ!」バッ 京太郎「部室を描いてたんですか?」 エイスリン「ウン!」 京太郎「そうだ、一緒に特訓しませんか?」 エイスリン「umm...ウン!イイヨ!」 京太郎「最近聴牌できないなぁ……」 エイスリン「タカイノアガレナイ……」 京エイ「ビミョー……」 京太郎「次は何をしようかな……」 京太郎「また街に行くか」 京太郎「ま、まあ麻雀頑張ってるしな……」 京太郎「神田の古書店街に来てみたぞ!」 京太郎「しかし、こんなに遠出をしていて交通費は大丈夫なんだろうか…」 ?「うぅ…寒いよぉ……」カタカタ ??「ダ…ダイショーブでスカ?」 京太郎「雨でもないのに傘をさしてる人と、もうすぐ夏なのに厚着してる人……」 京太郎「あまり関わりたくないな」 ?「あ、あのぉ…」 京太郎(話しかけられた!?) 京太郎「俺ですか?」 ?「は、はいぃ……すみませんが、このあたりであったか~い場所、ありませんか?」 京太郎「あったかい場所……ですか」 ??「ア、アンニュイなら、オマカシ!」 ?「アンニュイ?」 京太郎「案内ならお任せ、ということですか?」 ??「That s right!」 ?「じゃ、じゃあお願いするね」 ??「Yes!」 京太郎「心配だな……付いていくか」 ?「えーっと、あ、あなたのお名前は?」 ??「ワタシィは、雀明華です」 京太郎「俺は須賀京太郎っていいます」 ?「私は松実宥っていうんだぁ~、よろしくね~」 明華「トーチャキ、ココだよ」 京太郎「ここは……古書店ですか?」 宥「あ、でも中にカレー食べたりしてる人がいるよ」 京太郎「つまり喫茶店兼古書店ってことですか」 宥「あったかそうだね~」 明華「ワタシィ、ココ、スキ!」 京太郎「へぇ、お2人は麻雀をしてるんですか」 宥「みんなでインターハイにいくんだぁ~」 明華「ワタシィもイクヨ!」 京太郎(この2人も合宿に誘ってみようかな) 京太郎「そうだ!2人とも、俺たちの合宿に参加しませんか?」 宥「合宿?」 宥「私は……あったかければ」 明華「麻雀、ヤル!」 京太郎「じゃあ、この紙に書いてあるところでやってるので、来てください」 宥「須賀くんは、来ないの?」 京太郎「俺はまだ用事があるので、その代わり誰かを迎えに来るので、ついて行ってください」 明華「アカッタ!」 京太郎「次はどこに行こうかな」 京太郎「松実さんたちも見送ったし、ゲーセンにでも行く……か」 咏菫霞「」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ 京太郎「あ、あのー」 咏「部室にいねーと思ってたら」ボキボキ 菫「他校の生徒を2人も部室に送って」メキメキ 霞「こんなところで遊んでるなんて」ゴキゴキ 咏菫霞「どういうことだよ」ゴッ 京太郎「ひっ」 咏「ってことで、ちょっと付き合ってもらおうかねぃ」 京太郎「ま、待って」 菫「早く行くぞ、立て」 霞「立たないと、勃てなくするわよ」ニッコリ 京太郎「それ、誤字ですよね……」 咏「まずはUFOキャッチャーだよな」 菫「なにを言っている、シューティングゲームだ」 霞「プリクラ行きましょうよ!プリクラ!」 咏菫「合わないだろ……」 霞「何か言った?」ニッコリ 咏菫「なんでもないです」 京太郎「結局あの3人とゲーセンで遊んだだけだった」 京太郎「良かったよかった」 京太郎「夜はなにをしようかな」 京太郎「あ、小走さん、部室に行かないんですか?」 やえ「お前はあんな灼熱地獄にいろというのか……」 【部室】 ブオーン 宥「あったか~い」トン 尭深(暑い、暑いけどキャラ的に耐えなきゃ)ズズー トン 郁乃「~♪」トン 良子(私はクール!クール……暑いよ……)トン エイスリン「…」カキカキ バッ 明華「エイ!スゲイ!」 エイスリン「エヘヘ」 誠子「なんで梅雨なのに暖房……」 憩「あ、暑い……」 京太郎「じゃあ、なにか雑談でもしましょうか」 やえ「ああ、頼む…」 京太郎「そういえば、小走さんの髪型ってどうなってるんですか?」 やえ「これは…寝癖だ」 京太郎「寝癖!?」 京太郎「寝癖ってあの寝癖ですか!?」 やえ「わ、悪いか!しょうがないじゃない……」 京太郎「そんな寝癖もあるんですね」 やえ「そうジロジロ見るな」 京太郎「触ってみてもいいですか?」 やえ「なっ」 京太郎「おお」クルクル やえ「や、やめてくれ」 京太郎「面白いなぁー」 京太郎「今度俺も真似してみましょうかね」 やえ「それはやめろ」 京太郎「んー、前のは運が良かったからなのかなー」 京太郎「次はなにをしよう」 菫「はぁ……」 京太郎「どうしたんですか、ため息なんて吐いて」 菫「誰って、主にお前のせいだがな……」 菫「なぜ私の部屋にいる」 京太郎「ドアが開いていたので」 菫「開いていたので、じゃないだろ!どうして人の部屋に勝手に入るんだ!」 京太郎「ノックしたじゃないですかー」 菫「須賀ァ……」 京太郎「ま、まあ落ち着いて、なんか話しましょうよ」 京太郎「そんなに怒ってると体に悪いですよ」 菫「誰のせいだと!」 京太郎「弘世さんが好きな食べ物ってなんですか?」 京太郎「俺が好きなのはカレーうどんですね」 京太郎「家庭料理として広く親しまれているカレー、それと日本が生んだ伝統の麺、うどんが合わさった完全無欠の料理、それがカレーうどんだと思うんですよ」 菫「なにを急に」 京太郎「あの純白の麺に茶色の液体がねっとりとついているあの姿だけでも実に芸術的」 京太郎「味も、まさにインドと日本の修好通商条約」 京太郎「決してどちらか一方にのみ偏る、ということはなくバランスのいいあの味!」 菫(それ違くないか…) 京太郎「それに肉、野菜などの具材も、普通の汁などで煮込んだ時とは段違いのうまさを発揮します」 京太郎「『あーあ、カレー余っちゃったけど明日も食べたくないなー』ってときには最高の一品!」 京太郎「出汁を入れて、少し煮込むだけ、はい完成」 京太郎「もし汁が残っていても、その中にご飯を入れればあら不思議」 京太郎「昨日のカレーとは全く別物のカレー雑炊の出来上がり」 京太郎「どうです?あなたも食べたくなったでしょう?」 菫「……うん」 菫「出てけ」ニッコリ 京太郎「えっ」 バタム 【遠征2日目】終 【遠征3日目】 京太郎「カレーうどんのことばかり考えて眠れなかった」 京太郎「どうしよう」 京太郎「朝食に行こう!」 京太郎「朝は学食で食べれるんだったな」 京太郎「すみません、前いいですか?」 淡「は?誰?」 京太郎「三箇牧の須賀京太郎です、あなたは…大星さんでしたっけ?」 淡「淡でいいよ、それと敬語使うな気持ち悪い」 淡「あと、こっち見るな」 京太郎「じゃあどう食えと!?」 淡「おばちゃんの方見て食べればいいんじゃない?」 京太郎「明らかに変な人だろ!」 淡「金髪っていう時点ですでに変な人だけど」 京太郎「淡も金髪じゃないか」 淡「女の子はいいのよ!」 淡「ほら早く食べていなくなってよ、私の世界から」 京太郎「世界!?せめて視界にしてくれよ!」 淡「あーもう!朝からうるさいわね!死海に沈めるわよ!」 京太郎「残念でしたー、死海に人間は沈めませんー」 淡「むかっ!」 淡「もう許さない!」 京太郎「そういえば、淡はどう思ってるんだ、白糸台のこと」 淡「急に話題を変えるな!」 京太郎「で、どうなんだ?」 淡「退屈かな、去年は宮永照って人がいたらしいけど今はいないし」 淡「あーつまんないー」 京太郎「じゃあ、こっちに来ないか?」 淡「それも考えたんだけどさー、私があんたらと一緒に打つより、私があんたらを潰した方がいいんじゃないかーって思ったんだよね」 京太郎「ふーん、そうか、まぁ冗談なんだけどな」 淡「なんなのよアンタはさっきからー!」 京太郎「やめろ!胡椒をかけるんじゃない!」 京太郎「さて、朝は何をしよう」 京太郎「あー疲れた、何か飲み物でも……」 京太郎「何してるんですか、松実さん」 宥「隠れてるの見つかっちゃった」 京太郎「何してるんですか」 宥「自販機の隣ってね、すっごくあったかいんだぁ~」 京太郎「なんで部室に行かないんですか」 宥「みんなが暑そうにしてるから、私が行ったら悪いかなぁ~って」 宥「せっかく須賀くんに呼んでもらったのに、ごめんね」 京太郎「そうですか……」 京太郎(部室、行ってないんだよなぁ…) 京太郎「じゃあ話して時間潰しましょうか」 宥「うん」 京太郎「そしたらそんなところにいないで、俺の隣に来てくださいよ」 宥「え、それは……あったかくないよぉ」 京太郎「大丈夫ですよ」ニギッ 京太郎「こうすれば、手だけでもあったかいでしょう?」 宥「うぅ…確かに、あったかいけど…恥ずかしい、よぉ///」 京太郎(きっかけ作ったの俺だけど、何この可愛い人……) 京太郎「…そういえば、松実さんのその服装は何なんですか?」 京太郎「マフラーにマスク、眼鏡って」 宥「やっぱり…変だよね」 京太郎「初見だと少し……」 宥「私、ちっちゃいころから寒がりなんだ、それが原因でよく男の子にいじめられたりもして」 宥「でもお母さんも玄ちゃんも私はそのままでいいって言ってくれて、だからずっとこんな服装でいるんだ」 京太郎「ふーん……あれ」 京太郎「玄…って、松実さんって松実玄さんのお姉さんなんですか?」 宥「玄ちゃんのこと、知ってるの?」 京太郎「少しありましてね」 京太郎(あれ、そういえば、俺があのとき推したおもちって) 宥「そうなんだぁ~」 京太郎(いま、すぐそばにあるのか……) 京太郎「昼飯はどこに行こうかな」 京太郎「昼飯だああああ!」 淡「うるさい!なんでいつも黙っていられないの!」ゲシッ 京太郎「痛っ!」 京太郎「どっかおすすめとかないのか」 淡「あんたなんてす○家で十分!」 京太郎「じゃあ行くか!」 淡「なんで私までー!」 メニュー 白糸こんにゃく定食 500円 関東ステーキ定食 500円 桜そば 600円 当たり付き定食 300円 激安定食 200円 京太郎「淡って、弘世さんのことどう思ってるんだ?」 淡「まあ、頑張ってるんじゃない?部長としては」 京太郎「麻雀は?」 淡「頑張ってるとは思うけど、いまいち……ね」 淡「本当いつもうっさいのよ、グチグチグチグチ」 淡「やれサボるな真面目にやれあーしろこーしろって」 淡「あんなやつ大嫌い!」 京太郎「ふーん」 京太郎「そうか…じゃあ俺たちが持って行ってもいいんだな」 淡「な!」 淡「ダメ!ダメだよ、そんなこと!」 淡「そんなことしたらつまらなくなるじゃない!」 淡「そんなこと許さない!」 京太郎「……ふふっ」 京太郎「なーんだ、結局好きなんじゃん」 京太郎「まあ冗談なんだけどな」 淡「むかっ!」 京太郎「やめろ!七味をかけるんじゃない!」 京太郎「頭がヒリヒリする……」 京太郎「久々に誰かと打つか」 淡「なら、私と打ちなさいよ」 京太郎「別にいいけど、あと2人はどうする?」 淡「そうね……」 良子「相手がいないのか?」 京太郎「なんでそんなに嬉しそうなんですか」 菫「そういうことなら、私も入らせてもらおう」 良子(これは須賀くんに私の凄さを見せる絶好のチャンス!) 菫(こいつは一度ばかし射抜いておかないとな) 開局 良子(尭深とかいう子のは…面白いな) 淡(楽しみだなぁ) 京太郎(なんだよこの卓) 菫「それじゃあ、始めだ」 淡(うわ、ツモっちゃったよ……) 淡(しかもメンゼンで白中とかさ) 淡(ま、いっか) 淡「ツモ、1300・2600」 東2局 弘世菫 22400 親 大星淡 30200 戒能良子 23700 須賀京太郎 23700 菫(こいつが入るといつも狙えないんだよなぁ)ジロッ 淡「~♪」 菫(うーん)トン 淡「あ、カン」 良子(こんな感じでいいのか?)トン 京太郎(調子悪いなぁ)トン 菫(うむむ……)トン 淡(うわぁ…) 淡「はぁ…ロン、トイトイ、5800」 東2局1本場 弘世菫 16600 親 大星淡 36000 戒能良子 23700 須賀京太郎 23700 菫(あぅぅ……)トン 淡(まただよ……はぁ) 京太郎「それ、ロンです、1000の1本場は1300です」 菫「おお、もう……」 東3局 弘世菫 15300 大星淡 36000 戒能良子 23700 須賀京太郎 25000 京太郎「ロン、2000です」 良子(そろそろ…いや、まだいいか) 淡(結局ノーテンかぁ) 東4局 弘世菫 13300 大星淡 36000 戒能良子 23700 親 須賀京太郎 27000 良子(いまいち使い慣れないな……)トン 京太郎「それです、ロン、5800」 良子「えっ」 やえ「なあ、あの打ち筋…」ボソボソ 尭深「気のせいかもしれないですけど、似てますよね…」ボソボソ 東4局1本場 弘世菫 13300 大星淡 36000 戒能良子 17900 親 須賀京太郎 32800 京太郎「リーチ!」 菫淡良(ダブリー!?) 菫(これなら、なんとか)トン 淡(全然聴牌できてない)トン 良子(当たったらアクシデントだ!)トン 京太郎「それです、ロン、7800の1本場は8100」 良子「うぇぇ……」 良子(こうなったら……) 東4局2本場 弘世菫 13300 大星淡 36000 戒能良子 9800 ※[攻撃モード]に移行しました 親 須賀京太郎 40900 京太郎(急に牌が…) 菫(来なくなった…) 菫(どうすればいいんだ…)トン 良子「ロン、面清、12000の2本場は12600」 南1局 親 弘世菫 700 大星淡 36000 戒能良子 22400 ※[攻撃モード] 須賀京太郎 40900 良子(今度は面混、七対子、ドラ2、リーチをかければ倍満か…) 良子(まくるには…ツモしかないが) 良子(どうしたものか…とりあえず、) 良子「リーチだ」 菫(射抜きたい……絶対に)トン 良子(…早速……妥協するか) 良子「ソーリー、ロンだ、16000」 菫「」 終局 須賀京太郎 40900 戒能良子 38400 大星淡 36000 弘世菫 -15300 京太郎「お疲れ様でした」 淡「うあー抜かれたー」 良子「ソーリーソーリー」 淡「悔しいからもう一回!わかった?」 良子「うむ、受けてたとう!」 菫「とんだまたとんだ、やえと打っても淡と打っても尭深と打ってもとばされるのはいつも私……」 京太郎「なんだか居づらい雰囲気だな…少し外に出てくるか」 京太郎「そして来ました休憩室!」 やえ「うるさいな……」 京太郎「あれ、寝てました?」 やえ「少しだけ、もう行くが」 京太郎「じゃあお休みついでに俺と話しませんか?」 やえ「ん、わかった」 京太郎「小走さんの趣味って何なんですか?」 やえ「麻雀…は趣味じゃないか」 やえ「趣味……か、よくよく考えてみると…ないな」 京太郎「無い、ですか」 やえ「ああ、私は小さなころから麻雀を打っていてな、小3のころにはもうマメすらできなかった」 やえ「ほら、見てみろこの指を!」ピカーン 京太郎「おおっ、綺麗ですね!」 やえ「だろ!これが王者の指―――ロイヤル・フィンガーだ!」ドヤァ 京太郎「……」 やえ「……」 やえ「すまない、忘れてくれ」 やえ「この通りだから!」 京太郎「ん?いま、なんでもするっていったよね?」 やえ「それは言ってない!」 京太郎「それじゃあ……」 やえ「人の言葉を聞け!」 京太郎「膝枕でもしてもらいましょうかね」 やえ「ひ、膝枕!?膝枕ってあのラブラブな2人がよくやるあ、あ、あれのこと?」カァァ 京太郎(いい反応だ……) やえ「う…わ、わかった」 やえ「た、ただし!5分だけだからな!」 京太郎「それだけで十分ですよ」 やえ「~~///」モゾモゾ 京太郎(なんだか落ち着いてないな) やえ「も、もうそろそろ5分経ったんじゃないかなっ!」 京太郎「いいえ、まだ1分も経っていませんよ」 やえ「うぅぅ///」 京太郎(ここに時計が無くて良かったなぁ) その後、2時間くらい膝枕を堪能しました 夜 京太郎「うーん、良く寝たぁ」 淡「あ、京太郎!もう一回打つわよ!」 京太郎「別にいいが、他の2人は?」 淡「あ」 開局 淡「じゃあ京太郎が捜してなさいよね」 京太郎「なんでだよ、淡が言い出したんだから淡が捜して来いよ」 淡「あー!もう、なんなのよ!」 咏「おー、盛り上がってるねぃ」 咏「それじゃあ私も混ぜてもらおうかねぃ」 淡「まず1人確保ね、私が確保したんだから早くもう一人捜してきなさいよ!」ゲシッ 京太郎「横暴すぎるだろ!」 霞「あらあら、仲がいいのね~」 京太郎「良くないです!」 淡「そうよ、このとしm……」 霞「仲がいいのね~」ニッコリ 京淡「はい!仲良しです!」 咏「かすみんも打っていかねー?」 霞「あら、いいの?」 京太郎「は、はいぃ」 淡「断る理由もないですしねー」 霞「うふふ、よろしくね」 咏(聴牌か……ま、どうにでもなればいいんじゃね、しらんけど) 【てきとー】発動! 咏(親じゃないんだから気楽にね~) 淡(霞…怖い) 京太郎(今回も牌の回りが悪いなあ、でも) 京太郎「ツモ、300・500」 京太郎(和了る!) やえ(始まったか……) 尭深(……)ズズッ 東2局 大星淡 24500 親 三尋木咏 24700 石戸霞 24700 須賀京太郎 26100 京太郎「ロン!2000だ!」 咏「はいよ」 淡(何これ…誰かに後ろから髪を引っ張られてるみたいな…) 東3局 大星淡 24500 三尋木咏 22700 親 石戸霞 24700 須賀京太郎 28100 京太郎「よし!ロン、3900!」 咏「えっ、また私からかよ」 京太郎「しょうがないだろ、ほら早く」 咏「わかったよ」 やえ(やはり止まらない、か) 東4局 大星淡 24500 三尋木咏 18800 石戸霞 24700 親 須賀京太郎 32000 京太郎「まだまだ行くぜ!」 淡(本当に手が進まないわね…) 咏(とりあえず北から捨てるか)トン 霞「あ、それよ、ロン、面混東北ドラ3で16000よ」 咏「うげっ」 やえ「あれ、止まった?」 尭深「みたいですね」 南1局 親 大星淡 24500 三尋木咏 2800 石戸霞 40700 須賀京太郎 32000 淡(あ、なんか調子が戻ってきたみたいね) 淡(来るわよ!私の時代が!) 京太郎(聴牌ができない…) 咏(とばなけりゃいいよな…) 淡「はい、ツモー!2600オールー!」 京太郎(や、やばい…) 咏(ギリギリじゃねえかよ…) 南1局1本場 親 大星淡 32300 三尋木咏 200 石戸霞 38100 須賀京太郎 29400 淡「私の時代よ!」 霞「若い子は元気ね~」 京太郎「なんとしてでも逆転してやる!」 咏「もうこっからは真剣勝負だぜぃ!」トン 淡「ロン、12300」 咏「」 終局 大星淡 44600 石戸霞 38100 須賀京太郎 29400 三尋木咏 -12100